研究内容

ムラサキの花

 ムラサキは、日本山野に自生しているムラサキ科の多年草で、初夏から夏にかけて小さな花を咲かせる。シコニン系の赤色色素が取れるのは根で、花は白色。しかし現在では、レッドデータブックの筆頭に挙げられるほど、個体数が減少している。その原因としては、乱獲や環境の変化等が挙げられている。 栽培には数多くのノウハウが必要だが、播種して2年くらいまでなら、注意するべき点に気を配れば普通に育てることができる。ただ、薬用として価値の出てくる3年以上のものを育てるのは至難の業。最近では、発芽率も良く病気に強いセイヨウムラサキ (Lithospermum officinale L.) が「ムラサキ」の名で育てられていることが多いが、こちらは花がずっと小型で淡黄色を呈することなどから区別がつく。因みに、西洋では薬用茶などにして用いられることもある。