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第291回生存圏シンポジウム
第9回MUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウム

開催日時 2015(平成27)年9月10日(木)13:30–18:00・11日(金)10:00–16:00
開催場所 京都大学生存圏研究所木質ホール3階
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 橋口浩之(京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 地球物理・気象・気候・リモートセンシング・情報通信。

https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ear/sympo.html

目的と具体的な内容

MUレーダーは滋賀県甲賀市信楽町に位置する中層・超高層及び下層大気観測用VHF帯大型レーダーで、1984(昭和59)年の完成後すぐから全国国際共同利用に供されてきた。2003(平成15)年度に「MUレーダー観測強化システム」が導入され、レーダーイメージング観測などの機能向上が図られている。MUレーダーは、アクティブ・フェーズドアレイシステムを用いた世界初の大規模大気レーダーとして、大気科学やレーダー技術の発展に貢献したことが評価され電気・電子・情報・通信分野の世界最大の学会であるIEEEより、IEEEマイルストーンに認定された。一方、インドネシア共和国西スマトラ州に位置する赤道大気レーダー(EAR)は、2000(平成12)年度末に完成した大型大気観測用レーダーで、2005(平成17)年10月からEARとその関連設備の全国国際共同利用を行っている。本研究集会では、共同利用により得られた研究成果のほか、大気レーダー・大気科学に関連する研究成果や計画について報告・議論することを目的とする。

従来MUレーダーシンポジウム、赤道大気レーダーシンポジウムとして別々に研究集会を開催してきたが、両レーダーの連携した共同利用研究を一層促進するために、2012(平成24)年6月に両共同利用委員会を統合したことを受けて、2012(平成24)年度よりMUレーダー・赤道大気レーダーシンポジウムとして開催している。本シンポジウムでは、25件の発表が全て口頭発表で行われ、1件当り20分の時間を取り、十分な議論を行うことができた。また、発表内容を記録に残すため、プロシーディング集を印刷・刊行した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本シンポジウムは、生存圏研究所が掲げる4つのミッションのうち、主としてミッション1「環境計測・地球再生」に、一部ミッション3「宇宙環境・利用」に関連するものである。生存圏研究所では、生存圏科学の重要地域の一つとして低緯度赤道域に注目し、大気科学の分野において、長年に渡ってインドネシアとの研究協力を進め、赤道大気レーダーを設置しインドネシア航空宇宙庁(LAPAN)との協力のもとで運営している。また、信楽MU観測所では国内の大気環境計測の重要地点として、MUレーダーを中心として様々な測器の開発、観測実験が実施されている。本シンポジウムでは、MUレーダー・赤道大気レーダーを中心として中緯度・赤道熱帯域で進行中の生存圏科学に関する研究活動の活発な議論が展開された。今回は初めてURSI(国際電波科学連合)分科会 電離圏電波伝搬(G)小委員会による共催を得て開催され、電離圏研究の成果発表も多数行われた。

プログラム

9月10日

  (座長: 橋口浩之)
13:30–13:40 MUレーダー・赤道大気レーダー全国国際共同利用の現状
MUレーダー/赤道大気レーダー全国国際共同利用専門委員長 山本衛
13:40–14:00 ウィンドプロファイラと気象レーダーの比較に基づく福井平野における地形性降雨の統計解析
中城智之(福井工大)・山本真之(NICT)・橋口浩之(京大RISH)
14:00–14:20 Shigaraki UAV-Radar Experiment (ShUREX 2015)
橋口浩之(京大RISH)・Lakshmi Kantha・Dale Lawrence・Mixa Tyler (Colorado大, 米)・Hubert Luce (Toulon大, 仏)・Richard Wilson (LATMOS, 仏)・津田敏隆・矢吹正教・森昂志(京大RISH)
14:20–14:40 MRR観測から得られたBBパラメータの特徴について
永田哲規・下舞豊志(島根大)・橋口浩之(京大RISH)
14:40–15:00 2012年12月のコールドサージに伴うフィリピン海での大気海洋相互作用
荻野慎也(JAMSTEC・神大)・伍培明・服部美紀・遠藤伸彦・久保田尚之・井上知栄(JAMSTEC)・松本淳(JAMSTEC・首都大)
  (座長: 荻野慎也)
15:20–15:40 熱帯対流圏界面領域にみられる赤道ケルビン波の経年変動
鈴木順子(JAMSTEC)・藤原正智(北大)・西憲敬(福岡大)・米山邦夫(JAMSTEC)
15:40–16:00 スマトラ島Pre-YMC2015集中観測計画について
森修一・勝俣昌己・米山邦夫(JAMSTEC)・Fadli Syamsudin(BPPT, インドネシア)
16:00–16:20 EARおよびBLR観測から推定した雨滴粒径分布と降雨減衰係数の変動
Ou Tengfei・下舞豊志(島根大)・橋口浩之(京大RISH)
16:20–16:40 赤道域におけるKu帯衛星回線の降雨減衰継続時間と上空の風速および降水量との関係について
前川泰之・竹本圭吾・田間章宏・柴垣佳明(大阪電通大)
(座長: 下舞豊志)
17:00–17:20 Spectral parameters estimation in precipitation for 50 MHz band atmospheric radars
Tong Gan (京大RISH)・M.K. Yamamoto (NICT)・H. Okamoto (九大応力研)・H. Hashiguchi・M. Yamamoto (京大RISH)
17:20–17:40 MUレーダー実時間アダプティブクラッター抑圧システムの開発
万城孝弘・橋口浩之・山本衛(京大RISH)
17:40–18:00 関東落雷観測網の構築と今後の課題
山下幸三(サレジオ高専)・高橋幸弘(北大)・濱田純一・松本淳(首都大)

