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第309回生存圏シンポジウム
木質材料実験棟H27年度共同利用研究発表会

開催日時 2016(平成28)年3月18日(金)10:00–17:20
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 五十田博 (京都大学生存圏研究所生活圏構造機能分野)
関連ミッション ミッション 4 (循環型資源・材料開発)
関連分野 建築学、木質材料学、木材保存学、建築士、木造関連メーカー、林産、応用生命、炭素材料。

目的と具体的な内容

木質材料実験棟の共同利用研究における研究成果を発表することで、それぞれの研究テーマにおける深化および他分野との連携、また他分野からの刺激を授受すること、そして、研究の進め方やグループ作りなどについての意見交換を行うことを目的としている。

2015(平成27)年度に実施された21件の木質材料実験棟全国共同利用研究の成果発表会を実施した。一人当たりの発表時間を15分と設定していたが、議論が活発であったために、予定していた時間を超過する発表が多く見られた。分野としては、新素材材料や新規木質材料、燃料電池、住宅レベルから大型木造に関するまで、多岐に渡っており、発表者がお互いに理解度を上げられるように説明を工夫しており、大変面白い発表会となった。また、近年注目されているCLTに関する発表や、建物のリスク管理に関するような発表もみられた。少しずつ、新たな発表が増えてきている。

報告会における議論では、専門分野でない方からの質問などがあり、かみ合わない部分などもみられたが、詳しい説明を行うことで、異なる意見交換が行われ、研究活性という意味では良い機会になったと思われる。今後、分野間を超えた融合起こることに、期待したい。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生存圏科学のうち、循環型資源・材料開発のミッション4に関すること、エネルギー変換・利用のミッション2に関する発表が見られ、木や木材の使用方法はそれぞれの研究課題において異なるものの、様々な取り組みが発表されたことと分野を超えたディスカッションがおこなえたことで、生存圏科学の発展に寄与したと考える。

また、木質材料や木質構造に関する研究では、いますぐに利用・応用できる内容の発表から、まだこれからと思わせる発表も見られた。加えて、今年度は教育に関する発表もあり、新しい人材育成の面からも大変興味深いものとなった。また、木材のカスケード利用を考える上で重要となる、微細構造の調査などについても発表があり、それぞれ異なる研究対象であっても、良い意見交換がなされたと考える。また、多くの研究機関が参加していたため、今後の融合にも期待したいと考える。発表後には、意見交換をされている姿が見られ、木材を有効に利用していくための幅広いコミュニティの形成に貢献できたと考える。

プログラム

司会:北守顕久(京都大学生存圏研究所)
10:00–10:05開会挨拶
金山公三(京都大学生存圏研究所)
10:05–10:20酸性官能基と金属の導入による木質炭素化物のCO2吸蔵能の向上
畑俊充(京都大学生存圏研究所)
10:20–10:35京都府産木材の有効活用に関する研究
明石浩和(京都府農林水産技術センター)
10:35–10:50イオン液体を用いた木材処理技術に関する基礎研究
宮藤久士(京都府立大学大学院生命環境科学研究科)
10:50–11:05木質熱処理物のアルカリ土類金属存在下での金属錯体形成および金属錯体の帯電抑制条件に関する検討
本間千晶(北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場)
11:05–11:15休憩
司会:畑俊充(京都大学生存圏研究所)
11:15–11:30上津屋橋の維持管理を元にしたこれからの木橋の耐久設計に関する検討
渡辺浩(福岡大学工学部)
11:30–11:45割裂破壊モードを含めたラグスクリューボルト接合部のモーメント抵抗性能評価
小松幸平(京都大学生存圏研究所)
11:45–12:00住宅床下への木材劣化生物の侵入生態の把握とその予防に関する基礎的検討
簗瀬佳之(京都大学大学院農学研究科)
12:00–12:15木造耐力壁開発の予備研究
北守顕久(京都大学生存圏研究所)
12:15–13:30昼食
司会:清水秀丸(富山県農林水産総合技術センター)
13:30–13:45熱電変換材料の構造解析と物性評価
北川裕之(島根大学大学院総合理工学研究科)
13:45–14:00センダン材の熱処理加工適性の検討
村田功二(京都大学大学院農学研究科)
14:00–14:15住宅床下における銅板等の劣化抑制効果の検証
栗﨑宏(富山県農林水産総合技術センター)
14:15–14:30制振素材による木造住宅の耐力劣化抑制に関する研究
那須秀行(日本工業大学工学部)
司会:簗瀬佳之(京都大学大学院農学研究科)
14:30–14:45木質起源物質の微細形態・構造化と炭素変換
木島正志(筑波大学数理物資系)
14:45–15:00林産教育のための木質材料の簡易な製造技術の開発
東原貴志(上越教育大学大学院学校教育研究科)
15:00–15:15圧縮木材用いた面格子耐力壁に関する研究
清水秀丸(富山県農林水産総合技術センター)
15:15–15:35休憩
司会:森拓郎(京都大学生存圏研究所)
15:35–15:50ビスを用いた木質材料–金属材料接合部のせん断性能
松田昌洋(信州大学工学部)
15:50–16:05CLT(Cross laminated timber)を用いた中・大規模木造建築物の開発
中谷誠(宮崎県木材利用技術センター)
16:05–16:20CLT多数本打ちドリフトピン接合部の接合性能
中島昌一(宇都宮大学工学部)
司会:中谷誠(宮崎県木材利用技術センター)
16:20–16:35住宅における雨水浸入を想定した木材腐朽菌の定着及び進行速度の検討
土居修一(元筑波大学)
16:35–16:50木口挿入型接合具を用いた木材接合法の設計法の検討
田中圭(大分大学工学部)
16:50–17:05ピロディンによる木質接合部性能の推定手法確立
石山央樹(中部大学工学部)
17:05–17:20総括
五十田博(京都大学生存圏研究所:共同利用木質材料実験棟委員長)
17:30討論会

Symposium-0309
ポスター PDF ファイル (192 297 バイト)
ポスター制作: 森拓郎(京都大学生存圏研究所)

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2016年3月7日作成,2016年3月28日更新