Research Institute for Sustainable Humanosphere

第437回生存圏シンポジウム
イソプレノイド研究会

Date 2020(令和2)年9月25日(金)
Place 京都大学生存圏研究所木質ホールおよびオンライン
Host 京都大学生存圏研究所
Research Leader 矢崎一史 (京都大学生存圏研究所森林圏遺伝子統御分野)
Post 2020-09-09 09:50:50

概要

イソプレノイドには60,000種にもおよぶ化合物が含まれ、例として人間生活に欠かすことのできない天然ゴム、香料として活用されるテルペン類など、産業上有用な化合物のほか、コレステロールやホルモン類、ビタミン類など生命維持に必須な化合物が挙げられる。本研究会は、微生物から動植物に至るあらゆる生命体に存在するイソプレノイドに関する生物学・化学研究の進捗を議論する。

目的と具体的な内容

イソプレノイドは、微生物から動植物に至るすべての生物が保有し、自らの体で生合成し、多様な生命活動に利用している。本研究会では年に1回の例会を開催し、会員相互の交流および国際的な学術交流の場を提供することで、イソプレノイド化合物の合成経路や生理的役割の解明、ならびに未知のイソプレノイド化合物の同定を推進し、イソプレノイド関連領域における学術的進捗を図ることを目的とした。

今回は京都での開催となったが、新型コロナ禍に対する対応として、ハイブリッド型の開催とした。参加者は全国の大学を中心に合計56名であったが、多くがオンラインでの参加となり、実会場での参加者は10名であった。Nature Communに掲載の研究成果など高度な内容の講演も多く、活発な議論を行うことができた。会自体は研究所の支援も得て大きなトラブルもなく、終えることができた。会の終わりには総会も開催した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏科学とのかかわりにおいては、本研究会で中心的に扱われるイソプレノイド化合物として、コエンザイムQ、アンブレインなど生理活性物質に加え、世界中でタイヤ原料とされる天然ゴムも、パラゴムノキがもつポリイソプレノイド高生産能を活用して生産されるものであり、石油資源によらないゴム原料として世界的に活用される。本専門領域の研究推進は、生存圏科学が目指す脱化石資源社会の構築および人の健康・環境調和に資するものであり、ミッション1、ミッション5-1、さらにミッション5-2と深い関連がある。

プログラム

12:30 受付
13:00–13:05 開会の辞 藤崎真吾
13:05–14:17 一般公演・前半 各12分(討論を含む)
座長:葛山智久

  1. 未培養真正細菌に存在する古細菌型メバロン酸経路
    ○邊見久,Riko KURIKI,吉田稜(名大院・生命農)
  2. 抗酸菌由来E型イソプレニル二リン酸合成酵素の機能解析によるイソプレノイド生合成の洞察
    ○阿部透,上田大次郎,佐藤努(新潟大院・自然)
  3. 黄色ブドウ球菌mprF産物のウンデカプレニルリン酸輸送および分解への関与
    永嶋遥花1,○實川智貴1,川上直輝1,金坂伊須萌2,小林寅喆2,藤崎真吾11東邦大・理,2東邦大・看護)
  4. メナキノン新規生合成経路の最終段階の解明
    ○青木風花1,清水庸平1,小笠原泰志2,大利徹21北大・院総化,2北大・院工)
  5. ロドキノンを介する嫌気的呼吸鎖と共役した長鎖脂肪酸合成系の解明
    ○中澤昌美1,髙橋夢月1,乾博2,坂元君年3,上田光宏1,阪本龍司11阪府大・生命,2阪府大・栄養,3弘前大・農学生命)
  6. 人工龍涎香合成系の構築とアンブレインの新規生物活性の解析
    山辺陽太1,川越幸奈1,上田大次郎1,柿原嘉人2,原崇1,○佐藤努11新潟大院・自然,2新潟大・歯)
14:17–14:27 休憩10分
14:27–15:39 座長:村中俊哉

