バイオマス形態情報分野
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研究内容 トピックス ポスドクと院生の研究テーマ 主な研究報告
放射光を使って木材のミクロな構造を調べる E
X線マイクロトモグラフィー 木材識別の新しい手法として
古典的な植物分類学では、生殖に関わる器官である花や実、さらに葉などの特徴が用いられる。近年はDNAによる分子系統が研究として盛んであるが、エコブームで人気の樹木識別の入門書などでは、すべて花、実、葉による分類に従っている。一方、木材は、樹木という生き物の形態ではなく、木材として手にすることが普通であり、木材の樹種を識別することは様々な局面で有用な情報となる。そのために、光学顕微鏡により形態的な特徴を見極めて樹種識別する手法が発達してきており、このような方法で現在属レベルでの識別が可能となっている。 木材の識別には木材の構造を樹幹の軸方向、放射方向、年輪に対して接線方向に見た3断面の観察が不可欠である。作業的としては片刃剃刀やカッターナイフで木材から薄切片を切り出し、プレパラートにして観察するという単純な作業であるが、識別に有効な断面を定めて、光学顕微鏡で透過できる丁度良い厚さで出来るだけ断面の大きな切片を得るには経験と熟練を要し、文化財の依頼鑑定品のようにサンプルが極端に小さい場合は、できないか、あるいは包埋などの特殊なサンプル調製が必要となる。  本研究は、多様なサンプルに対して、迅速にかつ正確に、また非破壊的に樹種の識別をするための新しい方法論を確立することを目的とする。また日本の誇る木造文化財樹種識別に放射光の光をあてる初めての試みである。
Fig. 1 BL20XU.ビームラインでの実験風景
Fig. 1 BL20XU.ビームラインでの実験風景
1. 木製文化財の樹種識別Identification of wooden cultural heritage, SPring8, 播磨, 課題番号 2007B15444