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第125回定例オープンセミナー資料

2010年10月27日

題目

バイオマス・物質変換のためのマイクロ波高度利用共同研究
Collaborative Research of Advanced Microwave Processing for Biomass Refinery and Creation of New Materials

発表者

篠原真毅 (京都大学生存圏研究所・教授)

関連ミッション

  • ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)

要旨

生存圏研究所では研究所に特徴的なプロジェクト型共同研究を支援するため、フラッグシップ共同研究を立ち上げ、公募により 3 件を採択した。フラッグシップ共同研究は、従来中核研究部などで個別に実施していたプロジェクト型共同研究を、可視化・研究支援することを主な目的とする。その一つが本共同研究である。本共同研究の目的はマイクロ波プロセスを応用した木質バイオマスからのバイオエタノール、バイオケミカルス生成の高効率化、及び無機系の材料創生のマイクロ波プロセスの開発である。大電力マイクロ波技術と、バイオエタノールや無機材料等の化学知識を同時に兼ね備え、両方の研究者が在籍する研究所は全世界でも生存圏研究所しかない。本フラグシップ共同研究は、生存圏研究所の特色を生かし、マイクロ波工学と化学研究者、及び物質構造解析の研究者が参加することにより、マイクロ波プロセッシング科学の発展と応用技術開発を目指す。マイクロ波プロセスを応用した木質バイオマスからのバイオエタノールは NEDO 「バイオマスエネルギー高効率転換技術開発/バイオマスエネルギー先導技術研究開発」に採択され、バイオエタノール量産化のための効率・コスト・環境影響の評価等を行い、バイオエタノールの量産に向けて研究を発展させている。これまでの研究実績が認められ、平成 21 年度には「高度マイクロ波応用システム」設備が認められた。マイクロ波アプリケータ、様々な周波数対応の大電力マイクロ波発生装置、マイクロ波測定装置、質量分析器、有機用/無機用の 2 種類の電子顕微鏡等で構成された本システムを用いた研究は生存圏研究所のフラグシップ研究としての大きな特色であり、今後の全国共同利用化への展開と共同研究の発展が期待できる。本セミナーではこの有機系のバイオエタノール・プロジェクトと無機系の酸化チタンの研究を紹介する。