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第197回定例オープンセミナー資料
植物バイオマス由来抗ウイルス活性物質の探索

開催日時 2015(平成27)年9月16日(水)
題目 植物バイオマス由来抗ウイルス活性物質の探索
Antiviral compounds of plant biomass
発表者 成田亮(京都大学生存圏研究所・ミッション専攻研究員)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)

要旨

近年、光合成による植物資源が再生可能な持続資源として有望視されており、特に 95 % を占める木質・森林バイオマスから得られるバイオエネルギーや化成品が脚光を浴びている。注目すべきは、木質バイオマスを資源として利用する過程において産出される副次的な天然物もまた有用であることである。本研究では、木質バイオマスの熱分解産物、木竹炭を製造する際に副次的に得られ、かつ様々な活性を有する木竹酢液および植物の二次代謝産物であるシコニンやベルベリンといった天然化合物に着目し、それらの抗ウイルス活性を解析することを目的とする。

これまでの研究により、ヒノキならびにカラマツ由来の木酢液は、孟宗竹由来の竹酢液とは異なる活性物質を含有する可能性が明らかとなったことから、ヒノキ由来木酢液水溶性画分に含まれる抗ウイルス活性物質の探索を行った。これまでに、GC-MS によって数種類の化合物を同定することができたが、抗ウイルス活性物質の同定には至らなかった。

一方植物は、二次代謝産物として多様な天然化合物を生産している。その数は 20 万種を超すと言われ、未利用のリソースとしての期待は大きい。紫根の主成分であるシコニンには,創傷治癒促進作用,抗菌作用など幅広い薬理作用が近年報告されているが,シコニンの薬理作用の全貌や作用機序等の詳細な検討は未だ十分には行われていない。ベルベリンはキンポウゲ科オウレンやミカン科キハダなど植物界に広く分布するイソキノリンアルカロイドの一種であり、抗菌・抗炎症・中枢抑制・血圧降下などの作用が知られている。シコニンとベルベリンはどちらも安価かつ大量生産系が確立されていることから、本研究ではこれら天然化合物に着目し、これらの抗ウイルス活性を測定し、その作用機序を明らかにすることを目的とする。

S0197_Narita jpeg
図 1:本研究の概要図

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2015年9月3日作成