バイオマスプロダクトツリー産学共同研究ユニット
担当教員:渡辺隆司(特任教授)
森林から土壌、河川、海洋そして大気、宇宙へと広がる生存圏において、地球環境と調和した産業の構築が切実に求められています。バイオマスプロダクトツリー共同研究ユニットでは、その中心を担う植物バイオマスから有用な素材を創る研究を株式会社ダイセルと産学共同で進めています。木質バイオマスを温和な条件で溶解し、新素材、機能性製品を創る研究や、分子変換による機能性化合物の創出、精密な分子構造解析やバイオテクノロジーによる変換などに取り組んでいます。幅広い連携と、オープンイノベーションによって、バイオマスに新しい付加価値を創り、持続的で豊かな社会の創成に貢献する研究を行っています。

活動
- 令和4年4月に、生存圏未来開拓研究センターにバイオマスプロダクトツリー共同研究ユニットが配置されました。これに先立ち、令和3年10月1日 に京都大学生存圏研究所、化学研究所、エネルギー理工学研究所の3部局と株式会社ダイセルでバイオマスプロダクトツリー共同研究部門を設置し、合わせて、京都大学と株式会社ダイセルの包括連携協定、京都大学生存圏研究所、化学研究所、エネルギー理工学研究所、農学研究科、人間・環境学研究科の5部局と株式会社ダイセルの包括的研究連携協定を締結しました。
- 令和3年10月13日の関西経済人・エコノミスト会議 「関西から創る未来社会~SDGs」を育むにおいて、京大と株式会社ダイセルとの包括連携協定、産学共同研究部門の設置と取り組みが湊総長より紹介されました。
- 令和7年4月に、バイオマスプロダクトツリー共同研究部門に、農学研究科、人間・環境学研究科、成長戦略本部を加え、京都大学を6部局体制に拡大しました。
- 令和6年より、バイオマスプロダクトツリー産学共同研究ユニットの研究が、株式会社ダイセルよりテレビコマーシャル「森林化学という道へ」として放映されています。
- 京都大学宇治キャンパス公開において、バイオマスプロダクトツリー産学共同研究部門と森のねんど研究所の共同イベントとして、“森のねんどで未来世界を創ろう!実践バイオマスプロダクトツリー“を2021年度より開催し、森のねんどを使った人形の作成体験や研究成果の紹介を行っています。
- バイオマスプロダクトツリー産学共同研究ユニットの研究が、公益社団法人 日本木材加工技術協会の第22回市川賞を受賞しました (研究課題: 木材の超穏和溶解を利用した合成ポリマー・接着剤フリーな木質圧縮成形物及び表面コート木材の創成)。 (令和6年6月23日)
- バイオマスプロダクトツリー産学共同研究ユニットの研究論文が、英国王立化学会のMaterials Advancesの表紙に採用されました。
- 第75回 日本木材学会大会において、「木と木を木で接着する ギ酸による木材の超穏和溶解の利用」が優秀ポスター賞を受賞しました。(2025年3月21日、鈴木昭浩研究員)