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第412回生存圏シンポジウム
NDACC サイエンスワークショップ in つくば
NDACC Science Workshop in Tsukuba

開催日時 2019(令和元)年10月17日(木)~18日(金)
開催場所 つくば国際会議場会議室(2019年10月17日)
国立環境研究所/気象研究所/高層気象台(2019年10月18日)
主催者 NDACC (Network for the Detection of Atmospheric Composition Change),国立環境研究所地球環境センター,名古屋大学宇宙地球環境研究所,京都大学生存圏研究所
申請代表者 中島英彰 (国立環境研究所)
所内担当者 塩谷雅人 (京都大学生存圏研究所大気圏環境情報分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 大気微量成分計測,大気化学。

概要

NDACCは、対流圏から中間圏の大気微量成分やエアロゾル等、地球大気の物質組成の観測をおこなう国際的な地上観測ネットワークである。このNDACCの運営委員会は毎年開催されているが、今回は平成11年に札幌-陸別で開催されて以来20年ぶりの日本での会合となった。運営委員会には世界第一線の研究者が集結するため、運営委員会開催の後、2日間にわたって日本の研究者が参加して科学成果および観測技術について運営委員会メンバーと情報交換し議論するための研究集会を開催した。

目的と具体的な内容

10月17、18日の両日にわたり、日本の研究者が参加して科学成果および観測技術について運営委員会メンバーと情報交換し議論をおこなった。第1日目(17日)には、NDACCデータに加えて国内独自のデータを用いたオゾンおよびオゾン層破壊物質の長期変動トレンドに関する研究成果、特に2018年に報告され大きな問題となったフロン(CFC11)排出量の予測値に対する増加傾向に関する追検証などの研究成果や、水蒸気および二酸化炭素等の人為的な温室効果ガスの長期変動に関する研究成果などの発表があった。さらにNDACCの公式測器としてデータを提供している国内の観測所(国立環境研究所、高層気象台、名古屋大学陸別・母子里観測所)における観測概要と各観測データから得られた最近の科学的成果等を紹介し情報交換をおこなうとともに、国内の各観測所のNDACC観測網における位置付けを確認しつつ将来計画についても議論した。

第2日目(18日)には、国立環境研究所のFTIR・UV計・ライダー施設、その後場所を気象研究所に移し3種類のライダー、さらに高層気象台ではオゾンゾンデ・ドブソン分光器・ブリューワ分光器などを見学した。また、過去の気象観測測器を展示している資料館を見学した。なお、運営委員会は当初10月14日から16日の日程で開催予定であったが、台風19号の影響で参加予定者の多くがフライトスケジュールの調整を余儀なくされ、会議スケジュールを一日半後ろにシフトすることで、15日の午後からの開催となった。しかしながら、われわれの企画した研究集会は少し規模が小さくなったものの、当初の講演予定者はすべて発表をおこなうことができた。なお、台風の影響で会場参加ができなかった講演予定者も、自国からTV会議システムを用いての発表とディスカッションをおこなった。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

NDACCがこれまでに蓄積してきたデータベースは地球環境や気候の変動の長期トレンドなどのサイエンスを研究する上で欠くことができないものとなってきており、今回の研究集会でおこなわれた議論を通して、たとえば日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の長期的な変動(ドリフト)の検証など、観測技術や観測データの質の向上が期待される。NDACCの運営委員会と同じ時期に開催したことで、世界中の大気観測の第一人者による専門性の高い質の良い議論がおこなわれ、温室効果気体等大気組成の変化や、オゾン層回復にともなう気候変化の把握と科学的理解、将来予測技術、化学組成やエアロゾルの観測技術に関する新しい研究成果が報告・論議された。また、2日目にはつくば地域の国内の観測施設を実際に訪問して実際の観測装置を見ながら研究成果の報告や議論をおこない、会議室の研究会では得られない高度な専門性を持った情報交換が可能となった。

