第157回生存圏シンポジウム
第4回赤道大気レーダーシンポジウム
開催日時 | 2010/09/01(水) 13:30–18:30 - 2010/09/02(木) 9:30–11:50 |
---|---|
開催場所 | 京都大学宇治おうばくプラザ きはだホール |
主催者 | 京都大学生存圏研究所 |
申請代表者 | 橋口浩之 (京都大学生存圏研究所) |
関連ミッション |
ミッション 1 (環境計測・地球再生) ミッション 3 (宇宙環境・利用) |
関連分野 | 地球物理・気象・気候・リモートセンシング・情報通信 |
目的と具体的な内容
インドネシア共和国西スマトラ州に位置する赤道大気レーダー (EAR) は、2000 年度末に完成した大型大気観測用レーダーで、RISH では 2005 年 10 月から EAR とその関連設備の全国国際共同利用を行っている。本研究集会では、共同利用により得られた研究成果について報告・議論することを目的とする。
2005 年度に 22 件でスタートした EAR 共同利用は、近年は毎年 30 件前後の共同利用課題が実施され、活発な共同利用研究が実施されている。過去 3 回の本シンポジウムでは、毎回 30 件程度の口頭発表が行われ、共同利用研究者同士の活発な議論が展開されている。第 4 回を迎える本シンポジウムでは、MU レーダー 25 周年記念国際シンポジウムと連続開催し、一部の講演が同国際シンポジウムの方で行われたため、発表件数は 19 件と例年より少なかったが、全てが口頭発表で行われ、1 件当り 20 分の時間を取り、十分な議論を行うことができた。また、発表内容を記録に残すため、プロシーディング集を印刷・刊行した。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
本シンポジウムは、生存圏研究所が掲げる 4 つのミッションのうち、主としてミッション 1 「環境計測・地球再生」に、一部ミッション 3 「宇宙環境・利用」に関連するものである。生存圏研究所では、生存圏科学の重要地域の一つとして低緯度赤道域に注目し、大気科学の分野において、長年に渡ってインドネシアとの研究協力を進め、赤道大気レーダーを設置しインドネシア航空宇宙庁 (LAPAN) との協力のもとで運営している。本シンポジウムでは、赤道大気レーダーを中心として赤道熱帯域で進行中の生存圏科学に関する研究活動の活発な議論が展開された。また、共同利用者以外の参加者も多く、新たなEAR共同利用者の開拓が期待される。
プログラム
9月1日
(座長: 橋口浩之) | |
13:30–13:40 | あいさつ 赤道大気レーダー全国国際共同利用専門委員長 橋口浩之 (京大RISH) |
13:40–14:00 | ウインドプロファイラ観測に基づいたインドネシア海大陸の降水活動に関する研究 柴垣佳明・村上和也 (大阪電通大)・橋口浩之・田畑悦和 (京大RISH)・濱田純一・森修一・山中大学 (JAMSTEC)・下舞豊志・古津年章 (島根大)・深尾昌一郎 (福井工大) |
14:00–14:20 | 海大陸西部の降水経年変動とENSO・インド洋ダイポールとの関連 濱田純一・森修一・山中大学 (JAMSTEC)・Urip Haryoko (BMKG, インドネシア)・Fadli Syamsudin (BPPT, インドネシア) |
14:20–14:40 | X帯気象レーダーを用いた赤道域Ku帯衛星回線の降雨減衰統計の推定 宮本将佑・柴垣佳明・前川泰之 (大阪電通大)・佐藤亨 (京大情報学)・橋口浩之・山本衛 (京大RISH)・深尾昌一郎 (福井工大) |
14:40–15:00 | 温帯および赤道域における衛星回線降雨減衰統計の年変動特性 前川泰之・柴垣佳明 (大阪電通大)・佐藤亨 (京大情報学)・橋口浩之・山本衛 (京大RISH)・深尾昌一郎 (福井工大) |
