第15回生存圏シンポジウム
保存処理木材の環境へのインパクト国際シンポジウム
生存圏における安全で健全な環境を実現するために
開催日時 | 2005/03/15(火曜日) 13:00–17:30 |
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開催場所 | 京大会館 |
所内担当者 | 畑俊充 (京都大学生存圏研究所居住圏環境共生分野) |
関連ミッション |
ミッション 4 (循環型資源・材料開発) |
関連分野 | 環境工学、超高層物理学、生存圏科学、木材保存学、林産工学。 |
目的・内容
ヒ素を含む化合物は毒性が高く、環境に害を及ぼす薬剤として世界中で問題を引き起こしている。しかし、世界的に製造が禁止されている現状においてもなお多くの蓄積があり、雨水などによって溶出したり、廃棄後も適切な処理がされずに放置されたり、燃やされたりしていることが問題となっている。生存圏科学を創生し、発展させて行く取組みの一つとして、毒性のある重金属やひ素を含む保存処理廃材の処理、有効的でかつ新しい方法を開発し安全な環境をいかに実現していくかという点をテーマに据えた国際シンポジュウムを開催した。
本シンポジウムでは、その優れた研究能力が世界的に高く評価され数々の国際的な賞を受賞している合衆国 Miami 大学 Solo-Gabriele 博士を迎え、合衆国における保存処理木材の環境へのインパクトについてお話を伺がった。氏は、研究代表者の立場で CCA 処理木材の研究をこれまで精力的に行い、会議やセミナーにおいて 80 件以上の発表を行ってきた。氏のもとで CCA 処理木材の人体への影響について研究を続けてきた柴田知行博士も迎え、あわせて環境工学、超高層物理学、生存圏科学、木材保存学、林産工学等の専門家および政府関係者による CCA 処理木材への取組みを紹介し、生存圏において安全な環境を実現するため世界規模で何がなしえるのかについて国際共同研究の可能性と今後の方向についても議論した。
プログラム
13:30–13:40 | 開催挨拶 生存圏研究所教授 今村祐嗣 (Yuji Imamura) |
Part 1 | 座長: 古屋仲秀樹 (CNRS CRMD) |
13:40–14:00 | 講演 CCA 処理木材中の薬剤成分の存在 (Distribution of arsenic fraction in solid residue of CCA treated wood) 畑俊充 (Toshimitsu Hata) |
14:00–14:20 | 講演 保存処理木材に由来するホウ素の環境内挙動 (Behaviour of preservative-originated boron in environment) 中山友栄 (Tomoe Nakayama), 吉村剛 (Tsuyoshi Yoshimura) |
14:20–14:40 | 講演 Usage pattern of CCA treated wood in India (インドにおける CCA 処理木材の使用実態) Tarakanada Bollineni |
14:40–15:00 | 講演 Non-Occupational Arsenic Exposures Associated with In-service and Recycled Chromated Copper Arsenate (CCA)-Treated Wood (使用中および再利用された CCA 処理木材にかかわる非職業的な砒素暴露) University of Miami, Department of Civil, Architectural, and Environmental Engineering 柴田知幸 (Tomoyuki Shibata) |
15:00–15:15 | 休憩(Break) |
Part 2 | 座長: 柴田知幸 (University of Miami) |
15:15–16:15 | 招待講演 Disposal and Management Options for Wood Waste Containing Metals-Based Preservatives (金属系保存剤を含んだ廃材の処理および管理選択) University of Miami, Department of Civil, Architectural, and Environmental Engineering, Professor Helena Solo-Gabriele |
16:15–16:35 | 講演 CCA 処理建築木材の排出量推計 (Estimation of CCA treated timber output from building sector) 森林総合研究所物性研究室長 外崎真理雄 |
16:35–16:55 | 講演 新規抽出方法による CCA 廃材の毒性緩和 ~溶液相を反応場とした無機合成の観点から~ (Solvent Extraction for Pollution Minimization of CCA-Waste Wood) 住友林業(株)筑波研究所 柿谷朋 |
16:55–17:15 | 講演 砒素により汚染された水環境の浄化 (Purification of Water Environment Polluted by Arsenic) CNRS ORLEANS 古屋仲秀樹 |
総合討論 (司会: 畑俊充) |
![]() | ポスター PDF ファイル (312 705 バイト) ポスター制作: 熨斗千華子 (京都大学) |