第470回生存圏シンポジウム
生存圏ミッションシンポジウム
開催日時 | 2022(令和4)年2月28日(月)10:00~3月1日(火)17:30 |
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開催場所 | 宇治おうばくプラザ きはだホールおよびオンライン |
主催者 | 京都大学生存圏研究所 |
申請代表者 | 篠原真毅(京都大学生存圏研究所生存圏電波応用分野) 山本衛(京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野) |
関連ミッション |
ミッション1 環境診断・循環機能制御 ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用 ミッション3 宇宙生存環境 ミッション4 循環材料・環境共生システム ミッション5 高品位生存圏 |
関連分野 | 生存圏研究所のカバーする全専門分野。 |
概要
本シンポジウムは、生存圏研究所の研究活動の総括として位置づけられている毎年年度末に開催する重要なシンポジウムであり、ハイブリッド開催を行った。今年度は研究所活動報告を行うとともに、来年度以降の研究所の重点事項である産官学連携に関する研究所取り組みの報告を行った。また、生存圏フォーラムの総会の開催及びポスターセッションも実施した。多くの活動や成果報告を交えて総合的な議論等を行い、生存圏科学の発展や関連コミュニティへの形成に貢献できた。
目的と具体的な内容
生存圏学際萌芽研究センターは、生存圏研究所の5つのミッションにかかわる萌芽・学際的な研究を発掘・推進し、中核研究部及び開放型研究推進部と密接に連携して新たな研究領域の開拓をめざしている。その一環として、今年度の生存圏研究所の活動を総括するとともに、今後の活動指針を討議する目的で本シンポジウムを所内ミッション推進委員会と共同で企画・運営した。
具体的には、開放型研究推進部が推進する「共同利用・共同研究拠点活動」、生存圏学際萌芽研究センターが支援する「共同研究(生存圏科学萌芽研究・生存圏ミッション研究)」及び「生存圏フラッグシップ共同研究」、さらに、来年度以降の研究所の重点事項である産官学連携に関する研究所取り組みの報告を行った。
なお、本シンポジウムは今年度はZoomを用いたオンラインときはだホールでのリアルのハイブリッド開催で2日間に分けて行った。2日目夕方にはZoomのブレイクアウトルームを用いてポスターセッションも行い、所内教員、ミッション専攻研究員、学内・学外研究者、さらに、生存圏科学を学ぶ学生が直接交流できる場を提供した。また、2日目に生存圏フォーラム総会もハイブリッドで開催した。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
本年度の生存圏ミッションシンポジウムの参加者は、初日Zoom 93名、現地14名、計107名、2日目Zoom 175名、現地16名、計191名であった。本シンポジウムが生存圏研究所の1年間の全活動の総括であるという認識が醸成されてきていると思われる。また、一昨年度同様、生存圏フォーラムの総会は、参加者の増加だけでなく、各研究者の議論の活性化や異分野交流に関して意義があった。全体を通して本シンポジウムは、萌芽・学際的な研究の発掘、将来的な生存圏科学の発展や関連コミュニティへの形成等に大きく貢献できたと考えられる。
プログラム
1日目:2月28日(月)
10:00–10:10 | 所長挨拶 |
10:10–10:40 | 研究ミッション 活動報告 梅澤俊明(京都大学生存圏研究所ミッション推進委員会委員長) |
10:40–11:10 | 開放型研究推進部 活動報告 山本衛(京都大学生存圏研究所開放型研究推進部部長) |
11:10–11:40 | 学際萌芽研究センター 活動報告 篠原真毅(京都大学生存圏研究所学際萌芽研究センターセンター長) |
11:40–12:10 | RISH組織再編の紹介 山本衛(京都大学生存圏研究所副所長) |
2日目:3月1日(火)
セッション① セルロースナノファイバー材料における産官学連携 —森を抜けて街に出る— | |
10:00–10:25 | セルロースナノファイバー材料の開発と産官学連携 矢野浩之 (京都大学生存圏研究所) |
10:25–10:45 | 政策とセルロースナノファイバー 渡邉政嘉 (内閣官房(京都大学生存圏研究所)) |
10:45–11:00 | セルロースナノファイバー複合材料の自動車への実装に向けて 臼杵有光 (元㈱豊田中央研究所(京都大学生存圏研究所)) |
セッション② バイオマスプロダクトツリー産学共同研究 | |
11:00–11:15 | バイオマスプロダクトツリー産学共同研究 渡辺隆司 (京都大学生存圏研究所) |
11:15–11:20 | バイオマス資源活用のためのプロセス開発の考え方 北山健司(株式会社ダイセル) |
11:20–11:45 | 里山資源のカスケード利用で循環型社会へ 黒田慶子(神戸大学大学院農学研究科) |
11:45–11:55 | 有機酸触媒を用いる「やさしい」シン・ナノセルロースの合成 中村正治(京都大学化学研究所) |
11:55–12:00 | 総合討論 |
12:00–13:00 | 休憩 |
13:00–13:30 | 生存圏フォーラム総会 総会・組織再編の紹介 |
セッション③ ワイヤレス給電の実用化に向けた産官学連携の取り組み | |
13:30–13:50 | スタートアップとしての産学連携の魅力 古川実(Space Power Technologies社CEO) |
13:50–14:10 | 規制制度的課題解決に向けた産学連携のあり方:文部科学省センターオブイノベーションの事例から 高橋恒平 (政策研究大学院大学) |
