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第532回生存圏シンポジウム
第18回MUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウム

開催日時 2024/09/26(木曜日) - 2024/09/27(金曜日)
開催場所 オンライン
申請代表者 橋口 浩之(生存圏研究所)
所内担当者 橋口 浩之(生存圏研究所)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 地球物理・気象・気候・リモートセンシング・情報通信

詳細は、こちらのページをご参照ください。
https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ear/sympo.html

概要

本研究集会では、MUレーダー・赤道大気レーダー共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論された。16件の発表が全て口頭発表で行われ、活発な議論が展開された。プロシーディング集を編集し、ホームページで公開した。

目的と具体的な内容

MUレーダーは滋賀県甲賀市信楽町に位置する中層・超高層及び下層大気観測用VHF帯大型レーダーで、1984年の完成後すぐから全国国際共同利用に供されてきた。2003年度に「MUレーダー観測強化システム」が導入され、レーダーイメージング観測などの機能向上が図られている。MUレーダーは、アクティブ・フェーズドアレイシステムを用いた世界初の大規模大気レーダーとして、大気科学やレーダー技術の発展に貢献したことが評価され電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会であるIEEEより、IEEEマイルストーンに認定された。また、国内の電子情報通信学会マイルストーン、電気学会「でんきの礎」にも認定された。一方、インドネシア共和国西スマトラ州に位置する赤道大気レーダー(EAR)は、2000年度末に完成した大型大気観測用レーダーで、2005年10月からEARとその関連設備の全国国際共同利用を行っている。本研究集会では、共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論することを目的とする。
 従来MUレーダーシンポジウム、赤道大気レーダーシンポジウムとして別々に研究集会を開催してきたが、両レーダーの連携した共同利用研究を一層促進するために、2012年6月に両共同利用委員会を統合したことを受けて、2012年度よりMUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウムとして開催している。本シンポジウムでは、16件の発表が全て口頭発表で行われ、1件当り20分の時間を取り、十分な議論を行うことができた。オンラインで開催し、海外からの発表もあった。また、発表内容を記録に残すため、プロシーディング集としてホームページに掲載した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本シンポジウムは、生存圏研究所が掲げる5つのミッションのうち、主としてミッション1「環境診断・循環機能制御」に、一部ミッション3「宇宙生存環境」およびミッション5「高品位生存圏」に関連するものである。生存圏研究所では、生存圏科学の重要地域の一つとして低緯度赤道域に注目し、大気科学の分野において、長年に渡ってインドネシアとの研究協力を進め、赤道大気レーダーを設置しインドネシア国立研究革新庁(BRIN)との協力のもとで運営している。また、信楽MU観測所では国内の大気環境計測の重要地点として、MUレーダーを中心として様々な測器の開発、観測実験が実施されている。本シンポジウムでは、MUレーダー・赤道大気レーダーを中心として中緯度・赤道熱帯域で進行中の生存圏科学に関する研究活動の活発な議論が展開された。

プログラム

2024年9月26日

(座長: 橋口浩之)
14:00-14:10 MUレーダー・赤道大気レーダー共同利用の現状
MUレーダー/赤道大気レーダー共同利用・共同研究専門委員長 橋口浩之
14:10-14:30 信楽イオノゾンデ観測の自動読み取りシステムとfoF2の長期統計解析
 横山竜宏・劉鵬・釆山裕紀・寺内充(京大RISH)
14:30-14:50 機械学習を用いた電離圏擾乱現象自動検出モデルの作成
 春名健太郎・劉鵬・釆山裕紀・横山竜宏(京大RISH)
14:50-15:10 2023年11月5日の磁気嵐に伴う電離圏変動の3次元構造
 斎藤享(電子航法研)・野崎太成・山本衞(京大RISH)

(座長: 横山竜宏)
15:20-15:40 Lifetime and zonal migration of equatorial plasma bubble observed using the Indonesian ROTI map
 Prayitno Abadi (BRIN)・Yuichi Otsuka (ISEE, Nagoya Univ.)
15:40-16:00 High-resolution 3-D imaging of electron density perturbations using ultra-dense GNSS observation networks in Japan
 Weizheng Fu・Yuichi Otsuka (ISEE, Nagoya Univ.)・Nicholas Ssessanga (Univ. Oslo)
16:00-16:20 Spatiotemporal Prediction of Ionospheric Total Electron Content Based on Machine Learning
 Liu Peng (RISH, Kyoto Univ.)

2024年9年27日

(座長: 橋口浩之)
10:00-10:20 鉛直上向き気象レーダーと大気レーダーを用いたブライトバンド近傍における層状性降水成長過程の観測
 重尚一・中村聡恵・戸田望(京大理)・後藤悠介・篠田太郎(名大ISEE)・橋口浩之(京大RISH)
10:20-10:40 2024年梅雨時期におけるライダーとレーダーによる雲・降水観測の初期解析結果
 柴田泰邦(都立大)・重尚一(京大理)・矢吹正教・橋口浩之(京大RISH)
10:40-11:00 MUレーダーとMRRによるブライトバンドの同時観測
 佐伯悠太郎・下舞豊志(島根大)・橋口浩之(京大RISH)
11:00-11:20 Using MU radar data (1987-2022) to re-examine the seasonal dependence of atmospheric parameters
 Luce Hubert・Hashiguchi Hiroyuki・Tsuda Toshitaka (RISH, Kyoto Univ.)
11:20-11:40 MUレーダー観測に基づいた台風のメソスケール風速場の特徴について
 柴垣佳明(大阪電通大)・橋口浩之・Hubert Luce(京大RISH)・山本真之(NICT)・山中大学(地球研)

(座長: 橋口浩之)
13:00-13:20 赤道大気レーダと下部対流圏レーダを組み合わせた降水雲内の大気鉛直流の推定-2
 戸田望・重尚一(京大理)・Christopher R. Williams (Univ. Colorado Boulder)・西憲敬(福岡大理)・橋口浩之(京大RISH)
13:20-13:40 Ku帯およびKa帯衛星回線の降雨減衰比と周波数スケーリング法の検討
 前川泰之(大阪電通大)
13:40-14:00 車載ライダーによる山岳・寒冷地の大気エアロゾル立体観測
 矢吹正教(京大RISH)・三浦和彦(東京理科大、富士山環境研究センター)・平沢尚彦(極地研)
14:00-14:20 1.3GHz帯大気レーダーを用いたMIMOレーダーの開発
 橋口浩之・石井佑奈・西村耕司 (京大RISH)

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2024年3月25日作成/10月18日更新