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生存圏フォーラム第48回連載コラム

お花見
寒さが続きながら、お花見のシーズンがまた訪れました。つらい花粉症を伴い、桜は目の前の中国水墨画のような風景を色が染めてきました。
 大学のシャトルバスが新学期に入り、一番便利なバス停をキャンセルされました。新学期の最初日に少々ショックを受けました。仕方なく、大学へ向かう方法を変えました。地下鉄に乗り、東山駅でバス201に乗り換え、吉田キャンパスまで通っています。通勤時間帯のバスは混みますので、天気がいい日に東山駅から、岡崎公園を通って、キャンパスまで歩いていきます。三十分もかかります。
 桜とともに来たのは、各地の観光客です。琵琶湖疎水沿いに枝垂れ桜がたくさん咲いています。景色に敏感じゃない私にしても、たまに忙しい通勤を忘れ、足を止め、景色を眺めることをします。わざわざ京都にお花見しに来る観光客にとって、これは何とも言えない贅沢な日々でしょうか?私も、知らないうちに、彼らの目の中の北斎の浮世絵の一部になったかもしれません。

(生存圏フォーラム会員 元生存圏研究所研究員 Q)