15:00–15:15 | 休憩 |
(座長: 下舞豊志) | |
15:15-15:35 | 1.3-GHzウィンドプロファイラ及びTRMM降雨レーダーを用いた赤道インドネシアにおける降水日変化の観測的研究 田畑悦和・橋口浩之・山本真之・山本衛 (京大RISH)・山中大学・森修一 (JAMSTEC) |
15:35–15:55 | Estimation of Raindrop Size Distribution Profile Using EAR and BLR: Case Studies during CPEA-I Campaign Mutya Vonnisa・Toshiaki Kozu・Toyoshi Shimomai (島根大)・Hiroyuki Hashiguchi (京大RISH) |
15:55–16:15 | 赤道大気レーダーと偏光ライダーによる融解層およびその周辺の詳細構造観測 妻鹿友昭・山本真之 (京大RISH)・阿保真・柴田泰邦 (首都大)・橋口浩之 (京大RISH)・山中大学 (JAMSTEC)・山本衛 (京大RISH)・深尾昌一郎 (福井工大) |
16:15–16:35 | カリウム原子フィルターを用いた赤道対流圏の気温観測用ライダーII 阿保真・長澤親生・柴田泰邦 (首都大) |
16:35–16:50 | 休憩 |
(座長: 柴垣佳明) | |
16:50–17:10 | EARとラジオメータを用いた水の状態変化に関する研究 佐藤玄一・下舞豊志・古津年章 (島根大)・橋口浩之 (京大RISH) |
17:10–17:30 | 圏界面中間規模波動に伴う上層雲について 児玉安正 (弘前大院理工) |
17:30–17:50 | インドネシアにおける下部対流圏水平風~ウィンドプロファイラネットワーク観測と全球再解析データの比較~ 田畑悦和・橋口浩之・山本真之・山本衛 (京大RISH)・山中大学・森修一 (JAMSTEC) |
17:50–18:10 | 地球温暖化時のQBO 河谷芳雄 (JAMSTEC)・Kevin Hamilton (IPRC, Univ. Hawaii)・渡辺真吾 (JAMSTEC) |
18:10–18:30 | 海大陸COEの現状 山中大学 (MCCOE-PO/BPPT)・SATREPS-MCCOE研究班 (JAMSTEC, 京大RISH, BPPT, BMKG, LAPAN) |
9月2日
(座長: 西岡未知) | |
9:30– 9:50 | 東南アジア域GPS全電子数観測の現状と今後の計画 津川卓也 (NICT)・西岡未知・大塚雄一 (名大STE)・齊藤昭則 (京大理)・宇宙環境計測グループ (NICT) |
9:50–10:10 | 東南アジア電離圏観測網 (SEALION)の動向~チェンマイへの全天イメージャ導入と初期観測結果 久保田実・宇宙環境計測グループ (NICT)・大塚雄一 (名大STE)・Tharadol Komolmis・Siramas Komonjinda (チェンマイ大) |
10:10–10:30 | インドネシアにおける夜間F領域沿磁力線不規則構造のVHFレーダー観測 大塚雄一・塩川和夫 (名大STE)・小川忠彦 (NICT) |
10:30–10:50 | 休憩 |
(座長: 大塚雄一) | |
10:50–11:10 | 2010年2月のチリ中部地震に伴う電離圏全電子数の変動 西岡未知・大塚雄一・塩川和夫 (名大STE) |
11:10–11:30 | NICT衛星測位精度向上・利用促進プロジェクトの紹介 石井守・小山泰弘・長妻努 (NICT) |
11:30–11:50 | インドネシアの宇宙天気研究推進と体制構築:プロジェクト紹介とEAR観測体制について 山本衛・橋口浩之・山本真之 (京大RISH)・大塚雄一 (名大STE)・長妻努・津川卓也 (情報通信研究機構)・Sri Kaloka (LAPAN, インドネシア) |