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2008(平成20)年度萌芽ミッションプロジェクト 11

研究課題

スペースデブリ・地球接近小惑星環境計測のための軌道制御

研究組織

代表

宏 (生存圏研究所)

共同研究者

研究概要

軌道上に打ち上げられる衛星の数の増加に伴い、打ち上げに使われたロケットや役割を終えた人工衛星の残骸あるいは断片が地球周辺の軌道上に放置されています。これらの不要な人工物はスペースデブリと呼ばれ、その数は年々増え続けています。平均速度が約 10 km/s という高速で飛んでいるため、衝突の際のエネルギーは 1 cm 程度の小さなデブリであっても相当なものとなり運用中の宇宙機に衝突して大きな損傷を与える可能性があるため、スペースデブリは人類の宇宙空間における活動にとって危険なものとなりつつあります。また、地球近傍には地球接近小惑星(Potentially Hazardous Asteroids, PHA)と呼ばれる、地球に接近する軌道を持つ小惑星が多く存在しますが、PHA の中には、将来、地球と衝突する可能性がゼロではないものも存在し、地球に大きな被害を及ぼす可能性があります。

近年、これらの問題に対して様々な観点から研究が行われていますが、本研究ではデブリや小惑星を宇宙空間での観測探査ミッションを対象とします。宇宙機の軌道近傍には複数のデブリや小惑星が存在すると考えられますが、これまでの軌道制御の研究では、一台の宇宙機による複数の軌道へ軌道移行問題の研究を行った例は非常に少なく、萌芽的な段階にあります。このような背景から、本研究では、低軌道上のスペースデブリあるいは小惑星を探査する際に必要となる接近、ランデブーのための軌道制御法の構築を目指します。

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