Research Institute for Sustainable Humanosphere

ミッション2「太陽エネルギー変換・高度利用」
平成28年度の活動

ミッション全体のミーティングリスト

合計7回の全体ミーティングを実施し以下の項目を議論した。

  • 今期6年間のミッション2の発展方法
  • 過去のミッション2研究テーマの整理
  • ミッション2の融合研究テーマの提案
  • 生存圏シンポジウム(平成29年1月10日開催)でのミッション2関連研究のポスター発表
  • アジアリサーチノード・マレーシアシンポジウムとの連携

第1回:平成28年5月10日
第2回:平成28年6月29日
第3回:平成28年8月19日
第4回:平成28年9月29日
第5回:平成28年11月7日
第6回:平成28年12月13日
第7回:平成29年2月1日

ミッション2関連研究ポスター発表

第330回生存圏シンポジウム(平成29年1月10日開催)にて、ミッション2関連研究ポスター発表を実施した。以下に、ポスター発表された研究テーマ24件を示す。ポスターセッションでは、各発表者にミッション2概略図上に各研究テーマの位置付けを付箋紙で表してもらった。

(1) バイオマス形成における生化学と高分子科学の重要性

(2) 近傍界におけるアレーアンテナ間電力伝送効率の評価

(3) セルラーゼ糖質結合モジュールとリグニン間相互作用の解析

(4) 5.8 GHz帯人工衛星内部ワイヤレスシステムの整流回路に関する研究

(5) Vanillin production from woody biomass by complex-peroxide reaction accelerated by microwave

(6) 計算機実験によるマグネトロンの効率及び雑音改善のための研究

(7) セルラーゼ分子の可視化

(8) 間欠波を利用した整流回路の動作に関する研究

(9) タンデムダイマー化した12-merリグニン親和性ペプチドとリグニンの相互作用解析

(10) マイクロ波無線電力伝送における5.8GHzマグネトロン位相振幅制御に関する研究

(11) NMR study on lignocellulose deconstruction by termite digestive system

(12) 窒素ドープセルロースからの燃料電池用カソード触媒の開発

(13) 工業的大量生産のためのチタン粉末のマイクロ波加熱装置の設計

(14) シロイヌナズナAtMYB63過剰発現イネの解析

(15) C帯高効率GaN アクティブアンテナにおける増幅器一体化設計

(16) 木質バイオマスからの有用芳香族化合物生産のためのビフェニル/PCB 分解細菌の利用

(17) 被加熱物に左右される直方体シングルモード共振器の寸法と電磁界分布

(18) 木材表面リグニンの分子イメージング

(19) 木質バイオマス中の糖-リグニン複合体の解析と酵素による分解

(20) 高調波利用型レトロディレクティブのためのレクテナからの高調波再放射特性の研究

(21) 温和なリグニン抽出法と海洋微生物由来酵素による物質生産

(22) 化学プローブを利用したリグノセルロース形成過程の可視化

(23) 触媒反応応用を目的としたマイクロ波加熱挙動の炭素繊維形状依存性

(24) バイオマス利用におけるセルロース抽出前処理工程の簡素化

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課題1 バイオリファイナリーへ向けた生体触媒、人工触媒の開発 (渡辺隆司)

[2016年度トピック:木材から単離したリグニンに配列依存的に結合するペプチドを発見]

単離リグニンに配列依存的に結合するペプチドを見出し、結合に係わる要因を解析した。リグニンを分解する人工触媒や酵素のリグニン親和性を高める分子コンポーネントとしての応用が期待される。研究成果をScientific Reportsで論文出版し、プレス発表した。

研究成果

Yamaguchi, K. Isozaki, M. Nakamura, H. Takaya, T. Watanabe, “Discovery of 12-mer peptides that bind to wood lignin”, Sci. Rep., 6, 21833, 2016 (DOI: 10.1038/srep21833)

プレス発表

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課題2 有用芳香族化合物生産のためのビフェニル/PCB分解細菌の利用 (渡邊崇人)

様々な芳香族化合物分解系を有するビフェニル/PCB分解細菌を用いて木質バイオマス等から有用な芳香族化合物の生産を目指す。現在、ゲノミクスやプロテオミクスの手法によりこれらの分解細菌から育種のための有用な遺伝子や酵素の探索と同定を行っている。

研究成果

渡邊崇人,藤原秀彦,末永光,木村信忠,廣瀬遵,二神泰基,後藤正利,古川謙介.ビフェニル/PCB分解細菌のリグニン由来芳香族化合物代謝酵素の探索と同定.第68回日本生物工学会大会(富山)2016. 9. 29.【ポスター発表】

Suenaga, H., Yamazoe, A., Hosoyama, A., Kimura, N., Hirose, J., Watanabe, T., Fujihara, H., Futagami, T., Goto, M., and Furukawa, K. Complete genome sequence of the polychlorinated biphenyl-degrading bacterium Pseudomonas putida KF715 (NBRC 110667) isolated from biphenyl-contaminated soil. Genome Announc. 5(1):e01624-16. doi:10.1128/genomeA.01624-16 (2017).

