第367回生存圏シンポジウム
生存圏ミッションシンポジウム
開催日時 | 2018(平成30)年2月21日(水)~22日(木) |
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開催場所 |
京都大学宇治キャンパス 木質ホール(2月21日) 宇治おうばくプラザ きはだホール、ハイブリッドスペース(2月22日) |
主催者 | 京都大学生存圏研究所 |
申請代表者 | 山本衛 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野) |
関連ミッション |
ミッション1 環境診断・循環機能制御 ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用 ミッション3 宇宙生存環境 ミッション4 循環材料・環境共生システム ミッション5 高品位生存圏 |
関連分野 | 生存圏研究所のカバーする全専門分野。 |
概要
本シンポジウムは、生存圏研究所の研究活動の総括として、毎年度末に開催している。今年度の参加者は延べ192名であった。今回は2日目に生存圏フォーラム総会を実施し、その後の昼食時にポスター発表を行った。これは参加者数の増加と議論の活性化に役立ったと評価できる。全体的として、本研究所の最近1年間の報告とともに、各共同研究者の成果を交えて総合的な議論を行い、将来の発展や関連コミュニティの形成に対して貢献することができた。
目的と具体的な内容
ミッションシンポジウムは、研究所の1年間の全活動の総括としてのシンポジウムである。生存圏研究所の開放型研究推進部が推進する共同利用・共同研究拠点活動、生存圏学際萌芽研究センターが支援する公募研究(生存圏ミッション研究、生存圏科学萌芽研究)、生存圏フラッグシップ共同研究などの成果を総括した。さらに、本年度の研究ミッション活動の内容や、各ミッション専攻研究院の活動成果を報告した。シンポジウムは2日間に分けて行われ、多くの報告と共に、分野横断的・俯瞰的な立場から生存圏研究所の活動についての議論が行われた。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
本年度の参加者は延べ192名であり、昨年度とほぼ同等の多数の参加者を得て開催された。これは、本年度から開始された共同利用・共同研究拠点機能強化経費に伴って、研究ミッションの再定義と拡張、生存圏フラッグシップ共同研究などの見直し(拡大)、生存圏アジアリサーチノードの立上げ等があったことに伴う、研究活動の活発化に沿ったものと考えられる。研究所の最近1年間の報告とともに、各共同研究者の成果を交えて総合的な議論ができたことから、将来の生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成に対して大きく貢献することができた。
プログラム
2月21日(水)
11:20–11:30 | 所長挨拶 渡辺隆司(京都大学生存圏研究所・所長) |
開放型研究推進部 共同利用専門委員会活動報告 | |
11:30–11:45 | マイクロ波エネルギー伝送実験装置(METLAB) 委員長:篠原真毅(京都大学生存圏研究所) METLABの実験装置を利用したマイクロ波無線電力伝送の試み 袁巧微(独立行政法人国立専門学校機構仙台高等専門学校) |
11:45–12:00 | 先端電波科学計算機実験装置(A-KDK) 委員長:大村善治(京都大学生存圏研究所) ホールスラスターの計算機シミュレーション 船木一幸(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所) |
12:00–13:00 | 昼食 |
13:00–13:15 | MUレーダー(MUR)/赤道大気レーダー(EAR) 委員長:山本衛(京都大学生存圏研究所) 電子航法研究所における航空航法・気象のためのMUレーダーの利用 斎藤享(国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所電子航法研究所) |
13:15–13:30 | 木質材料実験棟 委員長:五十田博(京都大学生存圏研究所) 木製治山ダムの部材劣化診断手法の開発 明石浩和(京都府農林水産技術センター) |
13:30–13:45 | 居住圏劣化生物飼育棟(DOL)/生活・森林圏シミュレーションフィールド(LSF) 委員長:吉村剛(京都大学生存圏研究所) 大型木造の接合部における生物劣化を評価するための基礎的研究 中谷誠(宮崎県木材利用技術センター) |
13:45–14:00 | 持続可能生存圏開拓診断(DASH)/森林バイオマス評価分析システム(FBAS) 委員長:矢崎一史(京都大学生存圏研究所) 植物香気成分生成機構解明 ~生合成酵素の単離と代謝工学への応用~ 肥塚崇男(山口大学大学院創成科学研究科(農学系)) |
