第449回生存圏シンポジウム
〔第1回〕第3回プラズマ・ナノバブル研究会(静電気学会支部合同研究会との共同開催)
〔第2回〕2021年度第2回静電気学会支部合同研究会
開催日時 |
〔第1回〕2021(令和3)年9月17日(金)10:30~18日(土)15:00 〔第2回〕2022(令和4)年3月17日(木)9:30–20:00 |
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開催場所 |
〔第1回〕オンライン(Zoom) 〔第2回〕琉球大学理系複合棟共通教室およびオンライン(Zoom,Gathertown)の同時開催 |
主催者 | 京都大学生存圏研究所,静電気学会東北・関西・九州支部 |
申請代表者 | 高木浩一 (岩手大学理工学部) |
所内担当者 | 上田義勝 (京都大学生存圏研究所宇宙圏電磁環境探査分野) |
関連ミッション |
ミッション1 環境診断・循環機能制御 |
関連分野 | 静電プラズマ,ナノバブル,ウルトラファインバブル,マイクロバブル。 |
主催:生存圏シンポジウム,静電気学会東北・関西・九州支部
後援:琉球大学
概要
高電圧,プラズマを用いた産業への応用研究は世界的にみても非常に注目されており,またマイクロメートル以下の微細気泡(ナノバブル)研究についても,過去の生存圏シンポ(第325回,413回,435回など)などで開催している様に,新しい研究テーマとなりつつある。申請者らのグループは,高電圧・プラズマ・微細気泡それぞれの基礎原理と共に,相互作用や相乗効果についての研究について幅広い議論を行うため,2021年度も生存圏シンポを継続して開催,より活発な研究集会を開催した。
〔第1回〕第3回プラズマ・ナノバブル研究会(2021-09-17/18)
目的と具体的な内容
第449回生存圏シンポジウムを2021年9月17日(金)–9月18日(土)にオンライン(Zoom)にて開催し,63名の参加者,招待講演12件,意見交換会での研究紹介4件,フリーディスカッション,開会・閉会挨拶を得て盛会に終えることができた.COVID-19のため,昨年度に引き続きオンラインにて開催した。
初日17日は,生存圏シンポジウムとして招へいした濱本准教授,二瓶准教授から,農学応用と帯電に関連するナノバブル研究の紹介をして頂いた。また,静電気学会各支部からの招待講演として,火花放電の基礎理論(大澤教授)からはじまり,滅菌技術(作道准教授),ESD過渡電磁界計測手法(石上教授),マイクロ波プラズマ滅菌(米須教授),マイクロ・ナノ粒子の静電操作(末廣教授),大気圧放電による窒化(市來准教授)と,非常に幅広い研究内容の講演があり,質問時間が足りず,夜のGather(gather.town)を用いたオンライン交流会でも夜遅くまで活発な議論が続いた。
翌日土曜日の講演会においては,引き続き静電気学会各支部からの招待講演として,電気集塵装置による微生物不活性化(瑞慶覧教授),コロナ放電による酸化とその影響(見市教授),水和クラスターイオンの移動度(奥山准教授),光触媒(工藤准教授)と講演が続き,前日に続いて活発に議論が進んだ。また,午後からの意見交換会では,日本の科学技術研究の現状について,科学技術・学術研究所の浦島フェローから紹介があり,特に工学関連の今後の研究活動の活発化について議論された。その後は静電気学会各支部の現状や,生存圏シンポ活動,生存圏科学についての紹介,また12月に開催される「京都大学微細気泡研究会」(開催代表:上田 12/7–8)の紹介などもあり,今後の活動活発化について意見交換し,盛会のうちにシンポジウムを終了している。
また,今年度の今後の予定として,COVID-19による移動制限が無くなり次第,琉球大学にて対面での会議と,琉球大学におけるプラズマ・ナノバブル研究設備の見学を予定している。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
