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第478回生存圏シンポジウム
第16回赤道超高層大気国際シンポジウム

更新日: 2022/10/12

開催日時 2022(令和4)年9月12日(月)~16日(金)
開催場所 京都大学宇治キャンパス宇治おうばくプラザ(Zoomハイブリッド開催)
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 横山竜宏 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
所内担当者 横山竜宏 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
山本衛 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 レーダー大気圏科学分野。

Webサイト: https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/isea16/

概要

令和4年9月12日から16日にかけて、第16回赤道超高層大気国際シンポジウム(ISEA-16)を宇治キャンパスおうばくプラザとzoomのハイブリッドとして開催した。現地参加者70名、zoom参加者63名であり、海外からの現地参加者は44名であった。

目的と具体的な内容

地球の超高層大気(高度100–1000 km)は、太陽からの強力な紫外線の影響を受けて、大気の一部が電離した状態(プラズマ)で存在しており、電離圏と呼ばれている。高精度、高信頼度の全球測位衛星システム(GNSS)の利用が急速に発展し、電離圏による電波の伝搬遅延の影響は、要求される精度に対して相対的に大きくなっている。特に赤道域では特殊な地理的特性から、赤道域特有の現象が多く発生し、それらは電波伝搬に非常に大きな影響を及ぼすことが知られている。

本研究集会(以下ISEA)は、3-4年に1度各国持ち回りで開催される集会であり、今回で16回目の開催となった。第1回は1962年にペルーで開催されており、今回は60年目の開催となる。赤道超高層大気に関する話題を中心に全て単セッションで5日間開催し、133名が参加した。大規模な国際学会等はセッションが細分化されているため、特定の話題について集中的に議論を深めることが難しい。ISEAは単セッションによる集会かつ比較的少人数の開催であって、赤道・低緯度域の超高層大気の科学を集中的に取り扱う。そのため現象の理解、議論の発展、人的交流が促進され、今後の国際共同研究等の立案に至ることが期待される。生存圏研究所では、大型のレーダーを新設するための計画を提案しており、「太陽地球系結合過程の研究基盤形成」としてマスタープラン2020に採択されている。日本における活発な研究活動を世界に向けて発信し、マスタープランの実現に向けた弾みとなった。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

電離圏は、地球大気の最上端でありながら、宇宙空間の最下端とも言える遷移領域であるため、中性、プラズマそれぞれの物理現象が複雑に混在し、未解明な現象が多く残されている。また、電離圏高度は国際宇宙ステーションや多くの人工衛星が飛翔する領域であり、電離圏における物理・化学過程の正確な理解が不可欠である。本研究集会は、ミッション3「宇宙生存環境」とミッション5-3「高品位生存圏:日常生活における宇宙・大気・地上間の連関性」に密接に関連していると言える。また、「宇宙生存環境」を計測するための大型大気レーダー技術は、ミッション1「環境診断・循環機能制御」によるものである。本研究集会は、生存圏科学を海外にアピールできる絶好の機会であった。近年、多くの国際会議がバーチャル開催であったが、ようやく海外からの参加者を迎えた国際会議の現地開催が可能となり、44名の海外からの現地参加者を集めることに成功した。滞っていた海外との研究交流活動を再開することで、研究者間で新たな知見を共有し、現象の理解を深めることが可能となった。赤道電離圏は衛星電波の伝搬に大きな影響を及ぼすことから、生存圏研究所においても、赤道大気レーダーを中心とした観測ネットワークを構築し、赤道プラズマバブルの時空間構造や発生原因の解明に乗り出している。本研究集会を日本で開催することで、宇宙天気予報サービスの向上や、精密衛星測位の精度向上と利用促進にも貢献できたと考えられる。また、日本が展開する観測ネットワークや研究活動を世界にアピールすることで、生存圏研究所が中心となってインドネシアに建設を計画している大型レーダー「赤道MUレーダー」の計画実現に向けて、海外からの強力なサポートが得られることが期待される。日本が展開する東南アジア地域観測網を、世界における一大観測拠点としてアピールし、各国との共同研究をさらに強化するための端緒としたい。

Symposium-0478
ポスター PDF ファイル (1 356 002バイト)

Symposium-0460a

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2022年9月14日作成,2022年10月12日更新

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