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第88回定例オープンセミナー資料2008年12月17日題目
熱帯樹木のプレニル化フラボノイド分泌に関わる組織学的解析とミツバチの利用形態 発表者矢崎一史 (京都大学生存圏研究所・教授) 関連ミッション
要旨植物は、自らを取り巻く動物や昆虫の栄養となり、生活の場を提供し、また感染や温度などの生物学的、物理的なストレスから自らだけでなく多くの動物や昆虫を守っている。特に、人間と昆虫との関わりを考えたときに最も古い歴史のあるのはミツバチとの関係である。ハチの集めるプロポリスには抗菌活性、高ウイルス活性、消炎活性、抗酸化活性などが知られ、間生活の質の向上 (QOL) に取ってもメリットのあるユニークな天然資源として、最近では大きな注目を集めている。中でも沖縄産のプロポリスは国内最強の抗酸化活性を示し、その原因物質がプレニル化フラボノイドである。その起源植物となっているのが熱帯樹木のオオバギの果実表面にできる「白い粉」であることが最近報告された。 本研究では、オオバギの果実表面がどのような組織であるかを調べ、その形態とフラボノイド系成分の蓄積の特徴を明らかにすることを目的とする。また植物に付着している状態と、ミツバチが巣箱無いに塗布した状態とを化学的に比較し、ミツバチの唾液などにより植物由来成分の修飾や改変が起こっているか否かを明らかにする。研究はミッション 1 およびミッション 2 の両方を包括し、さらに生態系の理解へとカバーする領域を広げるものであると位置づけられる。
Key references
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