京都大学生存圏研究所ならびに農学研究科森林科学専攻では、公開講座を開催します。本年は「感じる樹木」をメインテーマに掲げ、森や樹や木を五感で感じてもらえる身近な内容をとりあげて、中高生にもわかりやすいレベルで森林の科学を発信することをねらいとしています。多数のご参加をお待ちしています。
日時: 2017(平成29)年10月14日 (土) 10:00–15:30
会場: 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階セミナー室
所在地および地図 (http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/access/)
(JR黄檗駅より徒歩10分、京阪黄檗駅より徒歩15分)
定員: 80名 (申し込み先着順)
受講料: 2,000円、中高生無料
申し込み締切: 9月29日 (金) 10月10日 (火)
共催: 京都大学生存圏研究所、京都大学大学院農学研究科森林科学専攻
対象: どなたでも参加できます。学生の受講歓迎いたします。
氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号、一般/中高生の区別、受講希望の実習コース1–3について第3希望まで明記の上、電子メール、またはFAXにて、お申し込みください。
〒611-0011 京都府宇治市五ケ庄 京都大学生存圏研究所事務室 公開講座係
TEL: 0774-38-3601 Fax: 0774-38-3600
E-mail: shinrin-koukai+2017@rish.kyoto-u.ac.jp
講演 | ||
10:00–10:40 | 「人はなぜ、森で感動するんだろう?」 森林育成学分野 伊勢武史 | |
10:40–11:20 | 「木の音と楽器の響き」 生物機能材料分野 矢野浩之 | |
11:20–12:00 | 「溶かして知る・活かす、木の化学」 バイオマス変換分野 西村裕志 | |
12:00–13:30 | 昼食 | |
見学・実習 | ||
13:30–15:30 | コース1 「シロアリの感じる木材」 コース2 「ナノセルロースに触れよう」 コース3 「大吉山の自然と現地のものがたり」 |
人はなぜ、森で感動するんだろう?森が近くになくても、公園の樹木や、街路樹や、観葉植物にいやされるのはなぜだろう?たしかに、森や緑は生活必需品ではないが、人のこころに多くの影響を与えている。植物に対する愛着を持つのは日本人だけでなく、世界のさまざまな人々に共通している。こう考えてみると、人は森や植物に対して特別な気持ちを持っているような気がする。この研究では、その「特別な気持ち」はどのようなときに生じるのか、そもそもなぜ人間は、そんな気持ちを持って生まれたのかを考えている。
木材は、一般に軽くて良く振動するため、弦楽器などの振動板に適した材料である。その中でも、バイオリンやギターの表板、ピアノの響板には、振動吸収の少ない木材が経験的に選別されてきた。このことを踏まえ、化学処理により楽器用木材の振動吸収をさらに小さくすることで、より響くバイオリンやギターの開発が行われている。
木は自然界で少しずつ分解して「土に還る」わけですが、これは主に微生物の働きです。地球上には多様な微生物がいます。木を溶かして、分解して、食べる微生物もいます。木を構成する成分を分子という小さいサイズで注目すると、「木を溶かす」ことで新しい資源としての可能性が見えてきます。私たちの生活を豊かに彩る物質を木からつくる試みについてお話しします。
森林性昆虫であるシロアリにとって、森はどう見えているのでしょうか。昆虫の知覚に基づいて、木材をシロアリがどのように感じているのか、シロアリにとっての世界を感じてみます。本実習では、家をシロアリから守るために工夫すべき点についても学ぶことができます。
地球上で最も巨大な生物は樹木です。樹木の大きな体は鋼鉄よりも強くて細い「セルロースナノファイバー」によって支えられています。セルロースは古来より様々な形で利用されてきましたが、現在、このセルロースナノファイバーを使った材料が私たちの生活をも支えようとしています。天然のナノファイバーに触れてみませんか。
*コース1,2には材鑑調査室の見学も含まれます。担当:田鶴寿弥子、反町始
源氏物語に登場する歴史薫る木々や世界遺産に登録された歴史的建造物などをながめながら散策しませんか。コース前半は「あじろぎの道」から「塔の島」をへて「興聖寺」に向かいます。後半は、常緑樹の林を抜けて大吉山の展望台へ、一休みの後は「さわらびの道」へとつづきます。集合は京阪宇治駅に午後1時半で約2時間半の散策コースを予定しています。
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ポスター PDF ファイル (433 811 バイト) ポスター制作: 田鶴寿弥子 (京都大学生存圏研究所) |