14:10–14:30 | ワイヤレス給電の実現に向けた産官学連携の取り組み 篠原真毅(京都大学生存圏研究所) |
セッション④ 木材の建築利用に関する産官学の取り組み | |
14:30–14:35 | 木材の建築利用の潮流 五十田博(京都大学生存圏研究所) |
14:35–14:50 | 木材利用の背景 脱炭素への貢献と木材の癒し 恒次祐子(東京大学大学院農学生命科学研究科) |
14:50–15:05 | 国土交通省の木材利用の取組 荒木康弘(国土交通省国土技術政策総合研究所) |
15:05–15:20 | 三菱地所グループの木造木質化事業の取組 海老澤渉(三菱地所/三菱地所設計/MEC Industry) |
15:20–15:30 | 総合討論 |
15:30–15:45 | 休憩 |
ポスターセッション | |
15:45–17:30 | 共同研究ポスター発表(Zoom)
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共同研究ポスター発表
2日目の3月1日(火)15:45–17:30 (Zoomで開催)
生存圏フラッグシップ共同研究 成果報告
- 「熱帯植物バイオマスの持続的生産利用に関する総合的共同研究」
梅澤俊明(京都大学生存圏研究所) - 「マイクロ波応用によるエネルギーの輸送・物質変換共同研究」
篠原真毅(京都大学生存圏研究所) - 「バイオナノマテリアル共同研究」
矢野浩之(京都大学生存圏研究所) - 「宇宙生存圏におけるエネルギー輸送過程に関する共同研究」
大村善治(京都大学生存圏研究所) - 「赤道ファウンテン」
山本衛(京都大学生存圏研究所)
生存圏科学萌芽研究成果報告
- 「水中プラズマ・ファインバブル複合方式による植物生長阻害物質の処理技術の開発」
高橋克幸(岩手大学理工学部) - 「イネ科バイオマスを特徴づける細胞壁ネットワーク形成機構の解明と制御」
飛松裕基(京都大学生存圏研究所)
生存圏ミッション研究成果報告
- 「Production and diffusion of methane in tree trunks: new insights into forest methane dynamics」
Daniel EPRON(京都大学農学研究科) - 「Studies on atmospheric turbulence based on radar and in-situ measurements: analyses and prospective」
Hubert Luce(京都大学生存圏研究所) - 「長期太陽黒点観測スケッチのデジタル画像データベースの構築」
浅井歩(京都大学理学研究科) - 「GNSS全電子数絶対値の高精度推定」
大塚雄一(名古屋大学宇宙地球環境研究所) - 「合理的代謝フロースイッチングによる芳香族生理活性物質の生産」
肥塚崇男(山口大学創成科学研究科) - 「ウキクサ細胞壁多糖を利用したホウ素排水処理技術の開発」
小林優(京都大学農学研究科) - 「ドローン搭載型小型分光放射計開発および汽水域の分光放射観測」
下舞豊志(島根大学学術研究院) - 「ムラサキ科植物が生産するシコニン類縁体多様性創出機構」
髙梨功次郎(信州大学理学部) - 「スギ林・ヒノキ林の土壌がもつカルシウム貯蔵効率」
谷川東子(名古屋大学生命農学研究科) - 「紫外線計測データと母体内でのビタミンD生成量の相関に基づく最適な日光浴時間の指標導出に関する研究」
中島英彰(国立環境研究所) - 「ダイズ体内のセシウム挙動に関する候補遺伝子の探索」
二瓶直登(福島大学食農学類) - 「飛翔体に搭載した磁気インピーダンスセンサーによる地磁気観測実験」
能勢正仁(名古屋大学宇宙地球環境研究所) - 「不飽和土壌中のコロイド粒子挙動に関する研究」
濱本昌一郎(東京大学農学生命科学研究科 - 「宇宙地球結合系における宇宙空間・地球超高層大気プラズマ粒子の革新的計測技術の基盤開拓」
平原聖文(名古屋大学宇宙地球環境研究所) - 「アジア圏界面エアロゾル層(ATAL)の影響研究:2003~2021年夏季の日本でのライダー連続観測に基づいて」
藤原正智(北海道大学地球環境科学研究院) - 「国内産カラスビシャク系統から調製した生薬半夏と中国産市販半夏中の低分子えぐみ成分の比較解析」
松岡健(九州大学農学研究院) - 「ゼロ・エミッションを目指した昆虫および植物性食資源由来の未利用バイオマスの高機能化」
松宮健太郎(京都大学農学研究科)
生存圏学際萌芽研究センターミッション専攻研究員成果報告
- 「Introduction of new lignin, flavonoid and stilbenoid features into grass biomass towards sustainable production of bioenergy and phytochemicals」
Pui Ying LAM - 「酵母を用いた植物由来抗がん薬パクリタキセル生合成のカスタムデザイン」
草野博彰 - 「宇宙太陽光発電所の応用に向け新型真空管の開発」
楊波 - 「Evolution and possible interactions of the electron zebra stripes in the Earth’s inner magnetosphere」
(地球内部磁気圏における電子ゼブラ構造の発達と相互作用に関する研究)
Megha Mahendra Pandya - 「万能アンテナ」の開発
氏原秀樹
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2021年12月10日作成,2022年3月25日更新