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全国共同利用化に向けた第1回生存圏シンポジウム
生存圏における木質の循環解析

日時・場所

日時: 2004(平成16)年10月13日 (水) 13:30–16:30
場所: 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
担当者: 川井秀一 (京都大学生存圏研究所循環材料創成分野)

目的・内容

生存圏において、森林は有機物を生産して、地表付近の炭素・水・酸素循環の重要な一翼を担い、環境保全の機能と共に、再生可能な木質資源供給の役割を果たしている。熱帯域における早生樹の産業造林は、持続的、循環的な木材資源の生産基盤として期待され、地元住民の経済活動や福祉に大きく貢献している。反面、大規模一斉植林による生物多様性の減少の危惧に加えて、栄養塩・無機物の林地からの収奪など地域環境への負荷による木材生産の持続性について懸念されている。

本シンポジウムは、インドネシア・スマトラ島に広がる 19 万ヘクタールのアカシアマンギウムの大規模一斉造林地をフィールドに、地域環境と調和する木質の持続的・循環的生産システムの構築を目指し、総合的・融合的な圏間科学に関する情報交換を行うことを目的とした。すなわち、1) 広大な人工林の動態を衛星観測、大気観測により俯瞰的に把握し、2) そこで行われる木質生産を土壌、森林および大気間の炭素、酸素、水蒸気などの物質循環を精査し、3) 物質フロー解析やライフサイクル評価による環境負荷影響評価を行い、4) 地域の環境と木材の生産を維持するための技術開発およびその最適化を図る研究を進展させた。

関連ミッション

関連分野

生存圏科学、林学・林産学、森林科学、気象学、大気科学、リモートセンシング、物質フロー・環境影響評価。

プログラム

挨拶・講演


特別講演


プロジェクト講演
「インドネシア・スマトラ島におけるアカシア大規模一斉造林地をフィールドとした木質の持続的・循環的生産と利用」

  1. プロジェクトの概要
    川井秀一 (京都大学生存圏研究所)
  2. 大規模造林地を俯瞰する —衛星画像分析の応用—
    木村年成 (京都大学生存圏研究所)
  3. アカシア大規模造林地における大気観測の可能性
    中村卓司 (京都大学生存圏研究所)
  4. 樹木のストレス診断と森林圏計測の接点を求めて
    黒田宏之 (京都大学生存圏研究所)
  5. アカシア樹皮タンニンの商品化
    稲井淳司 (越井ウッドソリューションズ(株))
  6. Utilization of acacia timber as a structural building material for low-cost housing
    Anita Firmanti (Institute for Human Settlement, Indonesia)

Symposium-0001ポスター PDF ファイル (360 839 バイト)
ポスター制作: 熨斗千華子 (京都大学)