第472回生存圏シンポジウム
熱帯バイオマスの持続的生産利用 —熱帯荒廃草原におけるバイオマスエネルギー生産と環境回復—
(生存圏フラッグシップシンポジウム)
(第6回熱帯荒廃草原の植生回復利用SATREPS研究集会)
開催日時 | 2022(令和4)年3月25日(金)8:00–11:30 |
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開催場所 | オンライン(Zoom) |
主催者 | 京都大学生存圏研究所(JICA/JST SATREPSプロジェクト「熱帯荒廃高原の植生回復を通じたバイオマスエネルギーとマテリアル生産」) インドネシア研究開発庁 |
申請代表者 | 梅澤俊明 (京都大学生存圏研究所森林代謝機能化学分野) |
関連ミッション |
ミッション1 環境診断・循環機能制御 ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用 ミッション4 循環材料・環境共生システム ミッション5 高品位生存圏 |
関連分野 | 土壌肥料学、土壌微生物学、分子育種学、代謝工学、木質化学、材料科学、リグニン化学。 |
概要
当研究所では、熱帯バイオマスフラッグシッププロジェクトの一環として、JST-JICA SATREPSプロジェクトをインドネシア研究開発庁(BRIN)と共同で進めている。本シンポジウムでは、同プロジェクトの成果報告会を兼ね、貧栄養な荒廃草原への効率的な施肥法確立、農地転用による生物多様性への影響評価、バイオマス作物の育種、低環境不可型バイオマス製品の製造に向けた研究報告を行うとともに、プロジェクトのとりまとめに関する討議を行った。
目的と具体的な内容
東南アジアの森林伐採跡地では、アランアラン(Imperata cylindrica)などを優占種とする貧栄養の草原が広く分布しており、それらは林地・農地としての利用が困難とされている。インドネシア研究開発庁(BRIN)[旧インドネシア科学院(LIPI)]と京都大学の共同で取り組んできたJST-JICA SATREPSプロジェクトでは、貧栄養な荒廃草原をバイオマス生産圃場として利用することを目的とし、効率的な施肥法確立、農地転用による生物多様性への影響評価、バイオマス作物の育種、低環境不可型バイオマス製品の製造に向けた研究を行ってきた。本プロジェクトは令和3年度をもって終了する(JICA支援分は令和4年7月中旬まで継続)。当研究会では、SATREPSプロジェクトに取り組んでいる各研究グループの研究成果につき開始年度からの成果を取りまとめ報告した。またJST及びJICAの担当職員との意見交換を行った。具体的には、BRINバイオロジー研究所・京大農学研究科(サブプロジェクト1:効率的な施肥法確立と農地転用による生物多様性への影響評価)、BRINバイオテクノロジー研究所・京大生存圏研究所(サブプロジェクト2:バイオマス作物の育種)、BRINバイオマテリアル研究所・京大生存圏研究所(サブプロジェクト3:低環境不可型バイオマス製品の製造)の研究成果を報告し、質疑・応答を行った。なお、今回は前年度に引き続きコロナ禍に対処してZoomによる遠隔開催とした。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
生存圏研究所はイノベーションと国際化の強化を目的とした「生存圏科学の国際化とイノベーション強化」を提案しており、国際化の一環として、生存圏アジアリサーチノードを核とした生存圏科学の国際展開を計画している。また、2016年度からはJASTIP(日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点-持続可能開発研究の推進)やSATREPSプロジェクト(熱帯荒廃草原の植生回復によるバイオマスエネルギーとマテリアル生産)などにも参画している。これらは、いずれも当研究所がインドネシアを中心とした海外拠点の強化を目指した動きであって、本研究会の開催はこれらのプロモーションのために重要である。この様に、本シンポジウムは、当研究所の国際研究協力体制の維持発展に資するところが大であるとともに、地球規模課題の解決(SDGs)の進展や生存圏科学科学の推進に寄与するところが大きい。
プログラム
07.30–08:00 | Registration |
08:00–08:05 | Opening |
08:05–08:15 | Welcoming Ceremony Dr. Iman Hidayat, Chairman of Research Organisation for Life Sciences and Environment — BRIN |
08:15–08:25 | Opening Ceremony Dr. L.T. Handoko, Chairman of BRIN |
08:25–08:30 | Speech from JICA Mr. TAKATOI Shunsuke, Senior Representative of JICA Indonesia Office |
08:30–08:35 | Speech from JST Prof. TSUTSUMI Atsushi, Research Supervisor, JST/The University of Tokyo |
08:35–08:40 | Group Photo |
08:40–09:00 | Keynote Speaker I: Fertilizers in Sorghum Cultivation: Impacts on Yield and Biodiversity Assoc. Prof. KOBAYASHI Masaru, Graduate School of Agriculture, Kyoto University |
09:00–09:20 | Keynote Speaker II: The Future of Biodiversity-Based Biomass and Energy Production Prof. Dr. Endang Sukara, Member of Indonesian Academy of Sciences, Lecturer, Universitas Nasional |
09:20–09:40 | Update of the Project for Producing Biomass Energy and Material Through Revegetation of Alang-alang (Imperata cylindrica) Fields (at Japan side) Prof. Dr. UMEZAWA Toshiaki, RISH, Kyoto University. Assoc. Prof. KOBAYASHI Masaru, GSA, Kyoto University Prof. Dr. UMEMURA Kenji, RISH, Kyoto University |
09:40–10:00 | Update of the Project for Producing Biomass Energy and Material Through Revegetation of Alang-alang (Imperata cylindrica) Fields (at Indonesia side) Prof. Dr. I Made Sudiana, Research Center for Biology, BRIN |
10:00–10:30 | Discussion Dr. Safendrri Komara (Moderator) |
10:30–10:50 | Session 1: Presentation on the Project Achievements by each Output Leaders at Indonesia side The project output leaders at Indonesia side (Video Presentation) |
10:50–11:10 | Session 2: Presentation on the Project Achievements by each Output Leaders at Japan side The project output leaders at Japan side (Video Presentation) |
11:10–11:20 | Discussion Dr. Safendrri Komara (Moderator) |
11:20–11:30 | Closing Remark Ahmad Fathoni, PhD, Head of Research Center for Plant Conservation, Botanic Gardens and Forestry- BRIN, The Project director at Indonesia side |
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2022年1月24日作成,2022年4月18日更新