第342回生存圏シンポジウム
「放射線帯高エネルギー粒子加速に関する研究集会」
名古屋大学宇宙地球環境研究所共同研究集会
「ERG衛星の観測データを活用した電磁場・プラズマ波動解析ワークショップ」
SGEPSS波動分科会・内部磁気圏分科会/日本学術会議URSI分科会H小委員会
第9回ERGサイエンス会議/解析講習会
開催日時 | 2017(平成29)年3月1日(水)10:30–17:15~2日(木) |
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開催場所 | 名古屋大学研究所共同館 II 3F会議室(地図PDFのF3-8) |
主催者 | 京都大学生存圏研究所,名古屋大学宇宙地球環境研究所,ジオスペース探査ERGプロジェクト |
申請代表者 | 篠原育 (宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所) |
所内担当者 | 小嶋浩嗣 (京都大学生存圏研究所宇宙圏航行システム工学分野) |
関連ミッション |
ミッション3 宇宙生存環境 |
関連分野 | 太陽地球系科学。 |
概要
2016年12月に打ち上げられた「あらせ」衛星は放射線帯の高エネルギー電子加速のメカニズムを解明することを目的としている.「あらせ」衛星の観測が本格的に開始する前に,衛星観測,地上観測,モデリング研究の研究者が一堂に会し,「あらせ」衛星の初期立ち上げの状況報告,電子加速過程の観測に関する議論,そして解析データの講習会を実施した.
目的と具体的な内容
ジオスペースと呼ばれる地球周辺の宇宙空間では,高エネルギー電子捕捉帯である放射線帯が存在し,太陽風の変化に応じて,激しい消長を繰り返している.この放射線帯の電子の変動過程については未解明の部分が多く,特にプラズマ波動との波動粒子相互作用が加速,消失についての主要な役割を担っている可能性が指摘されているものの,また実証的な究明には至っていない.
本研究集会では,2016年12月にJAXAによって打ち上げられた新しい科学衛星「あらせ」の放射線帯内部での直接観測と,地上からの多点ネットワーク観測を組み合わせる手法を基本として,放射線帯電子の変動を解明するために必要となる観測戦略についての議論を行った.研究集会では,衛星の観測機器担当者,地上観測のPI,そして多くの研究者が参加し,「あらせ」衛星と地上観測の連携についての発表,討論が行われた.また,「あらせ」衛星が観測した最新のプラズマ波動や磁場データを用いたデータ解析講習会も実施し,今後,具体的な研究を推進するために開発が必要なツール等についての議論も行われた.
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
ジオスペースは,国際宇宙ステーションや多くの実用衛星が運用され,私たちの現代生活基盤を支える宇宙インフラが運用されている領域である.この領域に存在する放射線帯の高エネルギー粒子の変動は,しばしば衛星機の異常や故障を引き起こすため,その変動の理解と予測は,宇宙天気研究の中でも最重要課題とされている.本研究集会は,この高エネルギー粒子の変動を作り出す物理過程を究明するために,新しい科学衛星,および地上からのジオスペース観測をどのように戦略的に組み合わせて観測を実現するかという点に焦点をあてて開催されたものである.このような物理過程の理解を通して,宇宙放射線環境の予測へとつなげていくことで,人類の生存圏であるジオスペースをより安全に利用していくことに貢献することが期待される.
プログラム
3月1日
10:30–12:00 | 1) チュートリアル講演(天野) |
12:00–13:30 | 昼食 |
13:30–17:00 | 2) あらせ衛星の報告と磁気嵐における放射線帯電子の観測戦略 (途中 30分の休憩含む)
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17:00–17:15 | 3) 宇宙天気データについて 東尾 |
懇親会(ユニバーサルクラブ,地図PDFのD3-5) |
3月2日
09:30–10:30 | 4) 3–4月のキャンペーン観測のあらましと議論(含む 国際連携)
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10:30–11:30 | 5) 全体議論 |
13:00–14:00 | 準備セッション |
14:00 | SPEDAS 講習会 |
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2017年2月22日作成,2017年4月12日更新