水と大気,各種気体を用いた高電圧,プラズマ,微細気泡の研究は,生存圏においては基礎・応用として利用できる分野が数多くある。また,プラズマ・ナノバブル応用利用の対象の一つに農林水産業がある。生活圏の重要な産業の一つである農林水産業は,国家の枠を超え,人類の地球上での持続可能な自給自足を実現することに直結する。また,申請代表と生存圏所内担当者は,2021年度も継続して生存圏シンポジウム開催し,東北・九州・関東・関西と,ほぼ日本全国にまたがる研究者ネットワークを強化しつつある。
プログラム
9月17日(金)(オンライン)
招待講演 司会:佐藤岳彦(東北大学) | |
13:00–13:10 | 開会挨拶(大澤副会長,金澤支部長,大久保支部長,上田生存圏シンポ代表) |
13:10–13:40 | 大澤敦(東京電機大学・客員教授) 「火花放電の速度論的モデリング」 |
13:40–14:10 | 作道章一(岡山理科大学・准教授) 「病原体とプラズマ滅菌技術:プリオン不活化を中心として」 |
14:10–14:20 | 休憩 |
司会:山里将朗(琉球大学) | |
14:20–14:40 | 石上忍(東北学院大学・教授) 「ESD過渡電磁界の測定方法及び距離特性の検討」 |
14:40–15:10 | 米須章(琉球大学・教授) 「マイクロ波プラズマを用いた滅菌 —高真空から大気圧まで—」 |
15:10–15:20 | 休憩 |
司会: 金澤誠司(大分大学) | |
15:20–15:50 | 末廣純也(九州大学・教授) 「マイクロ・ナノ物質の静電操作と応用」 |
15:50–16:20 | 市來龍大(大分大学・准教授) 「大気圧放電を利用した金属材料窒化技術の研究 —応用から基礎へ—」 |
16:20–16:30 | 休憩 |
司会: 上田義勝(京都大学) | |
16:30–17:00 | 濱本昌一郎(東京大学・准教授) 「多孔質媒体中における微細気泡挙動」 |
17:00–17:30 | 二瓶直登(福島大学・准教授) 「植物根のイオン吸収における微細気泡の影響」 |
18:00–20:00 | 意見交換会 司会:金澤誠司(大分大学) |
9月18日(土)(オンライン)
招待講演 司会:大久保雅章(大阪府立大学) | |
10:00–10:30 | 瑞慶覧章朝(神奈川工科大学・教授) 「電気集じん装置による捕集微生物の不活性化」 |
10:30–11:00 | 見市知昭(大阪工業大学・教授) 「直流コロナ放電を用いた促進酸化処理における負イオンの影響」 |
11:00–11:10 | 休憩 |
司会: 高木浩一(岩手大学) | |
11:10–11:40 | 奥山由(苫小牧高専・准教授) 「大気圧イオンドリフトチューブを用いた水和クラスターイオンの移動度およびイオン・分子反応の検討」 |
11:40–12:10 | 工藤祐輔(日本大学・准教授) 「銅担持による光触媒の可視光応答化」 |
12:10–12:15 | 招待講演終了挨拶(中締め) (工藤理事,佐藤支部長) |
12:15–13:00 | 昼食 |
意見交換会 司会:佐藤岳彦(東北大学) | |
13:00–13:15 | 浦島邦子(科学技術・学術政策研究所・フェロー) 「学術活動の役割と将来展開」 |
13:15–15:00 | 自由発表,今後の活動についてなど (自由発表:希望者の研究紹介(発表時間は人数割),支部活動予定,全国大会実施相談など) |
15:00–15:10 | 閉会挨拶 (3支部長,生存圏シンポジウム代表) |
〔第2回〕2021年度第2回静電気学会支部合同研究会(2022-03-17)
目的と具体的な内容
2回目となる第449回生存圏シンポジウムを2022年3月17日(木)9:30~20:00に開催した。開催方式は琉球大学での現地と、オンライン(Zoom)との併催とし、2回目については25名の参加者(うち現地参加は8名)、招待講演8件、意見交換会での研究紹介、フリーディスカッション、閉会後の琉球大学山里研究室見学など、盛会に終えることができた。講演については京都大学、岩手大学、産業総合研究所、西日本工業大学、大阪府立大学、長崎大学、神奈川工科大学、東北学院大学から講演をいただき、前日の地震の影響で講演順序の変更はあったものの、講演と活発な議論を行った。