Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2016(平成28) 年度 生存圏科学 ミッション研究 25

研究課題

自由対流圏における新粒子生成過程に関する研究

研究組織

 代表者 三浦和彦(東京理科大学理学部)
 共同研究者 矢吹正教(京都大学生存圏研究所)
岩本洋子(東京理科大学理学部)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

人間活動が発生する二酸化炭素の増加が地球温暖化の原因であることは明らかであるが、大気エアロゾル粒子は雲の寿命、放射特性を変えることで冷却化に働く可能性が示された(IPCC2013)。しかし、科学的理解の水準は低く、さまざまな場所での雲生成過程を調査する必要がある。富士山頂は自由対流圏に位置することが多く、また雲が生成されやすいので、自由対流圏における雲生成過程の研究に適している。

我々は旧富士山測候所において、夏季(7月、8月)にエアロゾルの粒径分布、雲凝結核(CCN)濃度(NCCN)、雲粒粒径分布の連続測定を行っている。その結果、雲凝結核の増加が予想される新粒子生成がほぼ2日に1回起こること、日中より夜間に多いことがわかった。この現象はユングフラウヨッホなどでは見られず、富士山固有のものであるがその原因はいまだ解明されていない。しかし、イベントの起こる時間が21時~23時に集中していることから、日中上昇した前駆ガスが対流圏で粒子化したものが、その時間帯に下降し山頂で測定された可能性が示された。

そこで、富士山麓太郎坊(標高1300 m)において、ライダー観測とゾンデ観測を同時に行うことにより大気の鉛直輸送を調べ、夜間山頂で観測される新粒子生成のプロセスを解明することを目的とする。

研究方法

  • 富士山頂旧富士山測候所にて、粒径分布、雲凝結核濃度、雲粒粒径分布の連続観測を行う。7月上旬に測候所に搬入、設置し、観測を始め、8月下旬まで自動計測を行う。約1週間に1回、点検作業を行う。
  • 太郎坊にて粒径分布の連続測定、ゾンデ(図1)、ライダー観測を行う。
  • ゾンデ観測は7月31日18時から8月3日8時まで行う。夜間のみ、3時間毎に放球する。
  • ライダー観測は7月中旬に設置し、8月下旬に撤収する。
  • 逆転層高度の変化から、境界層の大気が山頂に達した時間を見積り、山頂の濃度変化と比較する。

三浦和彦: 2016(平成28)年度生存圏ミッション研究 図
図 1 気象ゾンデで測定した気温の鉛直分布の測定例。
逆転層の高さから境界層高度の日変化がわかる。

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2016年8月5日作成

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