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第274回生存圏シンポジウム
木の文化と科学XIV
The 274th Symposium on Sustainable Humanosphere
Wood Culture and Science XIV
—木材標本からはじまる文理融合・学際科学—
Wood collection stimulates interdisciplinary research between literature and science

日時・場所

日時: 2015(平成27)年2月23日 (月) 14:30–17:00
         February, 23rd, 2015, 14:30–17:00
場所: 京都リサーチパーク西地区4号館2階ルーム1 (京都丹波口)
         Kyoto Research Park, Room 1
主催者: 京都大学生存圏研究所バイオマス形態情報分野
申請代表者: 杉山淳司 (京都大学生存圏研究所バイオマス形態情報分野)
所内担当者: 杉山淳司・田鶴寿弥子 (京都大学生存圏研究所バイオマス形態情報分野)

関連ミッション

関連分野

木材科学、博物館科学、文化財科学、考古学、分析化学。

目的と具体的な内容

木材の専門家のみならず、地球惑星科学(太陽活動、気象)、文化財科学(劣化、診断、保存)、歴史学(交流、交易、加工技術)、建築学(木造、耐震)、先端分析化学(放射光)などを専門とする研究者を一同に会し、異分野交流を進めることによって次世代を担う研究者による文理融合、学際的な研究発展を促すことを目的とする。

本年度は、九州国立博物館より今津節生氏を招いて基調講演をお願いした。同氏は長年文化財の保存と保修に携わられ、特にX線CT装置を利用した「文化財の健康診断」の第一人者である。「診断」の重要性や、「診断」による新しい発見など、興味深いお話を提供頂いた。続いて、京都大学生存圏研究所の小林加代子氏により、材監調査室の木材データベースの利活用の一例として、九州国立博物館で収集される X 線 CT 画像から樹種を特定する方法論に関する最新の成果が発表された。最後に、北海道大学佐野雄三氏より、北海道地域における、遺跡出土材の樹種識別による植生史的考察が報告され、木材標本の重要性が指摘された。木材標本データベースをいかに利用していくかを考える意味で大変有意義な意見交換がなされた。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

森林が「守り育てる」ものから「持続的に循環利用する」ものへと、大きくパラダイムシフトしている。そのような時に、古代から木材を最大限に利用し、森林資源国家として発展してきた「日本人と木の文化」に関する様々な知識や情報を共有し、教育や研究の中に活かすことが益々重要になってきている。

生存圏研究所が推進する生存圏データベース全国共同利用ならびに生存圏ミッション新領域「千年居住圏」関連研究に関わる。学際共同研究、文理融合研究、国際共同研究に発展する異分野の研究者交流の場としても役立っている。

プログラム

14:30はじめに
杉山淳司 (京都大学生存圏研究所)
Junji Sugiyama (Kyoto University)
14:40–15:30X線CTを用いた木質文化財の健康診断
Health diagnosis of wood cultural property using X-ray CT
今津節生 (九州国立博物館)
Setsuo Imazu (Kyushu National Museum)
15:40–16:10画像認識による文化財の自動樹種判定システム
Automated Identification system for culturally important wooden artifacts by image recognition
小林加代子 (京都大学生存圏研究所)
Kayoko Kobayashi (Kyoto University)
16:20–17:00北海道における遺跡木材の識別と木材データベース
Identification of archeological wood in Hokkaido and wood database
佐野雄三 (北海道大学農学部)
Yuzo Sano (Hokkaido University)

Symposium-0274ポスター PDF ファイル (2 895 334 バイト)
ポスター制作: 杉山淳司 (京都大学生存圏研究所)