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研究・メンバー
Research & Members

研究・メンバーResearch & Members

名前:中坪文明 (なかつぼ ふみあき)

役職:特任教授

学歴

昭和46年3月 名古屋大学大学院農芸化学専攻修士課程 修了

職歴

昭和46年4月 京都大学 木材研究所 助手
昭和55年-57年 米国Harvard大学化学科研究員
昭和55年 米国Mdison林産物研究所 研究員 

 

 

 

京都大学農学部助教授

平成  7年 京都大学大学院農学研究科 教授
平成20年 京都大学大学院農学研究科 退職 

 

 

 

京都大学生存圏研究所特任教授

現在に至る

研究内容

次世代木材成分利用のための基礎研究

1.ナノセルロースの研究

セルロースは地球上最も豊富にそして身近に在る天然多糖資源であり、微生物および動物の例もあるが、主として植物細胞壁の主要成分である。人類はこの資源を住宅部材、家具等の木材製品、衣料、紙などとして利用してきた。セルロースはグルコースが特定の位置でしかも単一の結合様式で連結した高分子であるので、高度に自己組織化した結晶性高分子集合体として存在する。最近では、その結晶性に起因する特性に着目したナノオーダ(ナノセルロース)の基礎と応用研究が活発になされており、“次世代セルロース産業の創製はナノセルロースから”と期待されている。ナノセルロースは、キチン、澱粉のような、その他の天然多糖と異なり、それ自身特異的な機能、活性を示さないが、その表面に在る水酸基を利用し機能性官能基を導入すれば、高機能性材料への変換が自由自在に可能となる。

 

1.1 セルロース系バルクへテロ接合太陽電池の開発

この研究では、ナノセルロースにp-型版導体(ポルフィリン、フタロシアニン、ポリチオフェン、など)を結合させ、n-型半導体(フラーレン誘導体)との複合化による理想的pin接合の構築を目指している。安価、軽量、フレキシブル、ウエアラブル、ユビキタス有機薄膜(セルロース系バルクへテロ接合)太陽電池の開発に向けての基礎研究である。

 

1-2 合成高分子との複合化によるnanocellulose-reinforced plastic (NCRP)の開発

新規材料開発の方向は、1)材料の属性を高める、2)矛盾すると考えられる二つの属性をそなえた材料、3)選択的な特性を持つ材料、と記されている(向坊 隆、1968)。本研究は、従来の合成高分子とナノセルロースファイバーを複合化することにより繊維特性プラスチックを創製する、いうならば1)の属性を広めまた高める研究である。その複合化の際、ナノファイバーの化学修飾は界面性を制御するためにも極めて重要である。具体的には、特定の合成高分子との複合化の際、最適のナノセルロースの表面化学修飾とは如何なるものか、を研究している。

 

2.  リグニンの研究

リグニンはセルロースとは異なり、立体規則性を持たないランダム重合によって植物が合成した天然芳香族高分子であり、よって、非結晶無定形高分子である。このようにセルロースとは全く異なる高分子が共存する木材中のリグニンの意義とは何なのか。そして、そこからリグニン特有の利用が見いだせないか、を研究している。すなわち、そこに物があるのはわかるが、一体何の目的で存在するのであろうか。そして、それから何か新知見が得られないか、を考えている。同じ芳香族高分子である果実および樹皮成分の、タンニンも同様であり、興味深い研究対象である。

 

その他

京都大学宇治地区研究所はのどかな宇治川と、宇治十帖、宇治川の戦いなど歴史的名所も多く、また、無農薬野菜の栽培など、研究を推進するための、癒しの時間が十分に持てる素晴らしい研究環境にあり、世界に通ずる道として、全国の若者諸君、是非に来て経験されたら良いと思う。

 

趣味

野菜栽培:キウリ、ナス、ズッキーニ、万願寺唐辛子は毎日収穫。トマト(桃太郎大粒)ようやく色付きかける。自作のジャガイモ、キウリ、赤タマネギのポテトサラダは最高。

バドミントン:先日出張先Montrealのホテルのbathtubでこけて右肋骨2本を骨折、現在プレーはしていない。体重増加気味、懸念事項。

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