概要
京都大学生存圏研究所のもつ全国共同利用設備の一つである「先進素材開発解析システム(ADAM)」は、マイクロ波の加熱および分析装置、有機および無機電子顕微鏡、超高分解能質量分析装置などからなる分析装置群であり、申請ベースで国内の研究者に広くお使いいただいている。これらを使い遂行された研究課題の成果発表として、シンポジウムを行った。
目的と具体的な内容
本シンポジウムは、先進素材開発解析システム(ADAM)の運用開始以来、毎年継続して行っているシンポジウムである。従来は「持続的生存圏創成のためのエネルギー循環シンポジウム」として、ミッション2の「太陽エネルギー高度変換・利用」と生存圏フラッグシップ共同研究「バイオマス・物質変換のためのマイクロ波高度利用共同研究」の成果発表会との併催形式で行ってきたが、COVID-19 流行の状況を鑑み、今回はADAM共同利用の成果発表のみに絞ってシンポジウムを開催した。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
先述の通り、ADAM 共同利用では非常に幅広い用途の分析装置を有しており、国内の研究者に広くお使いいただいている。さらにミッション2の「太陽エネルギー高度変換・利用」に関する研究や、マイクロ波プロセッシングによる新材料創生研究にも貢献している。生存研の内外からの多分野の研究者がその成果を公表する場を設けることで情報交換を進め、ミッション活動やフラッグシップ共同研究に関連する様々な分野の研究者との連携促進と、生存圏科学のコミュニティー拡大に貢献する。
プログラム
14:00-14:05 | 開会の辞 渡辺隆司(京都大学生存圏研究所) |
14:05-14:45 | カーボンのナノ構造を活かしたエネルギー・環境材料の開発 吉澤徳子(産業技術総合研究所ゼロエミッション国際共同研究センター) |
14:45-15:25 | Li塩水溶液を用いて調製したセルロースヒドロゲル 和田昌久(京都大学大学院農学研究科) |
15:25-15:40 | 休憩 |
15:40-16:20 | FT-ICR MSを用いた南極湖沼における溶存有機物の分子組成と多様性の解析 木田森丸(神戸大学大学院農学研究科) |
16:20-17:00 | 溶媒の誘電率測定とマイクロ波アプリケータ開発 岸原充佳(岡山県立大学情報工学部) |
17:00-17:05 | 閉会の辞 三谷友彦(京都大学生存圏研究所) |