京都大学バイオナノマテリアル共同研究拠点

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概要

概要

 温室効果ガス2050ゼロエミッションの達成に向けて、カーボンニュートラルな植物資源のマテリアル利用に関心が集まっています。セルロースナノファイバー(CNF)は植物繊維を解繊して得られる軽量/高強度のナノ繊維です。CNFで補強した樹脂材料は剛性、強度が上がるだけでなく、マテリアルリサイクルも出来ます。
 本共同研究拠点は、豊富な関連装置・設備を活用してCNFおよびCNF材料の製造と提供、分析を行っています。並行して、コンサルティングやセミナー・シンポジウムを通じて、オープンイノベーションのスタイルでのバリューチェーンの構築に向けた企業マッチングを支援しています。今後は国際的競争力を強化し、バイオエコノミー、サーキュラーエコノミーの根幹を担う21世紀型の大型産業素材として、自国バイオマス資源を活用した新事業の創出とCO2削減に貢献します。

 

あいさつ

 

 

 

 

 京都大学生存圏研究所では、木材を始めとするバイオマス資源利用に関する専門性を背景に、2001年から様々な分野の研究者と共同でセルロースナノファイバー材料の研究開発を進めて来ました。この間、経済産業省、環境省などの複数の大型プロジェクトを通じてCNFの製造、機能化、構造化に関する装置、設備を多数導入し、原料木材から始まるCNF強化樹脂材料の一貫製造プロセスに基づくテストプラントを建設するなど、CNF材料開発のワンストップとして活動してきました。
 この度、その実績を活かし低炭素・高機能バイオナノマテリアル関連コミュニティの共同研究の場として、製紙産業から自動車産業までが関わる“J-HUBバイオナノマテリアル共同研究拠点”を立ち上げました。皆様にはぜひオープンイノベーションの場として本拠点をご活用いただき、温室効果ガスゼロエミッションに向けたCNF材料の開発、社会実装に繋げていただければ幸いです。

バイオナノマテリアル共同研究拠点・代表
矢野 浩之

シニアアドバイザー

 臼杵有光 USUKI Arimitsu
 京都大学生存圏研究所特任教授、
 環境省ナノセルロースプロモーションプロジェクトリーダー、名大博士(工学)

 担当分野:高分子複合、自動車部材

 主な経歴:株式会社豊田中央研究所有機材料研究室室長、環境材料研究部部長、
      取締役、シニアフェロー、リサーチ・アドバイザーを経て2016年から
      現職
      高分子学会副会長、東海化学工業会会長、環境省ナノセルロースヴィ
      ークルプロジェクトリーダーなどを歴任

 川井秀一 KAWAI Shuichi
 京都大学生存圏研究所特任教授、京都大学名誉教授、京大農博

 担当分野:木質材料および木質バイオマス

 主な経歴:京都大学教授、京都大学生存圏研究所長、京都大学副理事、京都大学
      大学院総合生存学館長を経て2018年から現職
      日本木材学会会長、日本材料学会副会長などを歴任

 久保木隆司 KUBOKI Takashi 
 京都大学生存圏研究所 特任准教授、九大博士(工学)

 担当分野:樹脂複合と加工

 主な経歴:ウェスタンオンタリオ大学アシスタントプロフェッサーを経て2019年
      から現職 

 中坪文明 NAKATSUBO Fumiaki
 京都大学生存圏研究所 特任教授、京都大学名誉教授、京大農博

 担当分野:CNF機能化・バイオマスの化学変性

 主な経歴:京都大学教授を経て2009年から現職
      セルロース学会会長、国際木材科学アカデミー理事などを歴任 

 松村康生 MATSUMURA Yasuki
 京都大学生存圏研究所 特任教授、京都大学名誉教授、京大農博

 担当分野:食品用機能材料、食感改変、腸内環境改善

 主な経歴:京都大学農学部教授を経て2021年から現職
      日本食品科学工学会理事、日本レオロジー学会・分散系および界面物
      性研究会主査、日本油化学会・食品油脂機能構造部会代表などを歴任 

 渡邉政嘉 WATANABE Masayoshi
 京都大学生存圏研究所 学外連携フェロー(特任教授)、東北大博士(工学) 
 内閣官房まち・ひと・しごと 創生本部次長・内閣審議官 

 担当分野:オープンイノベーション、研究開発マネージメント、産学官連携

 主な経歴:経済産業省産業技術総合研究所室長,紙業服飾品課長,産業技術政策
      課長,NEDO 理事,中小企業庁経営支援部長,経済産業省東北経済産
      業局長を経て2021年から現職