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第452回生存圏シンポジウム
中間圏・熱圏・電離圏研究会

開催日時 2021(令和3)年9月28日(火)~30日(木)
開催場所 オンライン開催
主催者 京都大学生存圏研究所/名古屋大学宇宙地球環境研究所/国立極地研究所
申請代表者 藤本晶子 (九州工業大学)
所内担当者 横山竜宏 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 太陽地球系物理学、超高層大気物理学。

概要

2021(令和3)年9月28日から30日にかけてMTI分野と密接な関わりを持つ「STE(太陽地球環境)現象報告会」「宇宙空間からの地球超高層大気観測に関する研究会」「太陽地球系物理学分野のデータ解析手法、ツールの理解と応用研究集会」との合同で開催した。本研究集会「中間圏・熱圏・電離圏(MTI)研究集会」では,招待講演を中心とした口頭発表セッションと若手や学生を中心としたポスター発表セッションを開催した。研究集会全体を通じて活発な議論が行われ、今後の発展につながる研究集会となった。

目的と具体的な内容

中間圏・熱圏・電離圏(Mesosphere, Thermosphere and Ionosphere; MTI)領域は、太陽や宇宙からの粒子及び電磁エネルギーの流入による影響に加え、下層大気から伝搬する大気波動などによって激しく変動する領域である。また同領域は、衛星測位に対する誤差要因など現代の社会基盤維持といった応用的な観点からも注目が高まっている。本研究集会は、上記のような MTI 領域の特徴を意識し、この領域で生じている物理・化学過程の理解を深めること、および他の研究領域や社会への応用を俯瞰的に捉えることを目的とする。口頭発表では、太陽、気象、惑星科学などのMTI周辺分野の招待講演を中心とし、比較惑星学的見地に基づく広い意味でのMTI結合過程の理解を深められるようなプログラム構成にした。加えて、国内のMTI分野では地上観測を得意とする研究者が多いことから、衛星観測の将来計画に関する議論に加わることで、より幅広い視点から現在のプロジェクトの遂行、新たな研究プロジェクトの立案にむけた議論が行われた。また、MTI分野の学生・若手研究者の育成の観点から、ポスターセッションを中心に彼ら自身による研究発表と質疑応答の場を提供し、最新の研究成果を日本語で正確に発表するとともにその内容についての質疑応答時間を多くとるプログラム構成にした。参加者から多くの質問や議論が活発に行われ、各発表者が今後、研究を進めていく上での方針や新たな研究テーマを設定していくための重要な助言等を得ることができた。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本研究集会は、生存圏研究所が掲げる5つのミッションのうち、主として「環境診断・循環機能制御」(ミッション1)、「宇宙生存環境」(ミッション3)、「高品位生存圏:日常生活における宇宙・大気・地上間の連関性」(ミッション5-3)に深く関連する。本研究集会が対象としているMTI領域は、太陽放射と太陽風のエネルギー流入による宇宙空間からの影響に加え、下層大気から伝搬する大気波動などによって激しく変動する宇宙圏と地球大気圏をつなぐ領域である。この領域で発生する諸現象の解明には、MTI分野と太陽から気象分野で活躍する研究者が連携した学際的な共同研究が不可欠である。このような背景から、本研究集会によって分野を横断する共同研究、研究者コミュニティの形成への貢献ができたと考える。一方で、MTI領域で発生する擾乱現象は衛星測位に対する誤差要因になり、現代社会における人類活動に必要なインフラに影響を及ぼすため、MTI領域の研究結果は社会応用的な側面への貢献にもつながると期待される。

プログラム

9月28日(火)

【座長:新堀淳樹(名大ISEE)/西岡未知(NICT)】
09:40–10:00[Invited] Cold plasma coupling between the ionosphere, plasmasphere and magnetosphere : recent development and future challenges
〇丸山奈緒美(コロラド大学LASP)
10:10–10:40[Invited] NICT 宇宙天気予報の中長期計画
〇津川卓也(NICT)
10:40–11:00休憩
11:00–11:30[Invited] 極冠域から探る宇宙環境変動と地球大気への影響
〇片岡龍峰(極地研)
11:30–12:00[Invited] 大型大気レーダーを中心とした観測展開から探る大気大循環変動
〇堤雅基(極地研)、佐藤薫、佐藤亨、中村卓司、齋藤昭則、冨川喜弘、西村耕司、高麗正史、橋本大志、江尻省、鈴木秀彦

9月29日(水)

