第377回生存圏シンポジウム
第二回農産廃棄物総合利用ハイレベルフォーラム
開催日時 | 2018(平成30)年6月15日(金) 14:00–17:10 |
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開催場所 | 中華人民共和国安徽省合肥市 |
主催者 | 中国安徽省環境保護庁 |
申請代表者 | 梅村研二 (京都大学生存圏研究所循環材料創成分野) |
関連ミッション |
ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用 ミッション4 循環材料・環境共生システム ミッション5 高品位生存圏 |
関連分野 | 材料開発分野、エネルギー開発分野、木質材料開発分野、農学分野。 |
概要
2018(平成30)年6月15~16日に中国安徽省合肥市において、第二回農産廃棄物総合利用産業博覧会が開催され、15日には農産廃棄物総合利用ハイレベルフォーラムが開催された。フォーラムでは、博覧会参加代表者約120名に加え、安徽農業大学の学生など計約200人が参加した。
目的と具体的な内容
本研究集会の目的は、農産廃棄物の有効利用について、現状の取り組みや今後の課題を議論することである。農産廃棄物は世界各国で大量に排出され、これまで燃料や飼料、土戻し、工業的利用が行われてきたものの、その利用は限定されている。さらに、近年は野焼きの禁止に伴って、その有効利用に関する検討が急務となっている。中国・安徽省は国内有数の農業地域であり、大量の農産廃棄物が毎年発生し、その処理が問題となっている。
昨年度に引き続き、当研究室の招聘外国人学者である浙江農林大学の張敏教授を介し、安徽省政府からハイレベルフォーラムへの参加を打診され、所内から張敏教授、川井特任教授、梅村准教授が出席した。ハイレベルフォーラムでは、研究機関、大学および企業などから農産廃棄物の現状やエネルギー利用、材料利用に関わる様々な事例が紹介された。川井特任教授はケナフを用いた木質材料の開発、梅村准教授は農産廃棄物由来植物繊維と天然系接着剤を用いた木質材料の開発についてそれぞれ講演を行った。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
本フォーラムは、農産廃棄物の有効利用技術について、産官学がそれぞれの取り組みを紹介した。今回は、MOU締結校の南京林業大学の先生が参加・発表するとともに、今後の共同研究について議論した。また、安徽農業大学や中国農業大学などの交流実績のない大学とも意見交換を行うことができ、当研究所の基盤強化とコミュニティーの拡大に繋がった。さらに、本検討課題は中国のみならず東南アジア地域全般において深刻な問題であるので、将来的な発展も期待できる。農産廃棄物は典型的な未利用リグノセルロースであり、その有効利用を国際的に議論することは、生存圏科学におけるバイオマスの有効利用にとって極めて重要である。当研究所のミッションと照らし合わせると、バイオマスに関連したミッション2、4、5と深い関わりがある。有効利用の一つとして、農産廃棄物から木質材料の製造を検討した場合、長期間の炭素固定が可能になるばかりで無く、その廃棄時の熱エネルギー利用においても原料の高密度化による効率的な回収が期待できる。このようなカスケード型利用は、今後の持続的な生存圏の発展には不可欠であるため、生存圏科学との関わりが極めて深い。
プログラム
14:00–14:10 | Start greeting Ms. Tang Guoping, Anhui-province Agriculture Committee |
Presentation and Discussion Chairman, Mr. Zhang Min, RISH of Kyoto University | |
14:10–14:40 | The Study Returned to a Field of Straw Charcoal Mr. Chen Wenfu, Shenyang Agriculture University |
14:40–15:00 | Utilization of Scientific High-efficient agricultural waste Mr. Ji Kunsen,Anhui Circulation Economic Research Institute |
15:00–15:20 | Potential of Composite Panels Using Agricultural Waste Fbers and New Natural Adhesives Mr. Kenji Umemura, RISH of Kyoto University |
15:20–15:40 | Kenaf Fiber Composites and Core Self-bonded Particleboards Mr. Shuichi Kawai, RISH of Kyoto University |
15:40–16:00 | The New Time of The Straw Mr. Peng Fei, State Straw Industrial Union |
16:00–16:20 | Coffee Break |
16:20–16:30 | Straw Generation Technology Mr. Zhou Jianbing, Nanjing Forestry University |
16:30–16:40 | Agricultural Produce Waste Circulation Economy Mr. Zhang Liqun, The Chinese Department of Agriculture |
16:40–16:50 | Straw Flammable Gas Mr. Dong Renjie, Chinese Agriculture University |
16:50–17:00 | The Economic Effect of The Straw Mr. Zhu Dongsheng, Chinese Academy of Sciences |
17:00–17:10 | Bio-Charcoal Mr. Wang Jiangfei, Anhui Polytechnic College |
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2018年5月29日作成,2018年7月10日更新