 

 

 

 

課題3 窒素ドープセルロースからの燃料電池用カソード触媒の合成 (畑俊充)

パルス通電加熱により、Fe、およびCoを吸着したセルロースアセトアセテート、およびメラミンからなる窒素ドープカーボンを調製し、固体高分子型燃料電池用カソード触媒を製造した。研究結果からセルロースおよびセルロースを含むバイオマス資源は、燃料電池用カソード触媒用の原料として優位性を持ち得ると考えられた。

 

 

 

課題4 リグニンの基礎化学とグリーンコンバージョン (渡辺隆司、西村裕志)

[2016年度トピック:海洋微生物由来酵素群による森林バイオマス成分リグニンの変換]

生存圏ミッション研究「海洋微生物由来酵素群による森林バイオマス成分リグニンの分解反応解析」などで実施した海洋研究開発機構他との共同研究を、ドイツの科学雑誌ChemSusChemで論文出版し、プレス発表した。

研究成果

Y. Ohta, R. Hasegawa, K. Kurosawa, A.H. Maeda, T. Koizumi, H. Nishimura, H. Okada, C. Qu, K. Saito, T. Watanabe, and Y. Hatada, “Enzymatic Specific Production and Chemical Functionalization of Phenylpropanone Platform Monomers from Lignin”, ChemSusChem, DOI: 10.1002/cssc.201601235; 16 Dec 2016

プレス発表

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課題5 バイオマス形成における高分子集合機構の解明 (今井友也)

バイオマスは高分子性の固体であることから、その合成機構を解明するためには生化学と高分子科学を必要とする。これらの融合研究により、バイオマス有効利用の基礎情報を与える。

研究成果

Shi-jing Sun, Tomoya Imai, Junji Sugiyama, Satoshi Kimura “CesA protein is included in the terminal complex of Acetobacter” Cellulose, 24, 2017-2027 (2017)

Shi-jing Sun, Yoshiki Horikawa, Masahisa Wada, Junji Sugiyama, Tomoya Imai “Site-directed mutagenesis of bacterial cellulose synthase highlights sulfur–arene interaction as key to catalysis” Carbohydrate Research, 434, 99-106 (2016)

Paavo A. Penttilä, Junji Sugiyama, Tomoya Imai, “Effects of reaction conditions on cellulose structures synthesized in vitro by bacterial cellulose synthases”, Carbohydrate Polymers 136, 656-666 (2016)

 

 

 

 

 

 

課題6 バイオマス利用におけるセルロース抽出前処理工程の簡素化 (吉村剛、堀井三郎)

木材や草本類のバイオマス粉末を水酸化リチウムに常温・常圧下で短時間浸漬することによって、セルラーゼ処理によるグルコースの収量が大幅に増加することを見出した。これは同濃度の水酸化ナトリウムによる処理と比較しても、明らかに高効率であった。

 

 

 

 

課題7 化学反応用マイクロ波加熱容器の研究開発 (三谷友彦)

化学反応プロセスに用いるためのマイクロ波加熱装置の設計を電磁界シミュレーションにより実施し、試作装置の性能を評価した。広い周波数範囲で照射可能なマイクロ波装置に関する研究成果をChemical Engineering Journalで論文出版するとともに、多数の試料を同時にマイクロ波加熱するための装置設計を開始した。

研究成果

Mitani, N. Hasegawa, R. Nakajima, N. Shinohara, Y. Nozaki, T. Chikata, and T. Watanabe, “Development of a wideband microwave reactor with a coaxial cable structure”, Chemical Engineering Journal, vol.299, pp. 209-216, Sep. 2016 (Open Access).

国際ワークショップの開催

2nd JASTIP Bioresources and Biodiversity Lab Workshop “Collaborative Bioresources and Biodiversity Studies for the ASEAN Region”

Humanosphere Asia Research Node Workshop toward Sustainable Utilization of Tropical Bioresources(2017年1月23日、宇治市)

生物多様性・生物資源利用に関する国際ワークショップをJASTIPと生存圏アジアリサーチノードが連携して開催した。16件の海外研究者講演を含む26件の講演が行われ、熱帯バイオマス利用に関する国際共同研究について議論した。

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