14:00–14:15 | 先進素材開発解析システム(ADAM) 委員長:渡辺隆司(京都大学生存圏研究所) 接合藻類アオミドロの接合誘導物質の特定 池谷仁里(兵庫県立大学大学院生命理学研究科) |
14:15–14:30 | 生存圏データベース 委員長:塩谷雅人(京都大学生存圏研究所) 気象数値予報データGPV-MSMを利活用した陸海域シミュレーションによるマリンハザード研究 中田聡史(神戸大学大学院海事科学研究科) |
14:30–14:40 | 休憩 |
生存圏学際萌芽研究センター ミッション専攻研究員成果報告 | |
14:40–14:55 | ミッション専攻研究員1 木材の流動成形における高度制御型化学処理手法の開発 田中聡一(ミッション専攻研究員) |
14:55–15:10 | ミッション専攻研究員2 Forest carbon sequestration, a contribution of forest to reduce C02 concentration in the atmosphere against global warming and climate change Tran Do Van(ミッション専攻研究員) |
15:10–15:25 | ミッション専攻研究員3 植物バイオマス由来抗ウイルス活性物質の探索 應田涼太(ミッション専攻研究員) |
15:25–15:40 | ミッション専攻研究員4 無衝突磁気リコネクションの運動論的研究 銭谷誠司(ミッション専攻研究員) |
2月22日(木)
生存圏研究所 研究ミッション活動紹介 | |
09:30–09:45 | ミッション1 環境診断・循環機能制御 (代表)梅澤俊明(京都大学生存圏研究所) |
09:45–10:00 | ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用 (代表)三谷友彦(京都大学生存圏研究所) |
10:00–10:15 | ミッション3 宇宙生存環境 (代表)大村善治(京都大学生存圏研究所) |
10:15–10:30 | ミッション4 循環材料・環境共生システム (代表)金山公三(京都大学生存圏研究所) |
ミッション5 高品位生存圏 | |
10:30–10:40 | ミッション5-1 人の健康・環境調和 (サブミッション代表)高橋けんし・杉山暁史(京都大学生存圏研究所) |
10:40–10:50 | ミッション5-2 脱化石資源社会の構築 (サブミッション代表)飛松裕基(京都大学生存圏研究所) |
10:50–11:00 | ミッション5-3 日常生活における宇宙・大気・地上間の連関性 (サブミッション代表)山川宏(京都大学生存圏研究所) |
11:00–11:10 | ミッション5-4 木づかいの科学による社会貢献 (サブミッション代表)杉山淳司(京都大学生存圏研究所) |
11:10–11:20 | 休憩 |
生存圏アジアリサーチノード成果報告 | |
11:20–11:35 | 生存圏アジアリサーチノード 橋口浩之(京都大学生存圏研究所) |
生存圏フラッグシップ成果報告 | |
11:35–11:50 | 熱帯植物バイオマスの持続的生産利用に関する総合的共同研究 梅澤俊明(京都大学生存圏研究所) |
11:50–12:05 | マイクロ波応用によるエネルギーの輸送・物質変換共同研究 篠原真毅(京都大学生存圏研究所) |
12:05–12:20 | バイオナノマテリアル共同研究 矢野浩之(京都大学生存圏研究所) |
12:20–12:35 | 宇宙生存圏におけるエネルギー輸送過程に関する共同研究 大村善治(京都大学生存圏研究所) |
12:35–12:50 | 赤道ファウンテン 山本衛(京都大学生存圏研究所) |
生存圏フォーラム | |
12:50–13:20 | 総会+記念撮影 |
13:20–13:25 | 休憩(2階ハイブリッドスペースへ移動) |
交流会(ポスター発表) | |
13:25–15:25 | シンポジウム会場にて受付(~12:50)
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ポスター発表 (2月22日) 題目および発表者一覧
数字:ポスター番号
生存圏科学萌芽研究 成果報告
- 「樹木を介した土壌圏から大気圏へのメタン放出」
伊藤雅之(京都大学東南アジア地域研究研究所) - 「固体高分解能NMRによる13Cラベル化セルロースIIの構造解析」
久住亮介(京都大学農学研究科) - 「植物二次代謝産物の生産に関与する環化酵素の機能解析」
高梨功次郎(信州大学山岳科学研究所) - 「形質転換イネで探るイネ科リグニン修飾構造の進化的位置づけとバイオマス利用へのインパクト」
飛松裕基(京都大学生存圏研究所) - 「カリウム問題土壌における根近傍域での物質移動特性の把握」
濱本昌一郎(東京大学農学生命科学研究科) - 「根滲出物の樹種特異性の解明 ~野外測定での定量化を目指して~」
