講演内容

簗瀬佳之(林産加工学分野)

「森の掃除屋さん"シロアリ"
   −森林におけるシロアリの生態と役割−」

簗瀬先生写真

私たち人間の住まいにとっては大敵であるシロアリ。しかし、落ち葉、枯死木、枯れ草などの「森林のゴミ」を処分する「森のお掃除屋さん」と言われるほど、森林環境の保全に貢献しています。そのシロアリの森林での生態や役割などをわかりやすく紹介します。



高柳 敦(森林生物学分野)

「森に生きる動物と私たち −ツキノワグマを例に−」

高柳先生写真

ツキノワグマは森林を代表する大型野生動物です。ツキノワグマは人を襲う怖い動物と思っているかもしれませんが、実は、主な食べ物は植物です。中でもドングリ類が大変重要な食べ物で、落葉広葉樹林の林は、とても重要な生息環境です。一方、初夏には造林木の皮を剥ぐクマ剥ぎと呼ぶ行動が見られ、造林木が枯れてしまうこともあります。このように、クマと森林は相互に大きな影響を及ぼしています。そのような両者の関係についてお話しします。

矢野浩之(生物機能材料学分野)

「ナタデココとナノテクノロジー
     −セルロース食材からナノマテリアルへ−」

矢野先生写真

デザート食品として独特の触感が楽しまれているナタデココ。実はバクテリアが作る、鋼鉄の5倍も強い高強度のセルロースナノファイバーです。このナノファイバーを使って、ポスターのように曲げられるテレビのディスプレー材料を作る試みについて紹介します。

柴田昌三(フィールド科学教育研究センター)

「竹を食べる −竹を口にする人間や動物の話−」

柴田先生

「竹を食べる」と聞いて何を想像するだろうか。我々が竹を食物としてみる時、想像するのは間違いなくタケノコであろう。そして、竹を食べる動物は?と聞かれると、パンダが思い浮かぶだろう。講演では、竹を食べる動物たち、そして、竹の繊維を食べようとしている人間の話などを通して、竹の食物としての有用性を考えてみたい。

本田与一(バイオマス変換分野)

「森を食べるキノコ・キノコを食べる人
          −エネルギー循環の視点から−」

本田先生写真

秋の味覚の王様といえば、「マツタケ」と答える方も多いかも知れません。森の中で、主に樹を育てたり枯れ木を分解したりして暮らしていいるキノコを、我々は古来より食用や薬用として利用してきました。最近では、木を腐らせるキノコの力を借りて木材からバイオエタノールを作る研究がされています。森を食べるキノコと、キノコに学ぶエネルギーの循環について考えてみませんか?

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