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第140回定例オープンセミナー資料2011年11月2日題目
安定炭素同位体と近赤外レーザー分光法を用いた樹木のCO2固定量の追跡 発表者檀浦正子 (京都大学大学院農学研究科・助教) 共同研究者
関連ミッション
要旨陸上生態系の中で、森林は主たる二酸化炭素の吸収源である。しかし森林を構成している樹木は、一方的に炭素を吸収し続けるわけではなく、光合成と同時に呼吸も行うため、その差し引き分が炭素として樹体に数十年にわたって蓄積されることになる。 そこで、樹木内にいつどれだけ炭素が吸収され、放出され、その結果どこにどれだけ炭素が蓄積されるか、またそれは環境要因によりどの程度変化するか、より詳細に調査することが必要であるが、二酸化炭素は透明であるため、観測は容易ではない。 本研究では、炭素安定同位体ラベリング手法を森林樹木に適用し、最新のレーザー同位体分光装置を用いて測定することによって、樹体に取り込まれた炭素が森林生態系をどのように滞留・循環し、放出されていくのかを精密に定量化することを目指している。 今回の発表ではラベリング手法の紹介および、申請者が行ってきた実験結果と日本での適用例を紹介する。
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