生存圏研究所が設定している5つのミッションとの関連については、温暖化や大気質変動などのテーマを扱い、現象解明にあたっては衛星観測や各種リモートセンシングを使うこと、さらには大気組成の観点から化学的な興味も基盤にあることから、ミッション1「環境診断・循環機能制御」と密接に関連しているといえる。さらに、より高高度の電離圏と中性の大気の間の力学的な相互作用や波動や粒子によるエネルギーの流入が超高層大気および中層大気にどのような物理・化学的影響を与えるかについて、地上観測網、大型観測装置、衛星測器などの観測データから明らかにすることを目指していることから、ミッション3「宇宙生存環境」とも密接に関わっている。さらにNDACCコミュニティは科学的な成果を社会に還元していこうとする指向性も含んでおり、ミッション5「高品位生存圏」、その中でも特に5-1人の健康・環境調和(生理活性物質、電磁波、大気質)、5-3日常生活における宇宙・大気・地上間の連関性と関連している。

プログラム

October 17 (Thursday)

09:00Departure of a bus from the hotel to NIES
09:15Arrival at NIES (16-2 Onogawa, Tsukuba-City, Ibaraki, 305-8506 Japan)
09:30–09:40Welcome speech
Chiho Watanabe (President, NIES)
09:40–09:45Guidance about the workshop
Hideaki Nakajima (NIES)
09:45–10:00D. Hurst (NOAA/CIRES)
Anomalously High Water Vapor in the Northern Hemisphere Middle Stratosphere during Early 2019
10:00–10:15R. Weiss (SIO) and R. Prinn (MIT)
A Renewed Impetus for Expanding Global Trace-Gas Measurement Networks
10:15–10:30P. Wang (CAS)
Atmospheric Composition Detection Activities over China
10:30–10:45Coffee break
10:45–11:00I. Morino (NIES)
Total Carbon Column Observing Network —Activities operated by Japanese organizations and satellite data validation with TCCON—
11:00–11:15T. Matsunaga (NIES)
Latest status of GOSAT and GOSAT-2 project (tentative)
11:15–11:30Y. Terao (NIES)
Ground-based greenhouse gas observations by NIES (tentative)
11:30–12:30Lunch (at NIES)
12:30–12:45T. Sakai (MRI, JMA)
Lidar Research at MRI
12:45–13:00T. Nishizawa (NIES)
Aerosol and cloud observation using a network of ground-based lidars (AD-Net)
13:00–13:15R. Niimi (Aerological Observatory, JMA)
Introduction of Aerological Observatory and Meteorological Instrument Center
13:15–13:30M. Fujiwara (Hokkaido Univ.)
Some balloon sounding activities in Japan —SOWER, and contributions to SHADOZ and GRUAN
13:30–13:45Coffee break
13:45–14:00M. Shiotani
A Proposal for Satellite Observation of the Whole Atmosphere —Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder (SMILES-2)
14:00–14:15Y. Kanaya (JAMSTEC)
UV-vis Multi-Axis/Direct-sun DOAS observations around Japan and on Research Vessels
14:15–14:30A. Mizuno (ISEE, Nagoya Univ.)
Research activity and instrumental development for microwave measurements at Nagoya University
14:30–14:45T. Nagahama (ISEE, Nagoya Univ.)
Long-term monitoring of tropospheric and stratospheric trace gases using ground-based FTIRs in Japan
15:00–17:00Site Visit at NIES
FTIR (Morino), Lidar (Nishizawa), GOSAT (Matsunaga), UV-B (Nakajima)
17:00Departure of a bus from NIES to the hotel

October 18 (Friday)

09:00Departure of a bus from the Okura Frontier Hotel Epochal to MRI
09:15Arrival at MRI (1-1 Nagamine, Tsukuba, Ibaraki 305-0052, Japan)
09:15–09:45Site Visit at MRI
Lidar (aerosol, water vapor, ozone) (Sakai, Nagai)
09:45Move to Aerological Observatory
10:00–11:30Site Visit at Aerological Observatory
Dobson, Meteorological Instrument Verification Center, Observation Field (Narita, Abo, Mori, Ueno)
11:30Leave Aerological Observatory
11:45Drop off some people at Tsukuba Center Station
12:00Arrive at Okura Frontier Hotel Epochal

Symposium-0412

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2019年9月13日作成,2019年11月13日更新