Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2018(平成30) 年度 生存圏科学 ミッション研究 11

研究課題

大規模木質構造における大型木質面材の吸放湿性能とその構造性能へ及ぼす影響

研究組織

 代表者 北守顕久(京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 拓郎(広島大学大学院工学研究科)
関連ミッション
  • ミッション4 循環材料・環境共生システム

研究概要

大きな寸法のマスティンバーを用いた大規模木造建築が注目されている。木材を構造部材として大量に有効活用することは温暖化ガス削減につながるなど地球環境問題への貢献が期待でき、資源循環型社会基盤の構築を目指す生存圏科学とのつながりも大きい。マスティンバー建築では施工の合理性や強度特性の利点から大型の面材を使用することが多く、それら面材をRC、鉄骨構造と組みあわせる混構造として注目されている。さらに混構造建築では高い接合剛性の必要性から接着接合などで木質部材と異構造部材を接合する事も多い。申請者らも耐震補強工法として、RCまたは鉄骨フレームにCLTパネルを挿入する構面の開発を進めてきた(図 1)。

一方で木質面材は周囲の湿度変動によって吸放湿し、その結果寸法変動を生じる。マスティンバーにおける大断面部材でどの程度含水率変動が生じるのか明らかなデータは存在しないが、仮にある程度の変動が認められる場合、長尺の部材では絶対的な端部の変位が大きくなる。このとき端部が接着接合等高い剛性の接合をされている場合には、変形に伴う二次応力が大きくなることが予想され、強度性能に悪影響を及ぼす可能性は無視できない。

そこで本研究では①マスティンバーにおける周囲湿度変動がどの程度の含水率変動をもたらすのか実測により明らかとし、②その結果として生じる部材端二次応力の発生と大きさの推定を接合形式ごとに評価する。具体的には温湿度制御型チャンバー内で、周囲湿度を周期的に変動させた環境下でCLTなどの大型木質パネルの含水率変動(図 2)や寸法変動を連続的に計測し、部材に生じる二次応力や、接合部に発生する力を実測する。本研究により、マスティンバー建築物における木質部材および接合の長期的な二次応力発生メカニズムを明らかとし、将来的に接合耐力への影響を踏まえた知見を得ることを目標とする。

北守顕久: 2018(平成30)年度生存圏ミッション研究 図 1図 1:木質パネル(CLT)によるRCフレーム補強工法の事例

北守顕久: 2018(平成30)年度生存圏ミッション研究 図 2図 2:電気抵抗式含水率自動計測データロガー

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2018年8月8日作成

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