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第480回生存圏シンポジウム
中間圏・熱圏・電離圏研究会

開催日時 2022(令和4)年9月27日(火)~30日(金)
開催場所 ハイブリット開催(現地会場:名古屋大学、Zoomオンライン)
主催者 京都大学生存圏研究所/名古屋大学宇宙地球環境研究所/国立極地研究所
申請代表者 藤本晶子 (九州工業大学情報工学研究院)
所内担当者 横山竜宏 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 太陽地球系物理学、超高層大気物理学。

概要

2022(令和4)年9月27日から30日にかけてMTI分野と密接な関わりを持つ「STE(太陽地球環境)現象報告会」「宇宙空間からの地球超高層大気観測に関する研究会」「太陽地球系物理学分野のデータ解析手法、ツールの理解と応用」との合同で開催した。本研究集会「中間圏・熱圏・電離圏(MTI)研究集会」では,若手や学生を中心とした招待講演によって構成した口頭発表セッションならびにポスター発表セッションを開催した。特に、他惑星に関連したMTI分野における最新の研究成果、衛星観測の将来計画、新たな研究プロジェクトの立案など、研究集会全体を通じて活発な議論が行われ、今後の発展につながる研究集会となった。

目的と具体的な内容

中間圏・熱圏・電離圏(Mesosphere, Thermosphere and Ionosphere; MTI)領域は、太陽や宇宙からの粒子及び電磁エネルギーの流入による影響に加え、下層大気から伝搬する大気波動などによって激しく変動する領域である。また同領域は、衛星測位に対する誤差要因など現代の社会基盤維持といった応用的な観点からも注目が高まっている。本研究集会は、上記のような MTI 領域の特徴を意識し、この領域で生じている物理・化学過程の理解を深めること、および他の研究領域や社会への応用を俯瞰的に捉えることを目的とする。口頭発表(10件、うち6件招待講演)では、若手、学生を中心にMTI周辺分野の招待講演を中心とし、最先端な研究成果ならびに新たな研究プロジェクトの立案や遂行中の新規観測計画に関する発表、比較惑星学的見地に基づく広い意味でのMTI結合過程の理解を深められるようなプログラム構成にした。加えて、国内のMTI分野では地上観測を得意とする研究者が多いことから、衛星観測の将来計画に関する議論に加わることで、より幅広い視点から現在のプロジェクトの遂行、新たな研究プロジェクトの立案にむけた議論が行われた。また、MTI分野の学生・若手研究者の育成の観点から、ポスターセッション(ポスター9件)を中心に彼ら自身による研究発表と質疑応答の場を提供し、最新の研究成果を日本語で正確に発表するとともにその内容についての質疑応答時間を多くとるプログラム構成にした。参加者から多くの質問や議論が活発に行われ、各発表者が今後、研究を進めていく上での方針や新たな研究テーマを設定していくための重要な助言等を得ることができた。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本研究集会は、生存圏研究所が掲げる5つのミッションのうち、主として「環境診断・循環機能制御」(ミッション1)、「宇宙生存環境」(ミッション3)、「高品位生存圏:日常生活における宇宙・大気・地上間の連関性」(ミッション5-3)に深く関連する。本研究集会が対象としているMTI領域は、太陽放射と太陽風のエネルギー流入による宇宙空間からの影響に加え、下層大気から伝搬する大気波動などによって激しく変動する宇宙圏と地球大気圏をつなぐ領域である。この領域で発生する諸現象の解明には、MTI分野と太陽から気象分野で活躍する研究者が連携した学際的な共同研究が不可欠である。このような背景から、本研究集会によって分野を横断する共同研究、研究者コミュニティの形成への貢献ができたと考える。一方で、MTI領域で発生する擾乱現象は衛星測位に対する誤差要因になり、現代社会における人類活動に必要なインフラに影響を及ぼすため、MTI領域の研究結果は社会応用的な側面への貢献にもつながると期待される。