9月11日

  (座長: 山本衛)
10:00–10:20 インドネシアにおける電離圏擾乱のGPS観測
大塚雄一・Prayitno Abadi・塩川和夫(名大STE)・小川忠彦(NICT)・Effendy (LAPAN, インドネシア)
10:20–10:40 Altitude development of F-region field-aligned irregularities at post-midnight in comparison with post-sunset time based on equatorial atmosphere radar observations in Indonesia
Tam Dao・Yuichi Otsuka・Kazuo Shiokawa (名大STE)・S. Tulasi Ram (IIG, インド)・Mamoru Yamamoto (京大RISH)
10:40–11:00 Effect of Geomagnetic Storm on Postmidnight Equatorial Plasma Bubbles
Dyah Martiningrum・M. Yamamoto (京大RISH)・Asnawi・Sri Ekawati (LAPAN, インドネシア)
11:00–11:20 プラズマバブルの数値シミュレーションと近年のEAR電離圏観測成果
横山竜宏・陣英克・品川裕之(NICT)・山本衛(京大RISH)・大塚雄一(名大STE)・S. Tulasi Ram・K. K. Ajith (IIG, インド)
11:20–11:40 プラズマバブルに伴う極めて大きな電離圏TEC勾配とその衛星航法に対する影響
斎藤享(電子航法研)
  (座長: 斎藤享)
13:00–13:20 East-west asymmetric of scintillation occurrence in Indonesia using GPS and GLONASS observations
Prayitno Abadi・Yuichi Otsuka (名大STE)・Susumu Saito (電子航法研)・Kazuo Shiokawa (名大STE)
13:20–13:40 Different characteristics of EIA in equinox and solstice obtained from Southeast Asia
Kornyanat Watthanasangmechai・M. Yamamoto (京大RISH)・A. Saito (京大理)
13:40–14:00 Observations of signal scintillation from LITN and GPS at Taiwan
T. Y. Hsiao (Hsing Wu University, 台湾)・L.-C. Tsai・C. H. Liu (National Central University, 台湾)
14:00–14:20 新・衛星=地上ビーコン観測と赤道大気レーダーによる低緯度電離圏の時空間変動の解明 —新しい研究プロジェクト紹介—
山本衛・橋口浩之(京大RISH)・斎藤昭則(京大理)・松永真由美(愛媛大)・斎藤亨(電子航法研)・Huixin Liu(九大)・横山竜宏(NICT)・Roland Tsunoda (SRI International, 米)
  (座長: 大塚雄一)
14:40–15:00 稚内VHFレーダーと信楽MUレーダーで観測された夏季中間圏エコーの特性比較
小川忠彦(NICT)・大塚雄一(名大STE)・川村誠治(NICT)・鈴木秀彦(明治大)・山本衛(京大RISH)・村山泰啓(NICT)
15:00–15:20 MUレーダーを用いたスペースデブリの形状推定に関する研究
岩堀太紀・山川宏・山本衛・橋口浩之・河原淳人(京大RISH)
15:20–15:40 国際宇宙ステーションからの大気光・イオン共鳴散乱光で観測された電離圏構造
齊藤昭則・穂積裕太(京大理)・坂野井健(東北大理)・吉川一朗(東大新領域)・山崎敦(ISAS)・山本衛(京大RISH)
15:40–16:00 MUレーダー流星ヘッドエコー観測による惑星間ダストの軌道とアブレーション過程の計測
阿部新助(日大)・Johan Kero(Swedish Institute of Space Physics)・中村卓司(極地研)・藤原康則(総研大/極地研)・Daniel Kastinen (Lulea University of Technology, スウェーデン)・渡部潤一(天文台)・橋口浩之(京大RISH)

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2015年8月19日作成,2015年12月1日更新