令和4年度 京都大学生存圏研究所 公開講座
『先人の才知に学ぶ、サステナビリティ―』(4回目開催は都合により中止となりました)
更新日: 2023/01/24
2023年2月17日に予定していた第4回「地球上で一番巨大な生物から古くて新しくて強い材料が生まれる話」は、都合により開催を中止しました。ご了承くださいませ。
この公開講座は、大学や公的機関で研究をされている方はもちろん、
高校生、大学生、一般の方も ご自由にご聴講頂くことができます。
オンライン配信での実施となりますので、パソコン、スマートフォンからのアクセスが必要となりますが、
お飲み物やお茶菓子をお供にしていただき、くつろぎながらご参加ください。
コロナ禍で大変な時期ですが、週末のひととき、おうちにいながらSDGsの講義などはいかがでしょうか?
参加費は無料です。
ご参加のお申込み方法は、このウェブページの下のほうにございますので、ご確認ください。
第1回
令和4 年11月25日 17:30~18:30
農業を支えてきた土の中の微生物 ~畑の土×最先端分析~
杉山 暁史 (生存圏研究所 准教授)
最近は少なくなってきましたが、昔は春になると田んぼには一面にレンゲが咲き誇り、美しい田園風景が日本各地で見られました。レンゲの根には「根粒」があり、根粒菌が空気中の窒素を吸収してレンゲに栄養分として与えてくれます。農家の方はレンゲを土にすき込むことで、稲作の肥料として使っていたのです。土にすき込んで肥料とするレンゲのような作物を緑肥作物といいます。近年、ヘアリーベッチという緑肥作物が広く使われるようになりました。ヘアリーベッチを育てた畑の土に含まれる微生物や化学物質を丹念に分析したところ、根の周りで起こる面白い植物と微生物のコミュニケーションが見つかりました。古からの農業の知恵を最先端の分析機器で調べてみると、これからの生存圏を支える食料生産のあり方がみえてくるかもしれません。
第2回
令和4年12月16日 17:30~18:30
オーロラの神秘を解き明かすカギは,古記録にあり?
海老原 祐輔 (生存圏研究所 准教授)
オーロラといえば白緑色の光のカーテンを連想されると思いますが、オーロラには様々な色や形があり、なかには赤一色のぼんやりとした珍しいオーロラもあります。この赤いオーロラは中緯度や低緯度地域に現れ、太陽活動が活発なときには日本でも年に数回程度見ることができます。大きな地磁気嵐の発生とともに現れることは分かっていますが、出現頻度が極端に低く、その実態はよく分かっていません。世界各地の古記録を調べたところ、様々な色や形を持つオーロラが埋め込まれていることや、1週間近く現れ続けたという記述が見つかり、赤いオーロラの多様性や特異性が分かってきました。各地の記録と数値計算と組み合わせ、当時のオーロラを復元することもできるようになりました。過去のオーロラが地球と私たちの未来について何を教えてくれるのか、考えてみたいと思います。
第3回
令和5年1月20日 17:30~18:30
文化財を紐解く ~木材×歴史×科学~
田鶴 寿弥子 (生存圏研究所 講師)
葉も樹皮も取り去った木材から、夥しい数の文物を作り文化を花開かせた日本。仏像や建造物に代表される木製文化財の樹種調査からは、日本人が木と密接に寄り添い語り合ってきた、昔の様相が見え隠れします。木製文化財から得た数ミリ程度の破片を顕微鏡等で調査し、樹種や年代を明らかにすること、そして得られた知見を学際的に見つめることで、当時の文化交流や用材観、民俗学的視座について重要な知見が得られます。人と木が直接的に結びついていた古代の用材観には、未来を生きる人々へ伝えていくべき大事なヒントが隠されているかも。さあ、一緒に木を通して過去を覗いてみませんか。
第4回 都合により中止となりました。ご了承くださいませ。
令和5年2月17日 17:30~18:30
地球上で一番巨大な生物から古くて新しくて強い材料が生まれる話
阿部 賢太郎 (生存圏研究所 准教授)
私たちが生活しているこの地球は約46億年前に誕生したと言われていますが、その長い歴史の中で、もっとも大きな生物は何でしょうか?ときに高さ100 mを超え、重さ1000 tを超えるその巨大生物の体は、とても細くてとても強い繊維によって支えられています。その繊維の名前は「セルロース」と言い、セルロースはすでに私たちの周りに豊富に存在し幅広く活用されています。そして、今、その細くて強靭な繊維が再び注目され、新しい形で私たちの暮らしをも支えようとしています。そういうことを話そうと思います。
お申し込み方法
お申し込み方法
この公開講座は、オンラインのみでの実施です。
オンライン聴講用のツールとして、ウェブ会議システム「Zoom」を使用します。
専用のアプリもありますが、公開講座にパソコンから参加して頂く場合は、
事前にアプリをインストールしなくても、ブラウザ(Chromeなど)から視聴できます。
聴講を希望される方は、下記のGoogleフォームからお申込みください。受付けは終了しました。(2023/1/24)
https://forms.gle/zoE1vbtQvFxzPALp7
本公開講座に関するお問い合わせ
生存圏未来開拓研究センター
rish-lecture@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp (@を大文字表記にしています。)
アンケート
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