第257回生存圏シンポジウム
第1回比良おろしワークショップ
開催日時 | 2014/03/27(木曜日) 14:00–17:40 |
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開催場所 | ピアザ淡海 (滋賀県立県民交流センター) |
主催者 | 比良おろし稠密観測・精密予測 産官学連携研究会、京都大学生存圏研究所 |
申請代表者 | 古本淳一 (京都大学生存圏研究所大気圏精測診断分野) |
関連ミッション |
ミッション 1 (環境計測・地球再生) |
関連分野 | 大気圏精測診断分野・レーダー大気圏精測診断分野 |
アクセス: JR東海道線 (琵琶湖線) 膳所駅徒歩12分 (京都駅から普通電車で約15分)
後援: 大津市教育委員会、一般社団法人日本気象予報士会関西支部、琵琶湖地域環境教育研究会
目的と具体的な内容
目的
近年、ゲリラ豪雨や竜巻・突風といった極端気象現象が増加の傾向にある。この研究集会では特に交通障害や地域の住民生活に影響を与えている突風災害(滋賀県の比良おろし)に着目し、自然科学的視点、社会科学的視点、地元住民の視点など様々な視点からこの突風現象について活発に議論、意見交換を行うことを目的とする。
内容
地元で長年にわたり気象観測を実施されている地元住民から比良おろしの住民生活への影響と地域の取り組みについてご講演を頂き、社会科学研究者から自然と共存できる地域社会づくりについて比良おろしをトピックにご講演頂いた。引き続き産官学連携の枠組みで進めてきた稠密観測の取り組み、高精度の気象予報モデルによる数値シミュレーション結果について講演を行い、比良おろしの実態解明と予測精度向上、そして地元住民への還元について議論・意見交換がなされた。このおろし風によって列車の遅延や運休が多発している交通機関からは列車の運行に的確な情報を提供したいこと、そのために必要な最適な観測配置やシミュレーションに求められる計算時間などについて議論が行われた。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
生存圏の中でも人間生活圏に直接影響を与えるこのおろし風について多角的視点からその実態を探ることで自然科学のコミュニティーにとどまらず、地元住民のコミュニティー、産業界のコミュニティーが共有できるあらたなコミュニティーを形成するきっかけとなった。
市民が科学に従属する旧来型の科学からの脱却、科学の知見を活用し市民が主体となる自分たちの生き方を決定づける社会創生、災害にしなやかに立ち向かい共存する社会を維持するためのイノベーションを生み出す科学といったように市民と科学の関係が大きく変化する中、本研究集会は産官学公が連携して災害に強い街づくりを実現するための第1歩になったと考えられる。
第 1 回比良おろしワークショップとして研究集会を実施したが、産業界や地元住民、他大学研究者からも継続してこのコミュニティーを維持し、研究集会を継続して実現してほしいという活発な意見が多く寄せられた。このことからもこの研究集会の重要性、発展性が期待できると考えられる。
プログラム
総合司会: 古本淳一 (京都大学生存圏研究所) | |
14:00–15:00 | テーマ1 比良おろしの住民生活への影響と地域の取り組み
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15:00–16:00 | テーマ2 稠密観測による比良おろしの詳細動態解明
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16:10–17:10 | テーマ3 予報精度向上への取り組み
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17:10–17:40 | 総合討論 |
ポスター PDF ファイル (1 350 185 バイト) |