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第289回定例オープンセミナー
ミリ波でみる大気と宇宙

更新日: 2022/10/14

開催日時 2022(令和4)年10月26日(水) 12:30–13:20
開催場所 オンライン(Zoom)
発表者 田島治(京都大学大学院理学研究科物理学第二教室)
関連ミッション ミッション3 宇宙生存環境

聴講希望の方は、下記Zoom参加登録用Googleフォーム・アドレスからご登録ください。
https://forms.gle/J8ktcf7EmBZRpiu2A
ご登録ができない方は、ご所属、お名前、連絡先等記してメールにてお問い合わせください。
オープンセミナー事務局: openseminar@rish.kyoto-u.ac.jp
開催日当日午前10時までにご連絡ください。

要旨

ミリ波は波長数mmの光であり、車載レーダーや第5世代通信の発展によって身近な技術となってきた。このミリ波帯域で空を見上げれば、大気や宇宙について可視光とは異なる情報が得られる。宇宙マイクロ波背景放射(Cosmic Microwave Background略してCMB)は最も遠く、最も過去から地球に到来するミリ波であり、その起源は「ビッグバン」と呼ばれる宇宙初期の超高温状態の熱放射線である。CMBを精密に観測することによって、宇宙のはじまりについて研究できる(図1)。一方、宇宙よりも手前にある大気放射をミリ波で観測することによって、水蒸気量のモニタリングが可能である(図2)。局所的な水蒸気量の増加は、竜巻やゲリラ豪雨といった突発的気象災害の「予兆の予兆」とも言える兆候であり、ミリ波センシングは気象予測にも有益である。

もっと近くにあるミリ波発生源にも目を向けてみると、CMB観測とは異なるアプローチで宇宙の謎に迫る研究テーマもある。実は銀河重力の大半は「ダークマター」と呼ばれる謎の物質が占めていることが分かっており、我々の身の回りにある。しかしながら、我々はそれを認知することも検出することも出来ていいない。このダークマターの検出を試みる技術としても、ミリ波センシングは注目されている。

本セミナーでは、自然界から発せられるミリ波の計測を通じて行う宇宙や大気などの研究や技術を紹介する。

Seminar-0289_Tajima 1図 1:Planck実験が観測した全天のCMBマップ(差分強度分布図)。温度ゆらぎを色のコントラストで表現し、偏光パターンを線の向きと長さで表現してある。Credit:ESA/Planck collaboration

Seminar-0289_Tajima 2図 2:ミリ波帯域における大気の減衰率

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2022年10月14日作成

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