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第229回定例オープンセミナー
植物内在性二本鎖RNAによる自然免疫系活性化作用とその応用

開催日時 2018(平成30)年1月24日(水) 12:30–13:20
開催場所 総合研究実験1号棟5階 HW525
題目 植物内在性二本鎖RNAによる自然免疫系活性化作用とその応用
A plant derived dsRNA has local and systemic immune stimulatory capacities
発表者 羽者家宝 (京都大学ウイルス・再生医科学研究所分子遺伝学分野/博士後期課程)
関連ミッション ミッション4 循環材料・環境共生システム

要旨

新型インフルエンザウイルスやエボラウイルスなど、ウイルス感染は世界的に重要な問題であり、安全で安価な医薬品やワクチンの開発が求められている。

ウイルスなどの外敵に対抗する免疫機構は、二本鎖RNA(double-stranded RNA: dsRNA)などの外敵特異的な構造を認識することで誘導され、インターフェロン(Interferon: IFN)などの抗ウイルスタンパク質を産生する(下図)。一方、普段我々が口にしている米やピーマンなどの特定の植物には、病原性を持たないウイルスが共生していることが知られている。この植物内在性ウイルスゲノムdsRNAを食用の植物から抽出、投与することで人為的かつ安全に免疫機構を誘導し、ウイルス感染やその他の病気の予防及び治療に利用することを目的に我々は研究を進めている。

この講演では、自然免疫応答や植物内在性ウイルスについてなど、研究背景をまず解説する。そして、我々が明らかにした植物内在性dsRNA投与による自然免疫系活性化効果について示した後、トリインフルエンザウイルスなどのウイルス感染実験により明らかにした抗ウイルス効果やワクチンのアジュバントとしての効果について紹介する。更に、植物内在性dsRNAはウイルス感染に留まらず、腫瘍など、その他の応用にも有用であることを紹介する。

S0229_Hajake図 ウイルス感染による自然免疫系活性化機構

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2018年1月15日作成