磁気嵐とオーロラの研究

磁気嵐時のオーロラ (2000年11月スウェーデン北部にて)

計算機シミュレーションによるオーロラ・ブレイクアップの研究

オーロラ・ブレイクアップ時に磁気圏を流れる電流

オーロラ・ブレイクアップ直前に現れる南北オーロラと対応する磁気圏構造

南極点基地でオーロラ観測を実施中

プロフィール

氏名 海老原祐輔
所属 京都大学生存圏研究所 准教授
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄 [アクセスマップ]
居室 京都大学宇治キャンパス 本館 S-242H [キャンパスマップ]
電子メール ebihara#rish.kyoto-u.ac.jp   (#を@に置き換えてください)
Researcher ID D-1638-2013
Google Scholar Yusuke Ebihara

最近の成果・動き

エネルギーは宇宙から螺旋状にやってくる 【オーロラ・主著論文】(2017年12月)
オーロラ爆発(オーロラブレイクアップ)が起こると極域の電離圏で数百万アンペアものジェット電流が流れ、数千億ワットものエネルギーが消費されます。このエネルギーはどこからってくるのでしょうか?シミュレーションの結果を解析し、磁気圏の高緯度地方にある発電機によって太陽風のエネルギーが電磁エネルギーに変換され、地球に到達するまでに道筋を示しました。地球近傍で電磁エネルギーが熱エネルギーに一旦変換されることで、極域の狭い領域に電磁エネルギーを集中的に流し込むことが可能となるようです。[論文]

オーロラ・サージはなぜ西に進む? 【オーロラ・主著論文】 (2017年12月)
オーロラ爆発(オーロラブレイクアップ)が始まると、明るいオーロラ(サージ)が西向きに移動します。なぜ西に移動するのでしょうか?シミュレーションの結果を解析することで、明るいオーロラの周囲では電気が余り、余った電気が磁気圏のプラズマを動かし、明るいオーロラの西側で更にオーロラを強める事を示しました。真夜中付近を境に西側では上向き電流に対応した明るいオーロラが現れますが、東側では下向きに電流に対応して明るいオーロラは光りません。この非対称性が明るいオーロラが西向きに広がることの原因のようです。[論文]

11回目の南極点基地出張 【南極】 (2017年11月)
南極点基地に設置しているオーロラ観測装置のカメラを交換するため、南極点基地に出張しました。悪天候の為、途中のマクマード基地で12日間足止めされるというトラブルはありましたが、予定通りカメラを交換し、観測プログラム(ebicam)の書き換えを完了することができました。来シーズンから観測を開始します。[プロジェクトページ]

1770年に日本で見えたオーロラは何故明るい? 【オーロラ・主著論文】 (2017年10月)
1770年、日本列島各地でとても明るいオーロラが目撃されました。日本で見えるオーロラはとても暗く、肉眼で見えないものがほとんどです。ところが1770年の記録によると、オーロラの光りによって手許の文字が読めたとあり、尋常でない事が当時起きていたと考えられます。大磁気嵐時に人工衛星が観測した降り込み電子のデータを参考に、当時のオーロラの再現を試みました。極めて大量の低エネルギー電子が不変磁気緯度32度から42度の範囲に降り込むことで、当時の絵画や記述を説明できることがわかりました。極域でよく見ることができるオーロラ爆発(オーロラブレイクアップ)に匹敵する明るさを持つ低緯度オーロラは非現実的ではないようです。 [論文]

新聞・雑誌・ウェブニュース等

2017年9月28日 「オーロラ・サブストームに関する 新しいメカニズムの提唱」(科研費NEWS 2017 Vol.2)
2016年8月28日 「解明されたオーロラ爆発のなぞ」(パリティ2016年9月号)
2016年4月7日 「宇宙を良く知り共存へ」(読売新聞13面)
2016年2月23日 「爆発解明へ 発想転換」(読売新聞18面)
2016年2月3日 Bright night lights, big science」(Student Science・アメリカ)
2015年12月23日 「オーロラ爆発原因はプラズマ発電」(産経新聞 京阪奈・京都市版)
2015年12月23日 「オーロラ爆発解明 大規模停電誘発 発生予測へ期待」(京都新聞)
2015年12月29日 AURORAL BREAKUP EXPLAINED BY SCIENTISTS」(Capital Wired・アメリカ)
2015年12月26日 Ratselhafte Ausbruche bei Polarlichtern wohl aufgeklart」(ShortNews.de・ドイツ)
2015年12月25日 日本の研究チーム、オーロラの「謎」を解明する」(WIRED日本版)
2015年12月24日 Aurore polari, risolto il mistero sulle loro esplosioni」(Focus.it・イタリア)
2015年12月21日 Mystery of swirling Northern Lights finally solved」(WIRED UK・イギリス)
2015年12月22日 Polarlicht: Ratselhafte Ausbruche aufgeklart」(scinexx.de・ドイツ)
2015年12月21日 Un modello fisico completo per le aurore polari」(Le Scienze・イタリア)
2015年12月21日 Японские ученые разгадали тайну вспышек северного сияния」(インターファックス・ロシア)
2015年12月21日 ченые нашли точную причину появления северных сияний Читать полностью」(TUT.BY・ベラルーシ)
2015年12月21日 Разкриха тайната на внезапните изригвания на Полярното сияние」(Znanya TV・ブルガリア)
2015年12月21日 Auroral mystery solved: Sudden bursts caused by swirling charged particles」(PHYS.ORG・アメリカ)

教科書・専門書等

2016年11月 Waves, Particles, and Storms in Geospace
(Balasisほか編,第13章担当, Oxford University Press)
2016年8月 Space Weather Fundamentals」(Khazanovほか編, 第9章「Ring Current」pp.149-172担当, CRC Press)
2016年7月 低温環境の科学事典」(1-11章「磁気嵐」担当, 朝倉書店)

解説

なぜオーロラ爆発が起こるのか?
なぜ磁気嵐が起こるのか?

研究テーマ

オーロラ嵐/サブストームの研究

オーロラが急に明るく光り出す現象をオーロラ嵐(サブストーム)と呼びます。 このとき超高層大気や地球近くの宇宙空間では大電流が流れ始め、磁気の乱れや高エネルギー粒子の注入など大変動が見られます。 オーロラ嵐が起こる原因について活発な議論が交わされていますが良く分かっていません。 シミュレーションを使ってオーロラ嵐/サブストームを再現し、シミュレーションの結果を詳しく解析することでオーロラ嵐を理解しようという新しいアプローチを展開しています。

磁気嵐/リングカレントの研究 [解説]

地磁気が数日間乱れる現象を磁気嵐と呼びます。 地磁気の乱れは主に地球を取り囲むように流れるリングカレントが発達するために起こります。 リングカレントは主に数keVから数100 keVのエネルギーを持つイオンが作るため、 磁気嵐を理解するためにはこれらのイオンの動きを理解することが重要です。 磁気嵐の発達過程をイオンの流入、加速、輸送、消失過程ととらえ、シミュレーションと観測データを比較することで磁気嵐の研究を推進しています。

放射線帯の研究

プラズマ圏の研究

オーロラの研究

サブオーロラ帯の研究

磁気圏物質循環の研究

南極点基地でオーロラ観測

計算機シミュレーション