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第322回生存圏シンポジウム
第10回MUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウム

開催日時 2016(平成28)年9月8日(木)14:30–18:00 ~ 9日(金)10:00–15:40
開催場所 京都大学宇治キャンパス総合研究実験1号棟5階 HW525
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 橋口浩之(京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
関連分野 地球物理・気象・気候・リモートセンシング・情報通信。

Web: http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ear/sympo.html

概要

本研究集会では、MUレーダー・赤道大気レーダー共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論された。22件の発表が全て口頭発表で行われ、活発な議論が展開された。プロシーディング集を印刷・刊行し、発表内容を記録に残した。

目的と具体的な内容

MUレーダーは滋賀県甲賀市信楽町に位置する中層・超高層及び下層大気観測用VHF帯大型レーダーで、1984年の完成後すぐから全国国際共同利用に供されてきた。2003年度に「MUレーダー観測強化システム」が導入され、レーダーイメージング観測などの機能向上が図られている。MUレーダーは、アクティブ・フェーズドアレイシステムを用いた世界初の大規模大気レーダーとして、大気科学やレーダー技術の発展に貢献したことが評価され電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会であるIEEEより、IEEEマイルストーンに認定された。一方、インドネシア共和国西スマトラ州に位置する赤道大気レーダー(EAR)は、2000年度末に完成した大型大気観測用レーダーで、2005年10月からEARとその関連設備の全国国際共同利用を行っている。本研究集会では、共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論することを目的とする。

従来MUレーダーシンポジウム、赤道大気レーダーシンポジウムとして別々に研究集会を開催してきたが、両レーダーの連携した共同利用研究を一層促進するために、2012年6月に両共同利用委員会を統合したことを受けて、2012年度よりMUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウムとして開催している。本シンポジウムでは、22件の発表が全て口頭発表で行われ、1件当り20分の時間を取り、十分な議論を行うことができた。また、発表内容を記録に残すため、プロシーディング集を印刷・刊行した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本シンポジウムは、生存圏研究所が掲げる5つのミッションのうち、主としてミッション1「環境診断・循環機能制御」に、一部ミッション3「宇宙生存環境」に関連するものである。生存圏研究所では、生存圏科学の重要地域の一つとして低緯度赤道域に注目し、大気科学の分野において、長年に渡ってインドネシアとの研究協力を進め、赤道大気レーダーを設置しインドネシア航空宇宙庁(LAPAN)との協力のもとで運営している。また、信楽MU観測所では国内の大気環境計測の重要地点として、MUレーダーを中心として様々な測器の開発、観測実験が実施されている。本シンポジウムでは、MUレーダー・赤道大気レーダーを中心として中緯度・赤道熱帯域で進行中の生存圏科学に関する研究活動の活発な議論が展開された。

