第328回生存圏シンポジウム
熱帯バイオマスの持続的生産利用 —熱帯荒廃草原の植生回復によるバイオマスエネルギー生産と環境回復—(生存圏フラッグシップシンポジウム)(第2回熱帯荒廃草原の植生回復利用SATREPSシンポジウム)
開催日時 | 2016(平成28)年11月14日(月)8:30–16:00 |
---|---|
開催場所 | インドネシア共和国ボゴール市 |
主催者 | 生存圏研究所、インドネシア科学院(LIPI)、JICA/JST(SATREPSプロジェクト)、グローバル生存基盤展開ユニット(協賛)、JASTIP(協賛) |
申請代表者 | 梅澤俊明 (京都大学生存圏研究所森林代謝機能化学分野) |
関連ミッション |
ミッション1 環境診断・循環機能制御 ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用 ミッション3 宇宙生存環境 ミッション4 循環材料・環境共生システム ミッション5 高品位生存圏 |
関連分野 | 木質および生物資源の生産利用に関連する全研究分野。 |
概要
熱帯人工林フラッグシッププロジェクトの一環として2016年度より進めているJICA/JSTのSATREPSプロジェクトの進捗報告会を兼ねた国際シンポジウムであり、インドネシアにて開催した。アランアラン草原における植物相の回復、バイオマス生産に適する高発熱型イネ科バイオマス植物の開発、及び新規木質材料開発に関する研究成果発表を行い、LCA的観点を踏まえたプロジェクトの方向性について討議した。
目的と具体的な内容
インドネシアをはじめとする東南アジア諸国に広く分布する熱帯雨林伐採跡地の荒廃草原(アランアラン草原)の植生および環境回復と、バイオマス生産地への転換、さらに得られたバイオマスをエネルギーと新規材料として利用するための基盤技術開発を目指し、熱帯人工林フラッグシッププロジェクトの一環として、かずさDNA研究所、京都大学大学院農学研究科及びインドネシア科学院と共同でJICA/JSTのSATREPSプロジェクトを2016年度より進めている。本シンポジウムは、このプロジェクトの進捗報告会を兼ねた国際シンポジウムとしてインドネシアにて開催した。
本プロジェクトは、名古屋議定書の内容を尊重しつつ、遺伝子解析に基づく土壌肥料学技術を用い、アランアラン草原における植物相の回復を図る。また、アランアラン草原への植栽目的としたバイオマス生産に適する高発熱型イネ科バイオマス植物を代謝工学技術を駆使して開発すると共に、環境調和型接着技術を駆使し、同植物を活用した新規木質材料を開発することを目的としている。上記の研究成果に基づき、民間企業との連携による木質ペレット燃料生産及び環境配慮型内装用木質ボード生産の社会実装に向けた展開を目指す。本シンポジウムでは、プロジェクトのグループごとの研究成果発表を行い、LCA研究の専門家を交えて意見交換をし、プロジェクトの方向性について討議した。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
熱帯地域の荒廃草原の植生回復と持続的なバイオマスの利用に基づく、化石資源に依存しない再生可能な炭素/エネルギー循環社会の実現に向けた国際共同研究/開発を行っている。本シンポジウムは、当研究所における熱帯人工林フラッグシッププロジェクトを一層進展させ、国際共同研究の一層の活性化を果たすものであり、生存圏科学の確立にむけた当研究所の活動の基盤となるものである。バイオマス生産地の確立は容易ならざる課題であるが、熱帯林の大規模な伐採により生じた荒廃草原(アランアラン草原)がインドネシアを含む東南アジア諸国に広範に放置されている事実は注目に値する。アランアラン草原の放置は熱帯林環境保全の観点からも重大な問題となっており、この草原の環境回復とバイオマス生産農地へ転換するための基盤技術開発が、熱帯バイオマス資源の持続的生産とその応用利用に関する今後の研究に関連するコミュニティの形成に貢献できると考えられる。
なお、本シンポジウムは生存圏研究所とインドネシア科学院(LIPI)の共同開催で行われたHSS/ISSHと共開催され、インドネシアの多くの学生が参加し、生存圏研究所およびLIPIの講義も行われた。
また、本シンポジウムは、本学の生存基盤科学研究ユニットおよびグローバル生存基盤展開ユニットの協賛、JASTIPプロジェクトとの共催で行われ、生存研のアジアリサーチノードの活動の一環としても開催された。
プログラム
08:00–08:30 | Registration Secretariat |
08:30–08:35 | Opening MC |
08:35–08:50 | Welcoming Ceremony from Project Leader Dr. Didik Widyatmoko, M.Sc. |
08:50–09:05 | Opening Ceremony Deputy of Life Sciences LIPI |
09:05–09:15 | Speech from JICA Representative from JICA |
09:15–09:35 | Presentation from JST Representative from JST |
09:35–09:50 | Coffee break Organizer |
09:50–10:20 | Keynote Speaker I: Prof. Umezawa Prof. I Made Sudiana (Moderator) |
10:20–10:50 | Keynote Speaker II: Prof. Budi Mulyanto |
10:50–11:20 | Keynote Speaker III: Dr. Novizar Nazir |
11:20–11:40 | Discussion |
11:40–12:00 | Poster session |
12:00–13:00 | Break Organizer |
13:00–13:15 | Dr. Puspita Lisdiyanti Prof. I Made Sudiana (Moderator) |
13:15–13:30 | Dr. Hanano |
13:30–13:45 | Dr. Reni Lestari |
13:45–14:00 | Assc. Prof. Dr. Kobayashi |
14:00–14:20 | Discussion |
14:20–14:35 | Dr. Satya Nugraha |
14:35–14:50 | Prof. Umezawa |
14:50–15:05 | Prof. Subyakto |
15:05–15:20 | Mr. Sukma Surya K. |
15:20–15:40 | Discussion |
15:40–15:50 | Closing ceremony Organizer |
15:50–16:00 | Coffee break |
ページ先頭へもどる
2016年11月7日作成,2016年12月13日更新