【座長:冨川喜弘(極地研)/中田裕之(千葉大)】
09:40–10:10[Invited] Seasonal variations of ICON-MIGHTI tides and small-scale perturbations from 90 to 250 km
〇Chihoko Cullens (University of California Berkeley)
10:10–10:30Numerical ionospheric simulation on day-to-day variations of the Es layers at Arecibo
〇安藤慧(京大理)、齊藤昭則、品川裕之
10:30–10:50Statistical analysis of seasonal and solar activity dependences of nighttime MSTIDs using the mid-latitude SuperDARN radars
〇枦山航(名大ISEE)、西谷望、堀智明、中村卓司、Septi Perwitasari
10:50–11:00休憩
11:00–11:30[Invited] 次世代低周波電波望遠鏡SKAの概要
〇高橋慶太郎(熊大理)
11:30–12:00[Invited] SKAと先行機による電離圏観測
〇吉浦伸太郎(国立天文台)
12:00–13:00昼休み
【座長:津田卓雄(電通大)】
13:00–13:30[Invited] 地上大型電波望遠鏡を用いた,外惑星・衛星における中層大気物理化学の観測的解明
〇飯野孝浩(東大情報基盤センター)
13:30–13:50Dependence of the occurrence of storm-time plasma bubbles extending to the midlatitudes on solar wind dynamic pressure
〇惣宇利卓弥(名大ISEE)、新堀淳樹、大塚雄一、津川卓也、西岡未知
13:50–14:10長期GNSS-TECデータに見られる磁気嵐時の全球的な電離圏電子密度の時間・空間変動について
〇新堀淳樹(名大ISEE)、惣宇利卓弥、大塚雄一、津川卓也、西岡未知
14:10–15:10休憩
【座長:藤本晶子(九工大)】
15:10–15:40[Invited] 中低緯度の電離圏電流から観る大気圏―電離圏結合
〇山崎洋介(GFZ Potsdam)
15:40–18:00ポスターセッション

ポスターセッション

  1. 太陽CaK線観測データを用いた前世紀の太陽紫外線推定の試み
    〇格和純 (国立天文台)、上野悟
  2. カスプにおけるジュール加熱と熱圏質量密度上昇に対する準静的電場およびAlfven波の影響
    〇大井川智一(京大SPEL)、品川裕之、田口聡
  3. 南極観測船「しらせ」搭載イメージャーによる大気光・オーロラ観測
    〇山科佐紀(京大理学研究科)
  4. JARE63における南極昭和基地でのスペクトルリオメータ観測
    〇田中良昌(極地研)、山本真之、西村耕司、山岸久雄、Antti Kero、門倉昭、水野亮、行松彰、内田ヘルベルト陽仁、片岡龍峰、小川泰信、西山尚典、堤雅基、尾崎光紀、三好由純、大山伸一郎、土屋史紀
  5. Sporadic Fe layer event based on wind shear theory: numerical simulation and simultaneous observation of Fe density and wind at Syowa station (69.0°S, 39.6°E)
    〇西山尚典(極地研)、江尻省、津田卓雄、中村卓司、津野克彦、堤雅基、川原琢也、阿保真、小川貴代、和田智
  6. VLF/LF帯標準電波観測による火球に伴うD領域電離圏変動の解明
    〇鈴木威流(千葉大)、大矢浩代、土屋史紀、塩川和夫、中田裕之
  7. VLF/LF帯標準電波から得られたD領域電離圏における高エネルギー降下電子のULF変調
    〇田中健太郎(千葉大)、大矢浩代、土屋史紀、塩川和夫、三好由純、寺本万里子、Martin Conners、中田裕之
  8. HFDを用いた地震に伴う電離圏擾乱の3次元空間分布の解析
    〇堀切友晃(千葉大)、中田裕之、大矢浩代、細川敬祐
  9. GPS電波掩蔽観測を用いた東北地方太平洋沖地震に伴う津波による電離圏擾乱の高度分布解析
    〇伏見亮祐(千葉大)、中田裕之、大矢浩代
  10. Propagation characteristics of MSTIDs at different altitudes Obtained by HF Doppler sounding
    〇西山祐樹(千葉大)、中田裕之、大矢浩代、細川敬祐、津川卓也、西岡未知
  11. GAIA極域改良版の評価と課題
    〇垰千尋(NICT)、陣英克、品川裕之、三好勉信、藤原均、新堀淳樹
  12. NICTイオノゾンデより自動抽出された電子密度プロファイルの評価、初期結果
    〇西岡未知(NICT)、斎藤享、前野英生、山川浩幸、津川卓也
  13. Na飽和分光実験におけるスペクトル構造の理論的研究
    〇兵藤初美(電通大)、津田卓雄、渡部蓮、胡錦怡、野澤悟徳、川端哲也、斎藤徳人、川原琢也
  14. トロムソナトリウムライダーを用いた北極域上部中間圏および下部熱圏における周期8時間および6時間大気波動に関する研究
    〇森川千秋(名大ISEE)、野澤悟徳、津田卓雄、川原琢也、斎藤徳人、和田智之、髙橋透、川端哲也
  15. 夜光雲観測のための超小型係留気球観測システムの開発と実証実験
    〇遠藤哲歩(明治大)、石井智士、 鈴木秀彦、 高田拓、別所晏柚、加藤恵輔、津田卓雄、穂積裕太

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2021年7月6日作成,2021年12月2日更新