プログラム

9月8日

座長: 橋口浩之
14:30–14:40MUレーダー・赤道大気レーダー全国国際共同利用の現状
MUレーダー/赤道大気レーダー全国国際共同利用専門委員長 山本衛
14:40–15:00EAR・気象レーダー観測に基づいた西スマトラ山岳地域での季節内変動に伴う対流活動に関する研究
柴垣佳明(大阪電通大)・橋口浩之(京大RISH)・下舞豊志(島根大)・山中大学(JAMSTEC)
15:00–15:20スマトラ島南西沿岸域におけるPre-YMC2015海陸同時キャンペーン観測の概要
森修一・勝俣昌己・米山邦夫(JAMSTEC)・鈴木賢士(山口大)・Noer Hayati (BMKG, Indonesia)・Fadli Syamsudin (BPPT, Indonesia)
15:20–15:402015年12月にコトタバンで観測された波動にともなう水蒸気・雲変動
鈴木順子・荻野慎也・城岡竜一(JAMSTEC)・橋口浩之(京大RISH)・阿保真・柴田泰邦(首都大)
15:40–16:00海大陸西岸の「重力波族」による海陸境界層~対流圏界層結合
山中大学・荻野慎也・米山邦夫(JAMSTEC)・Bengkulu観測班(JAMSTEC・首都大・BPPT・BMKG)・みらい観測班(JAMSTEC)
座長: 大塚雄一
16:20–16:40アジア太平洋地域における電離圏全電子数勾配特性
斎藤享(電子航法研)
16:40–17:00Optical and radio observations of post-midnight irregularities at magnetically low-latitudes
Tam Dao・Yuichi Otsuka・Kazuo Shiokawa (名大ISEE)・Michi Nishioka (NICT)・Mamoru Yamamoto (京大RISH)・Mardina Abdullah (Universiti Kebangsaan Malaysia)
17:00–17:20Investigation of equinoctial asymmetry in the latitudinal variation of zonal scintillation drift
Prayitno Abadi・Yuichi Otsuka・Kazuo Shiokawa (名大ISEE)・Clara Y Yatini (LAPAN, Indonesia)
17:20–17:40高精細プラズマバブルシミュレーションと地上・衛星観測との比較
横山竜宏(NICT)
17:40–18:00新・衛星=地上ビーコン観測と赤道大気レーダーによる低緯度電離圏の時空間変動の解明
山本衛・岩田桂一(京大RISH)・松永真由美(愛媛大)・斎藤昭則(京大理)・斎藤亨(電子航法研)・横山竜宏(NICT)・Huixin Liu(九大理)

9月9日

座長: 斎藤享
10:00–10:20GEONET GPS-TEC観測に基づく電離圏3次元トモグラフィーとその応用
山本衛・水野遼(京大RISH)・斉藤昭則(京大理)・斉藤享(電子航法研)
10:20–10:40新しい衛星ビーコン観測用ディジタル受信機の開発
岩田桂一・山本衛(京大RISH)
10:40–11:00ELF-VLF帯電磁界計測に基づいた雷放電観測による積乱雲早期検知の検討
山下幸三(サレジオ高専)・高橋幸弘(北大)・増田拓・岩男辰雄・虫明一彦(いろはプロジェクト)
11:00–11:20MUレーダー実時間アダプティブクラッター抑圧システムの開発
橋口浩之・万城孝弘・久保田匡亮・山本衛(京大RISH)・佐藤亨(京大情報)・西村耕司(NIPR)・橋本大志(京大情報)
11:20–11:40航空機トランスポンダの受信信号から得られる高頻度水平風の特性評価と活用について
吉原貴之・毛塚敦・齋藤享・古賀禎・瀬之口敦(ENRI)・古本淳一(京大RISH)
座長: 森修一
13:00–13:20Ku帯高仰角衛星回線における対流圏シンチレーションと大気乱流の関係
前川泰之・柴垣佳明(大阪電通大)
13:20–13:40小型無人航空機・MUレーダー同時観測実験
森昂志・橋口浩之(京大RISH)・Lakshmi Kantha・Dale Lawrence・Mixa Tyler (Colorado大, 米)・Hubert Luce (Toulon大, 仏)・Richard Wilson (LATMOS, 仏)・津田敏隆・矢吹正教(京大RISH)
13:40–14:00グライダーとリモートセンサーを用いた下部対流圏の微細構造の観測
藤吉康志・佐藤博紀(北大)
座長: 下舞豊志
14:20–14:40EARとMRRを用いた風とBBの関係の検討
永田哲規・下舞豊志(島根大)・橋口浩之(京大RISH)
14:40–15:00赤道大気レーダEARと人工衛星GPM/DPRから得られた降雨強度プロファイルの比較及び検討
Ou Tengfei・下舞豊志(島根大)・橋口浩之 (京大RISH)
15:00–15:20赤道ライダーとCALIOP衛星データ解析による赤道域火山起源成層圏エアロゾルの動態
阿保真・柴田泰邦・長澤親生(首都大)
15:20–15:40EAR-RASSによる赤道域の気温プロファイルの観測に関する研究
田畑啓・津田敏隆(京大RISH)

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2016年7月15日作成,2016年10月12日更新