京都大学生存圏研究所 材鑑調査室

 

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そのほかの標本

材鑑調査室では、研究に用いる材鑑標本のほかにも様々な木材に関連する資料を収集し、展示しています。ここではそれらの資料についてご紹介いたします。

珪化木

木材が地層中に埋もれている間に、二酸化ケイ素をたっぷり含んだ地下水が木材組織にしみこみ、何万年もの間にセルロースなどの木材成分が失われて、樹木が原型を変えずに二酸化ケイ素(シリカ)という物質に変化したものをいいます。
展示室にある標本は、インドネシア・ジャワ島のボゴール近郊から産出したもので、地層の年代から推定すると今から160万年から500万年前のものとされています。 この標本は、組織観察によりフタバガキ科(Dipterocarpaceae)の木材であることがわかっています。

材化石

現生の木材成分(セルロース・ヘミセルロース・リグニン)を残した状態で発見された、樹木由来の遺骸である。
展示室にある標本は、黒い色をしているが、炭でも石炭でもなく材化石と呼ばれている。
これは大阪平野の地下33M、難波累層から採取されたクヌギの材化石である。
放射性炭素による年代測定の結果、およそ1万年前(10900±140yBP)のものとわかった。
このように古い地層からは材化石が出土することがあり、その時代の植生などを復元する研究試料として利用されている。