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第460回生存圏シンポジウム
「第11回東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」
(第9回原発事故被災地域における放射線量マッピングシステムの技術開発・運用とデータ解析に関する研究会との共同開催)
統一名称 “福島県への支援取り組み及び放射線マッピング研究会”

開催日時 2021(令和3)年12月21日(火)~22日(水)
開催場所 京都リサーチパーク(1号館G会議室)およびオンライン(Zoom)
主催者 上田義勝、杉山暁史(生存圏研究所)、谷垣実(複合原子力科学研究所)
申請代表者 上田義勝 (京都大学生存圏研究所宇宙圏電磁環境探査分野)
所内担当者 上田義勝 (京都大学生存圏研究所宇宙圏電磁環境探査分野)
杉山暁史 (京都大学生存圏研究所森林圏遺伝子統御分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
関連分野 生存圏科学、放射線工学、情報学、工学、植物科学、放射線計測学、社会学、土壌学。

概要

生存圏研究所においては震災関連の研究報告を、生存圏シンポジウム「東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」として毎年開催している。今回も複合原子力科学研究所との共同で開催した。

目的と具体的な内容

2011年3月の東日本大震災に関するシンポジウムとして、これまで合計10回の生存圏シンポジウム「東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」を毎年開催し、総計約640名の参加者があった。今年度は京都での現地開催・オンライン併催として開催した。現地会場はコロナ感染対策を行いつつ、限定30名までの参加としたが、2日間ともに26名、27名の参加があり、ほぼ満席での開催となった。これまでと同様に、複合原子力科学研究所において開催している第9回「原発事故被災地域における放射線量マッピングシステムの技術開発・運用とデータ解析に関する研究会」との共同開催を行った。

2021(令和3)年度は、継続研究としての成果を新潟大学、高知工科大学、福島大学、北海道大学から発表があった。学生参加も10名あり、学生発表もあった事もあり、若い世代からの質問も多く、新しい視点からの議論も数多く行われた。また、企業からの講演や参加も多く、分野としても農学・工学・情報学・経済学的観点からの講演や議論が幅広く行われ、分野融合型のシンポジウムとして特色ある開催を2日間に渡り開催する事が出来た。

参加者としては関連大学からの参加の他、企業からの参加、研究機関、都道府県自治体などからの参加もあり、オンライン参加も含めると昨年より多い91名の大変盛況な参加となった。また、共同開催にすると名称が長くなる事から、今年から略称としての研究会名称を用いて案内を行っている。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

"生活圏を脅かす要員の一つとなりうる事故で、特に原発の事故に対しては、放射性物質の拡散などの情報が中々得られない不安定な状況になりやすく、地道な研究活動により、人類生存圏の安心・安全な社会を構築して行かなくてはならない。本研究集会では、これまで福島県の現状と復旧・復興に向けた支援研究の取り組みを継続して発表し、生存圏科学のコミュニティに現地の正しい情報を伝えることに取り組んできている。ここ数年は、福島復興や防災・減災をキーワードとした非常に幅広い分野からの発表が多く、学際融合・国際連携型の重要なシンポジウムとして開催できている事からも、継続開催の要望も多い。そのため、今後ますますの継続発展研究となることが予想される。また、本研究集会に関連して、小中高校生を対象とした震災関連の出張授業なども継続して開催している。

  • 南丹市立殿田中学校(3年生34人),京都府,2021/11/16
  • 京丹波町立瑞穂中学校(3年生25人),京都府,2021/10/22
  • 亀岡市立薭田野小学校(6年生14人),京都府,2021/10/5
  • 京都府立東宇治高等学校(3年生15名),京都府,2021/12/14

プログラム

第460回生存圏シンポジウム「第11回東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」および第9回「原発事故被災地域における放射線量マッピングシステムの技術開発・運用とデータ解析に関する研究会」

2021年12月21日

13:00開会挨拶 上田義勝(京都大学生存圏研究所)
(農地における汚染対策の話題・放射線計測技術の話題) 座長:上田義勝
13:05斎藤隆、根本知明(福島県農業総合センター)
除染後農地における放射性セシウムの実態とKURAMAを活用した研究の取り組み
13:30信濃卓郎(北海道大学大学院)
野菜の移行係数を再考する
13:55鳥居建男(福島大学環境放射能研究所)
福島第一原発事故後に行われた遠隔放射線計測及びマッピング技術
14:20休憩
(放射線計測技術の話題) 座長:斎藤公明
14:35谷垣実(京都大学複合原子力科学研究所)
KURAMA-IIの開発と展開の現状
15:00後藤淳(新潟大学研究推進機構)
自動車走行サーベイで測定した線量率の経時変化に関する検討
15:25小泉光生(JAEA)
核セキュリティのための放射線量マッピング
15:50休憩
(放射線計測技術の話題) 座長:後藤淳
16:05奥田美弘(高知工科大学)
CsI検出器を用いた水田土壌中の放射性セシウム分布の推定技術;現状報告
16:30津田修一(JAEA)
環境中のγ線線量率モニタリングに適した測定器に関する考察
16:55諸井眞太郎(凸版印刷株式会社)
マルチホップ型IoT無線通信“ZETA”を活用した環境センシング

2021年12月22日

(環境放射線・被曝評価の話題) 座長:藤村恵人
09:30山口一郎(国立保健医療科学院)
バックグラウンドとなる自然放射線量の測定において人体が及ぼす影響
09:55佐藤里奈(JAEA)
空間線量率測定に基づく被ばく評価
10:20大手信人(京都大学)
森林から生活圏に移動・沈着する放射性物質の把握とその影響の多面的評価
10:45休憩
(環境放射線・被曝評価の話題) 座長:百田佐多生
11:00熊澤蕃(元JAERI/JAEA前身)、豊田亘博(豊田放射線研)、加藤和明(先端課題研)
1FNPP事故後空間線量率の長期予測HSモデル検証と地理的変動の新確率分布モデル提案
11:25水野義之(関西外国語大学、東日本大震災・原子力災害伝承館、京都女子大学名誉教授)
原発事故後の「トリチウム水」の処理方法に関する新提案について
11:50髙橋正二(ふくしま再生の会)
飯舘村における牧場のkurama-II測定-3、および里山再生活動
12:15休憩
(環境動態・植物移行の話題) 座長:信濃卓郎
13:45.藤村恵人(農研機構東北農業研究センター)
福島県で栽培した玄米およびダイズ子実中放射性セシウム濃度
14:10久保堅司(農研機構東北農業研究センター)
ラッカセイへの放射性セシウムの移行性について
14:35二瓶直登(福島大学)
ダイズのセシウム吸収に関するカリウム以外の要因の検討
15:00丸山隼人(北海道大学大学院)
マメ科植物ルーピンの高い放射性セシウム吸収メカニズム
15:25休憩
(環境動態・植物移行の話題) 座長:谷垣実
15:40申文浩(福島大学)
営農再開地域における水管理システムの現状と課題
16:05上田義勝(京都大学生存圏研究所)
KURAMA-IIの歩行試験による較正と地表面汚染密度の評価
(福島に関連した話題) 座長:谷垣実
16:30水野義之(関西外国語大学、東日本大震災・原子力災害伝承館、京都女子大学名誉教授)
地域・地区防災計画と原子力災害・防災訓練の現状と課題~「東日本大震災・原子力災害伝承館」:教訓と知恵の連携に向けて~
16:55閉会挨拶 谷垣実(京都大学複合原子力科学研究所)
Symposium-0460a Symposium-0460b

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2021年9月29日作成,2021年12月23日更新