第129回定例オープンセミナー資料
開催日時 | 2011/01/12(水曜日) |
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題目 |
木竹酢液の成分分析と生理活性評価 —抗ウイルス活性を中心として— Analysis and evaluation of wood and bamboo pyroligneous acids as antiviral agents |
発表者 | 西村裕志 (京都大学生存圏研究所・ミッション専攻研究員) |
関連ミッション |
ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用) |
要旨
地球温暖化などによる環境変動、グローバル化による人・動物・物の移動によりウイルスをはじめとした感染症のリスクが高まっている。木酢液、竹酢液はバイオマスの熱分解物であり、これまでに消毒や土壌改良剤、皮膚疾患への薬効や抗菌性が一部認められているが科学的な検証は十分ではない。本研究ではバイオマスから生理活性物質・生体防御物質を生産するという新しい研究領域を開拓することを目的とし、これまでにほとんど知見がない木酢液、竹酢液成分の抗ウイルス活性について検討を進めている。特に昨年来、日本、韓国をはじめ猛威をふるっている口蹄疫などの有害なウイルスの消毒薬を未利用バイオマスから生産することを視野に入れて、京都大学ウイルス研究所、秋田県立大学木材高度加工研空所と共同研究を開始した。講演では、木竹酢液成分の分析、ヒトやマウスの細胞毒性試験、抗ウイルス性試験の結果をもとに、木酢液、竹酢液の生理活性物質としての可能性について議論したい。