MUレーダー

MUレーダーは中層大気(Middle Atmosphere)と 超高層大気(Upper Atmosphere)を 観測するための大型レーダーです。 共同利用装置として内外の研究者に利用されています。

MUレーダーの主な諸元
方式 モノスタティック・パルスレーダー
周波数 46.5MHz
帯域幅 1.65MHz
アンテナ開口面積 8,330m2
ビーム幅 3.6度
送信電力 1MW(尖頭値)
50kW(平均値)
パルス反復周波数 2.5kHz以下
パルス幅 1-500μsec(可変)
受信ダイナミックレンジ 70dB
受信帯域幅 1.65MHz
偏波面 直交2偏波(円偏波合成可能)
MUレーダーアンテナ面より観測棟を望む

MUレーダーの特徴

MUレーダーでは、各アンテナ素子に取り付けた合計475個の 半導体小型送信機 (TRモジュール)群で送信を行います。 これにより

MUレーダー送受信ブース内

MUレーダーのために開発された半導体小型送受信機 縦 55cm × 横 60cm × 厚さ 14cm

MUレーダー実時間データ処理システム

MUレーダーの大幅な機能向上を目指して、 平成5年3月にMUレーダー実時間データ処理システムが設置されました。 これにより、

上記の特徴によって、多ビーム/干渉計観測などの新しい観測法の 開発における自由度が飛躍的に向上しました。

実時間データ処理システム

MUレーダーとともに、信楽MU観測所には次のような観測設備があります。

流星レーダー 流星が大気圏に突入する際に生じる電離した飛路の運動から 高度80-110kmの風速を観測します。
境界層レーダー MUレーダーの技術をもとに開発した小型可搬のL-バンドの レーダーで、高度3-4km以下の大気を観測します。
二周波レーダー 5および14GHzの二周波の電波を用いて雨滴を観測し、 その強度差から電波の降雨減衰などを推定します。
アイオノゾンデ 短波帯の電波を垂直に打ち上げ、電離層よりの 反射波を解析して電子密度の高度分布を観測します。
その他の装置 実時間データ処理システム・RASS・電波干渉計・ 係留ゾンデ・ラジオゾンデ・降雨強度計・気象衛星受信機・ GPS受信機・地上気象観測装置

アイオノゾンデ

境界層レーダー

ラジオゾンデ観測