講演内容としてはプラズマを用いた応用研究(触媒や殺菌、農業環境利用)から、基礎的な現象解析(液体流解析、衝撃波観測、放射モデル)など、幅広い講演であった。ウルトラファインバブルに関する講演についても、基礎的な帯電状況の考察の他、応用研究の広がりの紹介もあり、プラズマとバブルとの相性の良さが良く分かる講演であった。講演後の自由討論においては、静電気学会の2022年度の会合の紹介の他、2022年度も生存圏シンポと連携した研究会を是非開催したいという全会一致の希望があり、今後に繋がるシンポジウムを開催出来ている。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
水と大気、各種気体を用いた高電圧、プラズマ、微細気泡の研究は、生存圏においては基礎・応用として利用できる分野が数多くある。また、プラズマ・ナノバブル応用利用の対象の一つに農林水産業がある。生活圏の重要な産業の一つである農林水産業は、国家の枠を超え、人類の地球上での持続可能な自給自足を実現することに直結する。また、申請代表と生存圏所内担当者は、2021年度も継続して生存圏シン+B45ポジウム開催し、東北・九州・関東・関西と、ほぼ日本全国にまたがる研究者ネットワークを強化しつつある。
また、静電気学会に設置されている東北、関西、九州の3支部が合同で研究会を実施し、生存圏シンポジウムと共同で開催する事で、各地域間の交流を深め支部活動の活性化につなげる事が出来た。プラズマと気泡の研究について取り組む生存圏シンポジウムと合同で行うことで、お互いに研究領域の幅を広げ交流を深める事ができ、是非来年度以降も継続して生存圏シンポジウムを開催していきたい。今後も関連すすする各方面の研究者を招聘し招待講演を実施するとともに、意見交換会や参加者の自由発表などの機会を提供し、参加者の研究活動の発展を支援していきたい。
プログラム
招待講演(理系複合棟共通教室・オンライン) 司会:佐藤岳彦(東北大学)(現地) | |
09:30–09:40 | 開会挨拶(金理事,金澤支部長,大久保支部長,上田生存圏シンポ代表) |
09:40–10:10 | 金賢夏(産業総合研究所・界面化学応用研究グループ長)(現地) 「プラズマ触媒を用いたPower-to-X」 |
10:10–10:40 | 川崎敏行(西日本工業大学・教授)(現地) 「プラズマ照射により界面活性剤水溶液中に生じる2種類の液体流」 |
10:40–11:00 | 休憩 |
司会: 金澤誠司(大分大学)(現地) | |
11:00–11:30 | 上田義勝(京都大学・助教)(現地) 「ウルトラファインバブル水の帯電と気泡分布に関する考察」 |
11:30–12:00 | 高橋克幸(岩手大学・准教授)(オンライン) 「気液界面プラズマを利用した農業・環境応用」 |
12:00–13:00 | 昼食 |
司会: 大久保雅章(大阪府立大学)(オンライン) | |
13:00–13:30 | 北野勝久(大阪大学・准教授) 「プラズマ誘起液中化学反応場の活用」 |
13:30–14:00 | 古里友宏(長崎大学・准教授) 「超臨界流体と水中におけるパルス放電由来の衝撃波の観測」 |
14:00–14:20 | 休憩 |
司会: 上田義勝(京都大学)(現地) | |
14:20–14:50 | 瑞慶覧章朝(神奈川工科大学・教授)(オンライン) 「電気集じんにおける粒子帯電・軌道シミュレーション」 |
14:50–15:20 | 川又憲(東北学院大学・教授)(オンライン) 「球電極対の ESD に伴う電磁界ピーク値の距離特性と放射モデル」 |
15:20–16:00 | 自由討論 |
16:00–16:05 | 終了挨拶(瑞慶覧理事,佐藤支部長) |
16:30–17:30 | 見学会(キャンパス内) 案内:山里将朗(琉球大学) 山里研,琉球大キャンパス,会場から北食堂への移動も含む |
18:00–20:00 | 意見交換会(大学生協北食堂) 司会:高木浩一(岩手大学) |
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2021年4月20日作成,2022年3月23日更新