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第253回定例オープンセミナー
癌セラノスティックスにおける最近の研究動向

開催日時 2020(令和2)年1月22日(水) 12:30–13:20
開催場所 総合研究実験1号棟5階 HW525
発表者 浅野麻実子(京都大学生存圏研究所・ミッション専攻研究員)
関連ミッション ミッション5 高品位生存圏

要旨

癌は、1980年以降日本人の死因の第一位である一方で、早期発見・早期診断により完治が可能な疾患である。その治療は、放射線療法や化学療法等、複数の治療法を組み合わせた集学的治療が主流である。また近年では、患者の病態に合わせた個別化治療が進歩し、副作用の大幅な軽減と効率的な治療が可能となった。更に、癌治療と同時に癌細胞の状態を確認・診断する「癌セラノスティックス」の開発が注目されている。

セラノスティックスは、治療(Therapy)と診断(Diagnosis)を組み合わせた造語である。治療と診断を同時並行で行うことから、治療の効率化やコストダウンに加えて、患者の生活の質(Quality of life, QOL)の劇的な改善が期待されている。具体例として、MRIやCT、PET等の画像検査と癌治療との併用や、光照射誘導ラジカルを用いる光線力学的療法を応用させた手法(フォトダイナミックセラノスティクス)、近赤外光イメージングと温熱療法を用いた手法等、幅広く開発されている。これらの開発において重要なのが、診断と治療という2つの役割を担うセラノスティックス製剤である。本製剤は、Drug Delivery System(DDS)技術を用いて設計され、例えば、抗腫瘍効果が付与された造影剤や、蛍光イメージング可能な抗癌剤等が開発されている。

演者は、マイクロ波癌治療とイメージング技術を組み合わせた癌セラノスティック製剤の開発を行っている(図 1)。本セミナーでは、近年の癌セラノスティック研究の動向を紹介するとともに、演者の研究内容についても概説する。

Seminar-0253_Asano図 1:マイクロ波を用いた癌セラノスティックスの案

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2019年7月19日作成,2019年8月7日更新