牧田直樹(信州大学理学部) - 「水分存在下での加熱による広葉樹引張あて材の不可逆的変形機構の解明」
松尾美幸(名古屋大学生命農学研究科) - 「位相共役回路を用いた自己発振型マイクロ波電力伝送システムの研究」
松室尭之(龍谷大学理工学部)
生存圏ミッション研究 成果報告
- 「Survey for viral pathogens in two invasive ants, Argentine ant and yellow crazy ant, in Japan」
Chin-Cheng Yang(京都大学生存圏研究所) - 「International collaborative study on atmospheric turbulence based on simultaneous observations with the MU radar, small unmanned aerial vehicles (UAV), and radiosonde and tethered balloons」
Hubert Luce (MIO, Toulon University) - 「Networking xylarium database toward novel wood anatomy by computer vision」
Ratih Damayanti (Forest Product Research and Development Center) - 「歴史文献中のオーロラ及び黒点記録を用いた過去の太陽活動の研究」
磯部洋明(京都大学総合生存学館) - 「小角散乱法によるバイオマス構造のダイナミクス解析」
今井友也(京都大学生存圏研究所) - 「ナノ粒子及びナノバブルの簡易濃度計測手法の開発(レーザー散乱)」
上田義勝(京都大学生存圏研究所) - 「多波長カメラ2点観測による極域大気流出現象の立体構造の解明」
小川泰信(国立極地研究所) - 「1-unit CubeSat用プラズマ波動センサモジュールの開発」
尾崎光紀(金沢大学理工研究域) - 「インドネシア産ウリン材の効果的な新規接合技術の開発による高強度長尺部材の製造」
梶川翔平(電気通信大学情報理工学研究科) - 「宇宙線防御のための環状電流を用いた磁気シールドの強度制御に関する研究」
梶村好宏(国立明石工業高等専門学校電気情報工学科) - 「宇宙圏環境を定量的に理解する新観測手法(WPIA: Wave-ParticleInteraction Analyzer)に関する研究」
小嶋浩嗣(京都大学生存圏研究所) - 「ヒノキの葉および幹内貯水量と蒸散への寄与度の評価」
小杉緑子(京都大学農学研究科) - 「C-バンド/L-バンド SARデータを用いた森林垂直構造の把握」
小林祥子(玉川大学農学部) - 「コウキクサが生産するホウ素結合多糖の特性解析と生理機能解明」
小林優(京都大学農学研究科) - 「経験的動的モデルを用いた農生態系の構造解明」
高林純示(京都大学生態学研究センター) - 「マイクロ波で駆動する木質バイオマスの再生資源化」
高谷光(京都大学化学研究科) - 「森林生態系を循環する土壌カルシウムの深さは、土壌酸性度傾度に依存するか?」
谷川東子((国研)森林研究・整備機構森林総合研究所) - 「海藻に含まれる生理活性物質の土壌における機能解析と農業利用」
辻元人(京都府立大学生命環境科学研究科) - 「インドモンスーン域における豪雨特性解明のための二種類の雨滴粒度計を用いた
国際共同研究」
寺尾徹(香川大学 教育学部) - 「ダイズのセシウム吸収関連遺伝子GmHAK5の評価」
二瓶直登(東京大学農学生命科学研究科) - 「MUレーダー実時間アダプティブクラッター抑圧技術の開発」
橋口浩之(京都大学生存圏研究所) - 「インドネシア産ウリン材の資源の持続性に関する調査および端材の有効利用が資源のライフサイクルに与える影響の評価」
渕上佑樹(三重大学生物資源学研究科) - 「構造均一化リグニンの酸化分解とその分解物の生理活性」
三亀啓吾(新潟大学農学部) - 「持続的な熱帯林業プランテーションにむけた生態系管理」
吉村剛(京都大学生存圏研究所)
ミッション専攻研究員 成果報告
- 「木材の流動成形における高度制御型化学処理手法の開発」
田中聡一 - 「Forest carbon sequestration, a contribution of forest to reduce C02 concentration in the atmosphere against global warming and climate change」
Tran Do Van - 「植物バイオマス由来抗ウイルス活性物質の探索」
應田涼太 - 「無衝突磁気リコネクションの運動論的研究」
銭谷誠司
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2017年12月19日作成,2018年4月19日更新