  1. リンゴ小球形潜在ウイルス(ALSV)を利用した薬用植物ムラサキのウイルス誘導性ジーンサイレンシング
    〇草野博彰1,出石佑樹1,井坂夏海1,李豪1,中西浩平1,影山丈士1,石川一也2,嶋田知生2,増田税3,吉川信幸4,矢崎一史11京大・生存研,2京大・院理,3北大・農,4岩大・農)
  2. クラスIB大型テルペン合成酵素の基質複合体の結晶構造解析
    ○金本壮平1,佐藤努2,品田哲朗3,三木邦夫1,深井周也1,藤橋雅宏11京大・院理,2新潟大・農,3阪市大・院理)
  3. 完全インビトロ再構成系によるパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)由来ポリイソプレン合成酵素の機能解析
    ○黒岩風1,西野輝1,廣森美樹2,山口晴彦3,宮城ゆき乃3,山下哲4,高橋征司2,戸澤譲11埼玉大・院・理工,2東北大・院・工,3住友ゴム工業(株),4金沢大・自然科学)
  4. サポジラ(Manilkara zapota)由来trans型ポリイソプレノイド生合成酵素のクローニングと機能解析
    ○三輪幸祐1,廣森美樹1,青木裕一2,和氣駿之1,小島幸治1,山下哲3,山口晴彦4,宮城ゆき乃4,戸澤譲5,中山亨1,高橋征司11東北大・院・工,2東北大・東北メディカルメガバンク,3金沢大・院・自然科学,4住友ゴム工業(株),5埼玉大・院・理工)
  5. ドリコール生合成に寄与するcis型プレニルトランスフェラーゼの活性制御機構
    ○高橋朋宏,山家史大,酒井勇貴,皆川知歩,和氣駿之,中山亨,高橋征司(東北大・院・工)
  6. 長鎖シス型プレニルトランスフェラーゼのパートナーであるNogo-B receptorファミリーのタンパク質構造について
    矢内太朗1,今泉璃城1,高畑佳佑1,山口晴彦2,宮城ゆき乃2,竹下浩平3,戸澤譲4,高橋征司5,○山下哲11金沢大・院・自然科学,2住友ゴム工業 (株),3理研RSC,4埼玉大・院・理工,5東北大・院・工)
15:39–15:49 休憩10分
15:49–16:49 一般講演・後半 各12分(討論含む)
座長:棟方涼介

  1. ミヤコグサのベツリン酸生合成を制御するbHLH型転写因子の同定
    ○鈴木隼人1,髙橋宏和2,福島エリオデット1, 3,關光1,中園幹生2,村中俊哉11阪大院・工,2名大院・農,3レヒオナル アマソニカ イキアム大学)
  2. 揮発性テルペンに曝された香り受容植物のエピジェネティクスを介した防御応答機構の解明
    ○藤本源哉1,小野里悠希1,樋上智大1,坂本卓也2,松永幸大3,関原明4,有村源一郎11東京理科大・生物工学,2東京理科大・応用生物科学,3東京大・先端生命科学,4理研CSRS)
  3. 安息香酸は分裂酵母のCoQ10生合成を顕著に阻害する
    ◯西田郁久1, 2,柳井良太1,松尾安浩1, 3,戒能智宏1, 3,川向誠1, 31島根大・生物資源,2新潟大・日本酒学セ,3島根大・学術研究院農生命)
  4. モミラクトンはROSを減少させることで分裂酵母の生育を阻害する
    ○富田啓介1,松尾安浩2,川向誠2,八代田陽子3,吉田稔3, 4,野尻秀昭1,岡田憲典11東大・生セ,2島根大・生物資源,3理研・CSRS,4東大院・農生科・応生工)
  5. ベンサミアナタバコにおけるハイゴケモミラクトン生合成経路の再構成
    Lingfeng Mao1,川出洋2,樋口俊哉3,Meihong Chen1,宮本皓司4,平田佳樹2,木村穂乃花2,宮崎翔2,照屋美優3,藤原薫3,富田啓介3,山根久和4,林謙一郎5,野尻秀昭3,Lei Jia1,Jie Qiu1,Chuyu Ye1,Michael P. Timko6,Longjiang Fan1,○岡田憲典31浙江大・作物,2農工大・農,3東大・生セ,4帝京大・理工,5岡理大・理,5Virginia大・生物)
16:49–16:59 休憩10分
16:59–18:11 座長:岡田憲典

  1. トリテルペノイドサポニン生合成におけるセルロースシンターゼライクの機能解析
    ○チョンスヨン1,關光1, 2,藤澤由紀子3,下田宜司3,平賀勧3,野村勇太1,斉藤和季2, 4,石本政男3,村中俊哉1, 21阪大院・工,2理研・CSRS,3農研機構,4千葉大院・薬)
  2. イチゴ果実におけるモノテルペン生合成機構の解明
    〇橘頼之,上岡颯人,李豪,棟方涼介,矢崎一史(京大・生存研)
  3. シコニン特化代謝のプレニル供給:GPP合成酵素(LeGPPS)とPHBゲラニル化酵素(LePGT)の分子進化
    〇李豪,草野博彰,上岡颯人,橘頼之,矢崎一史(京大・生存研)
  4. シコニンおよびアルカニン類縁体を生成するアシル基転移酵素の解析
    〇押切春佳1,渡辺文太2,山本浩文3,矢崎一史4,高梨功次郎1, 51信州大・総合医理工,2京大・化研,3東洋大・生命科学,4京大・生存研,5信州大・理)
  5. 植物フェノール類プレニル化酵素の位置特異性を担う触媒機構の解明に向けて
    ○棟方涼介1, 2,高橋宏暢3,肥塚崇男4,Alain HEHN2,矢﨑一史11京大・生存研,2仏 ロレーヌ大/INRA,3徳島文理大・薬,4山口大院・創成科学)
  6. ミントの香りの動植物における生理機能
    ○有村源一郎(東京理科大・生物工学)
18:11–18:16 閉会の辞 川向誠
18:16 総会

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2020年9月9日作成,2020年9月30日更新

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