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第429回生存圏シンポジウム
第14回多糖の未来フォーラム2020

開催日時 2020(令和2)年11月7日(土)13:00–17:40
開催場所 順天堂大学 本郷・お茶の水キャンパス
主催者 糖鎖化学研究会、日本応用糖質科学会、セルロース学会、日本キチン・キトサン学会、シクロデキストリン学会
申請代表者 秋吉一成 (京都大学大学院工学研究科)
所内担当者 矢野浩之 (京都大学生存圏研究所生物機能材料分野)
関連ミッション ミッション4 循環材料・環境共生システム
関連分野 食糧・材料・創薬に関わる分野。

学術集会開催助成金:水谷糖質科学振興財団、京都大学生存圏研究所

概要

デンプン、セルロース、キチン等の持続可能な資源である多糖について、材料や創薬といった多面的な観点から、それぞれの分野の第一人者である研究者らが最新の研究成果を報告した。

目的と具体的な内容

デンプン、セルロース、キチン等の多糖は、地球上で持続的に生産・利用・分解されており、人類の生存にとって必須の食料資源・生活資源・産業資源・創薬資源・エネルギー資源である。「多糖の未来フォーラム」は、セルロース学会、日本化学会(糖鎖化学研究会)、日本応用糖質科学会、セルロース学会、日本キチン・キトサン学会、シクロデキストリン学会が結集して平成18年(2006年)に発足した多糖の利用について議論するフォーラムである。

本フォーラムでは「食糧と、材料と、創薬」という異なった多彩な多糖分野の課題に取り組む研究者が専門の枠や産業の枠を超えて、地球的規模の問題や人類生存の課題について意見を交換する場を提供することを目的としている。

今回のフォーラムでは多岐にわたる多糖分野の研究をさらに発展させるべく、キチン分解酵素であるキチナーゼ、糖の進化、多糖の分岐、セルロース合成酵素、分子認識機能を有するシクロデキストリン複合体の開発、キチン分解産物であるグルコサミンの長寿遺伝子の活性化等に関する話題を取り上げ、多糖の面白さを分かりやすく解説するとともに、多糖の機能、利用を通じて、人類の豊かな生存を実現するための可能性について多面的に議論した。また、産官学の研究者が多数参加し、それぞれの垣根を超えた議論を行うことで、異分野の知見が混ざり合い、参加者には新たな知見やアイデアの創造に貢献することができた。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

多糖の未来フォーラムでは、多糖を通じて、我が国の学術と産業の強力な推進を図るとともに、糖鎖科学分野を含めて関連分野の相互の交流を活発化し、資源としての多糖をいかに有効に活用していくか、また多糖に秘められている多様な機能をいかに探究していくかに着目して、交流を深めるとともに、多糖の重要性と魅力を現代社会に広く訴える活動を行っている。

近年とくに、科学者・技術者は、専門の枠や産業の枠を超えて、地球的規模の問題や人類生存の課題について、意見を交換し、学術・産業を推進していくことが要請されている。

今回、産官学の研究者が多数参加し、それぞれの専門性を超えた議論を行うことで、異分野の知見が混ざり合い、参加者には新たな知見やアイデアが創造されたことと思われる。再生可能な多糖の持続的利用は生存圏科学にとって重要な意義があり、関連学会らと協働して開催した本シンポジウムは、関連分野とのコミュニティ形成に大きく貢献したといえる。

プログラム

13:00–13:10 開会の辞
13:10–13:50 繁栄した海洋生物はどのようなキチナーゼを持つのか? ~キチンを酵素分解するためのヒントを探る~
松宮政弘(日本大学生物資源科学部)
13:50–14:30 糖はどこから来たのか、糖とは何者か、糖はどこへ行くのか
平林淳(産業技術総合研究所)
14:30–15:10 多糖の分岐を考える ~澱粉構造と枝作り酵素の研究から~
鈴木龍一郎(秋田県立大学生物資源科学部)
15:10–15:30 休憩
15:30–16:10 セルロース合成酵素:常温常圧水系溶媒下における高分子構造制御
今井友也(京都大学生存圏研究所)
16:10–16:50 高度な分子識別機能を有するシクロデキストリン複合体の開発
早下隆士(上智大学理工学部)
16:50–17:30 キトサンモノマーであるグルコサミンの長寿遺伝子サーチュインを介した生理作用
五十嵐庸(城西大学薬学部)
17:30–17:40 閉会の辞

Symposium-0429
ポスター PDF ファイル (109 922 バイト)

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2020年7月1日作成,2020年11月10日更新