平成25年度京都大学森林科学公開講座 「人・木・森」

もくじ


台風27号接近に伴う京都大学森林科学公開講座の開催について

森林科学公開講座開催予定の26日(土)は、台風27号の接近が予想されています。そこで、26日(土)午前10時の時点で京都府南部に「暴風警報」「特別警報」が出た場合は、開催を中止させていただくことになりましたので、お知らせいたします。
(上記以外の警報の場合は開催いたします)
(ただし、26日が中止になった場合でも27日は開催いたします)

なお、台風による交通機関の影響で来られなくなった場合や、開催が中止となった場合のお支払いただきました受講料については、また後日ご連絡させていただきます。

当日は、荒天が懸念されますのでどうぞお気をつけてお越しいただきますようお願い申し上げます。

本件に関するお問い合わせ

京都大学森林科学公開講座担当事務局
TEL: 0774-38-3601
E-mail: shinrin-koukai+2013@rish.kyoto-u.ac.jp


京都大学生存圏研究所ならびに農学研究科森林科学専攻では、公開講座を開催します。本年は「人・木・森」をメインテーマに掲げ、私たちと木や森との深い関わりについて皆様と一緒に考えたく、幅広い分野と実習をご用意しました。多数のご参加をお待ちしています。

日時: 2013(平成25)年10月26日 (土) 14:00–17:20 ~ 27日 (日) 10:00–16:00
会場: 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階セミナー室
         所在地および地図 (http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/access.html)
定員: 70名 (申し込み先着順)
受講料: 5,000円 (1日のみの参加は3,000円)
共催: 京都大学生存圏研究所、京都大学大学院農学研究科森林科学専攻
対象: どなたでも参加できます。

申し込み方法

氏名(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号、希望される実習コースの番号(第3希望まで)、1日のみ参加の場合はその旨を明記の上、下記のいずれかの方法により公開講座係までお申し込み下さい。

  1. 電子メール
    返信を希望するメールアドレスを明記し、shinrin-koukai+2013@rish.kyoto-u.ac.jp までお送り下さい。
  2. 往復はがき
    返信を希望する住所宛名を返信用はがきに明記し、〒611-0011 京都府宇治市五ケ庄京都大学生存圏研究所事務室公開講座係までお送り下さい。

申し込み締切: 10月21日 (月)

申し込み・問い合わせ先

〒611-0011 京都府宇治市五ケ庄 京都大学生存圏研究所事務室 公開講座係
TEL: 0774-38-3601
E-mail: shinrin-koukai+2013@rish.kyoto-u.ac.jp

プログラム

10月26日(土曜日)

14:00–14:20 主催者あいさつ


14:20–15:20 「人との距離が縮まる動物たち」

高柳敦

野生動物は、かつては山の奥にいるものとされてきました。しかし、近年、農山村だけでなく、都市近郊にも野生動物が出没するようになってきています。昨年は、大文字山にクマが出て新聞などでも取り上げられました。このような変化が起きてきた背景には、いくつかの要因が考えられています。それらは、私たちと自然との関わり方の変化についても教えてくれます。野生動物が身近に出没する現象について紹介しながら、その対処方法、そして共存の在り方について一緒に考えたいと思います。

15:20–16:20 「熱帯のシロアリ-人間との多様な関わり合い」

吉村剛

シロアリは熱帯を代表する生き物です。木材害虫としての側面はもちろん重要ですが、アジアでは大きなシロアリ塚は精霊の住む場所として崇拝の対象となっています。また、土壌の中には土を食べるシロアリがいて、畑地の水はけを改善してくれます。さらに、キノコシロアリからはとても美味しいキノコが採集できます。興味深いことに、オーストラリアではシロアリ塚の分析から金の鉱脈を探すことも行われています。このようなシロアリと人間との関わり合いを通して、持続的な生存圏について考えてみたいと思います。

16:20–17:20 「伝統文化を支える京都の森」

深町加津枝

京都では、豊かな自然を基盤にした伝統文化が育まれ、ユネスコ世界遺産に登録された「古都京都の文化財」では、建築と庭園設計の集積についての高い評価がなされています。このような文化財は周辺にある森と長年にわたる密接な関わりがあり、京都三山の森が重要かつ不可欠な景観構成要素となってきました。一方、豊かな自然が身近にあるものの、森と人々の生活や生業との関わりは希薄になり、森の姿や文化財との関わりも変化してきました。歴史を振り返りながら、「古都京都の文化財」を支える身近な森のこれからについて考えたいと思います。


10月27日(日曜日)

10:00–11:00 「木質文化財の樹種調査からみえること」

田鶴寿弥子

博物館などで木製文化財を目にした時、みなさんは何に注目しますか?形・色・風合い、たくさん重要な観点がありますが、材料つまり木材の樹種も日本人の木材選択における歴史を語る上で欠かせない観点です。木材の樹種調査では、光学顕微鏡観察が従来から行われてきました。しかし、文化財の調査では、健全かつ適度な大きさの試料を得ることが困難な場合も多くあります。そこで、近年、放射光を用いたマイクロ CT という手法を使って識別を行っています。その識別調査からみえてくることをご紹介したいと思います。

11:00–12:00 「住宅の居住性 —省エネで湿気を減らす—」

師岡敏朗

木材は生物体であることをやめた後も、さながら生きて呼吸するかのように、水分を吸ったり、はいたりしています。木材を住宅の内装材料に用いると、機械空調に頼らずに、室内の過剰な湿気の抑制や、過乾燥状態を防ぐ効果、即ち、調湿効果が期待されます。本講義では、材料の調湿機能を表す適当な指標を考えるとともに、木材の調湿機能をより高める方法を紹介します。


13:30–16:00 

いずれか1種目を選択。いずれも材鑑調査室見学(約30分)あり。

  1. レンズで覗いてみよう木の世界 (定員30名)
  2. 萬福寺で見る「人・木・森」のつながり (黄檗山万福寺見学、拝観料は個人負担、定員20名)
  3. シロアリという生き物を解剖する! (定員20名)

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