プログラム

9月28日(水)@研究所共同館II 3階ホール・Zoom

【座長:西岡未知(NICT)】
10:00–10:30(招待講演)オーロラ観測のためのデジカメの校正実験と2022年度の観測計画
〇南條壮汰(電通大)、Urban Brandstrom、津田卓雄、青木猛、細川敬祐
10:30–11:00(招待講演) Study on characteristics of global ionospheric disturbances during geomagnetic storms using worldwide Global Navigation Satellite System (GNSS) observation data
〇惣宇利卓弥(名大ISEE)、大塚雄一、新堀淳樹、西岡未知、Septi Perwitasari
11:00–11:30(招待講演) 高解像度ハイトップ大気大循環モデルを用いた普遍鉛直波数スペクトルに対する重力波の寄与の研究
〇奥井晴香(東大院理)、佐藤薫、渡辺真吾
11:30–11:50極域下部熱圏における半日潮汐波太陽活動度依存性をもたらす変調源
〇小山裕貴(名大ISEE)、野澤悟徳、小川泰信、Asgeir Brekke

9月29日(木)@研究所共同館II 3階ホール・Zoom

【座長:藤本晶子(九工大)】
13:00–13:30(招待講演)EISCAT_3D計画とそのソフトウェア開発の進捗状況
〇橋本大志(NIPR)
13:30–13:50北欧で行われるGCI M/LTキャンペーンについて
〇阿部琢美(ISAS/JAXA)
13:50–14:20(招待講演)太陽放射スペクトル変動の電離圏・熱圏への影響
〇陣英克(NICT)、垰千尋、三好勉信、渡邉恭子、北島慎之典、品川裕之、藤原均
14:20–14:50休憩
【座長:津田 卓雄(電通大)】
14:50–15:10電離圏イオン速度のイオン種依存性
〇家田章正(名大ISEE)
15:10–15:30磁気中緯度域Es層の日々変動に対する電場の影響に関する数値実験
〇安藤慧 (京大理)、齊藤昭則、品川裕之
15:30–16:00(招待講演) 金星電波掩蔽観測の現在とこれから
〇安藤紘基(京産大・理)

9月30日(金) 09:00–12:00@Zoom

MTI 研究集会

  1. HFドップラー観測による流星エコーの解析
    〇齋藤広樹(千葉大学融合理工学府)
  2. 極端気象現象(令和3年8月の大雨)によって発生した大気重力波の発生メカニズムの研究
    〇三宅翔太(九州大学理学部)、木暮優、Huixin Liu
  3. Na共鳴散乱ライダー観測の高度化に向けた自作データ収録システムの基礎開発
    〇渡部蓮(電通大)、津田卓雄、青木猛 、野澤悟徳、川端哲也、斎藤徳人、川原琢也
  4. 南極観測船「しらせ」搭載イメージャーによる大気光・オーロラ観測
    〇山科佐紀(京大理)、斎藤昭則、坂野井健、津田卓雄、青木猛、江尻省、西山尚典、穂積裕太、直井隆浩、永原政人
  5. HF-STARTプロジェクトにおけるHF帯電波伝搬の際の減衰の評価
    〇佐藤駿(千葉大学大学院融合理工学府)、中田裕之、穂積 Kornyanat、斎藤享、大矢浩代
  6. HFドップラー観測とGPS-TECによるMSTIDの伝搬特性
    〇西山祐樹(千葉大)、中田裕之、大矢浩代、細川敬祐、西岡未知、Septi Perwitasari
  7. トンガ火山噴火に伴う電離圏変動の数値シミュレーション
    〇品川裕之(NICT)、三好勉信
  8. HFドップラ観測の高精度化と距離情報取得による観測拡大の可能性
    〇野崎憲朗(電通大)、並木紀子、細川敬祐、坂井純、冨澤一郎、有澤豊志
  9. イオノゾンデの高度に関する検証
    〇西岡未知(NICT)
  10. 極冠域における1.1–1.3 µm帯OH大気光分光観測計画:分光器の性能検証・試験観測・感度較正実験
    〇古舘千力(電通大)、津田卓雄、西山尚典

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2022年9月14日作成,2022年11月2日更新