・森林圏における大気観測に関する研究 |
本研究では、熱帯域における森林と大気の相互作用を衛星データや地上リモートセンシング装置を用いて調べることを目的としている。また、今まで生存圏研究所において培ってきた大気リモートセンシング技術を森林圏に適応することにより森林上空の大気状態を詳細かつ精密に測定する新しい観測技術の開発を行っている。本研究では水温の高い海域に囲まれた多雨領域であるインドネシア周辺の降雨特性はエルニーニョやインド洋ダイポールなどグローバルスケールの気候変動に大きく影響を受けており、その気象変動と森林状態の関係は森林状態にも大きく影響を及ぼしていると考えられる。衛星データによる過去20年の植生データ(正規化植生指数(NDVI))を降雨量データと比較解析することにより、エルニーニョにともなう降雨特性とNDVIの間の相関があることを見出した。また、信楽MU観測所に既存の小型ラマンライダーを可動化させることにより森林上空での水蒸気、温度の観測を可能とするための研究開発を推進している。本年度は本ラマンライダーを車載化させることにより機動観測を可能とさせ、試験的観測をおこなうことにより可動観測を実証した。。
|